その⑬ 添乗中のハプニングから心温まるエピソードまで
星空の里・阿智村で
夏の星空観賞会と
昼神温泉「石苔亭いしだ」 2日間
2021年7月催行
大川 喜史 おおかわ よしふみ 添乗員 文=小野瀬宏子
  • イメージ イメージ
満天の星に、満点の笑顔が輝いて

出発直前、突然の豪雨で足止め

今回のツアーのハイライトは、長野県・阿智村での星空観賞会。出発の1週間ほど前に天気予報を確認すると、当日は雨。ところが、2日前には雨から曇りへ予報が変わり「これなら大丈夫だろう!」と期待を胸に出発日を迎えました。

当日は天気が崩れることなく、宿に到着。早めの夕食を済ませ、いよいよ星空観賞へ。お客さまもワクワクしながらロビーに集合されたその時、突然、猛烈な勢いで雨が降りはじめました。屋根や地面に打ちつける激しい雨音、宿のすぐ隣を流れる川からは轟音が聞こえてくるほど。お客さまには館内で待機していただき、私は雨雲レーダーの情報や星空観賞場所へのナイトゴンドラの運航状況、川の増水などをすぐに確認。お客さまがご不安にならないよう笑顔でいましたが、内心は「とにかく晴れてくれ」と祈る思いでした。

  • イメージ イメージ

雨から一転、天からの恵みのような輝き

ナイトゴンドラの最終便に乗れるギリギリの時刻まで待機し、ついに出発を決断。標高約1,400メートルにある観賞場所へ降り立つと、先ほどまでの強雨が嘘のように星々が輝いていました。観賞会がはじまるまでシートに寝転んで待っていらっしゃったお客さまから「大川さんも早くこちらへ!」と私のスペースを空けてくださっていて……。普段のツアーではお客さまと寝転んでお話するという機会はありえないのですが、この時だけは横になって、一緒に夜空を見上げながら、皆さまの若い頃の思い出話などを聞かせていただきました。しばらくすると会場内でカウントダウンがスタート。「3、2、1、0!」の瞬間、照明が一斉に消えると驚くほどに煌めく星々が天空に広がっていました。多くの流れ星も見られ、お客さまからも「わぁ!」という歓声が。私は添乗のたびに夜空を見ることにしていますが、これほど星が美しく見えたのははじめてでした。お客さまにもご満足いただけて、宿へ戻ると、再びの雨! 本当に奇跡の星空観賞となりました。

  • イメージ シートに寝転んで、星空を満喫
  • イメージ