単なる新造客船ではなく、日本のクルーズにとって革新的な客船となる「飛鳥Ⅲ」のデビュークルーズスケジュールが発表。自由度の高い選択型のスタイル、多彩な6つのレストラン、日本船ならではの大浴場や露天風呂、芸術性あふれる空間……。
デビューが近づき、期待が高まる「飛鳥Ⅲ」の魅力について郵船クルーズ株式会社 常務執行役員の熱田健二さんにお話を伺いました。
2025年7月20日、日本のクルーズに新たな歴史の1ページが刻まれる。日本のお客さま向けに1から設計・建造された「飛鳥Ⅲ」がついにデビューします。1991年就航の初代「飛鳥」から培ってきた日本らしいおもてなしの精神が「飛鳥Ⅲ」に継承され、「飛鳥Ⅱ」との2隻運航に。飛鳥クルーズのクオリティで2隻を楽しめることになります。
「飛鳥Ⅲ」の最大の特長は、従来の提案型から「選択型」へとサービススタイルが大きく変わることです。「飛鳥Ⅱ」では船側がクルーズごとにプログラムを提案し、船旅を楽しんでいただくスタイルです。それが「飛鳥Ⅲ」では、6つのレストランから選ぶお食事をはじめ、お客さま自身が船旅をデザインする自由自在なクルーズライフが実現します。たとえば、アメリカのプロゴルファーが絶賛する本格的なゴルフシミュレーター「フルスイング」や、大海原を眺めながらトレーニングができるフィットネスセンター「アスカ ウェルネスクラブ」など、お客さまが自分で過ごし方をデザインできる環境は大きな魅力の1つです。
「飛鳥Ⅲ」には6つのレストランが設けられ、それぞれ異なる料理と雰囲気を楽しむことができます。シグネチャーレストラン「ノブレス」は、追加代金なしで利用可能。シーズンごとに厳選された食材を使用し、シェフが提供する最高級のフランス料理をワインとともに味わえます。イタリア料理の「アルマーレ」は、ワゴンで運ばれるその日の食材をお客さまに直接見て選んでいただき、さらにシェフおすすめの調理法から選択できるプレゼンテーションスタイルが特長です。日本産の新鮮な食材にもこだわっており、食の楽しみが広がるレストランとして我々としても期待しています。
なお、「飛鳥Ⅱ」では寿司がテーマの「海彦」は、「飛鳥Ⅲ」では寿司だけではなく、四季を感じさせる割烹料理を提供します。名店「一東菴」でシェフが学んできた日本各地の蕎麦粉を使った二八蕎麦が自慢です。料理人が各地から選んだ器も料理を引き立てます。コンセプトを一新する「フォーシーズン・ダイニングルーム」では、ハンバーグやビーフシチューなど、親しみやすい日本の洋食メニューが提供され、お好みのメニューをお召しあがりいただけます。
さらに「飛鳥Ⅲ」では、アートや工芸作品も重要な見どころとなっています。3層吹き抜けのアスカプラザには、重要無形文化財「蒔絵」保持者(人間国宝)である漆芸作家・室瀬和美さんの作品が鎮座します。各レストランでは日本を代表する作家である平松礼二さん、千住博さんらのアート作品が食体験を一層引き立てます。また、「アート公募展」から選ばれた126点の作品が二年間船内に展示されます。この公募展には3歳から90歳まで幅広い年齢層の方が参加し、約2,300点もの応募がありました。未来を担う若手作家の作品も並び、まさに「アートクルーズ」と呼ぶにふさわしい芸術性豊かな空間をご堪能ください。
エンターテインメントの形も変わり、新たに「リュミエール シアター」で新感覚のショーが展開されます。全面にLEDが搭載され、映像・音響・光の演出とダンスが融合した「パフォーミングアーツ」という斬新なショーがクルーズ中に複数回上演されます。また、ラウンジなどでは時折音楽演奏が行われ、生演奏とともにクルーズを楽しむことができます。
「飛鳥Ⅲ」の客室は、ペントハウス、スイート、バルコニーの3つのクラスに分かれています。すべての客室にプライベートバルコニーが設置されており、最上級クラスのペントハウスには、バトラーサービスが付き、きめ細かなサービスを提供します。バトラーサービスの一例として、靴磨きの世界チャンピオン長谷川裕也さんが監修する靴磨きサービスもございます。また、ペントハウスの客室をご利用のお客さまは、有料レストランが旅行代金に含まれ、優先予約の特典もあります。寄港地での通常のツアーや、特別な体験型ツアーもご用意しています。
また、「飛鳥Ⅲ」では、「飛鳥Ⅱ」でも好評の日本船ならではのグランドスパが用意されています。12デッキの前方に展望大浴場と露天風呂を設置。湯船と海が一体化するような開放感のある景観が生まれ、洋上のスパならではの優雅な時間を楽しめます。大浴場を船内でも最も良い位置に配置、海外造船所のスタッフがプロジェクトの最初に日本の温泉を実際に視察するなど、こだわりを持ってつくられています。
「ベストシーズンにその地域へ」というコンセプトにより、7月20日からはじまるデビュークルーズは、横浜発着で北海道の函館・小樽をめぐります。デビュークルーズのなかには飛鳥クルーズとゆかりの深い大船渡へのクルーズも設定がございます。おすすめは8月5日発の「飛鳥Ⅲ」による初の日本一周クルーズです。横浜発着で函館、小樽、金沢、舞鶴、門司、別府をめぐり、関門海峡での花火も観覧できます。
複数のレストランをご体験いただき、選択型のクルーズをよりご満喫いただくために3泊以上のコースで編成しています。できるだけ長めのクルーズにご乗船いただき、「飛鳥Ⅲ」ならでの醍醐味を実感していただけるとうれしいです。寄港地によっては「A3エクスペリエンス」と称する特別体験プログラムをご用意、たとえば小樽でのワイナリー見学と地下特別室でのペアリングランチなど 特別ツアーを提供します。待望の新造客船「飛鳥Ⅲ」で新時代のクルーズ体験をお楽しみください。