数千メートルの高さから目前のアルプスを眺め、夕闇から星空、夜明けへと移ろう表情に心酔わせる……。そんなひと時をかなえる山上ホテルの旅をご紹介します。
1つ目は、はじめてスイスを訪れる方におすすめしたい、4大名峰をめぐるコース。最初に向かうのは、標高約4,000メートルのピッツ・ベルニナです。スイス側の展望台から壮大な眺めを堪能したあとは、景勝鉄道の旅。急勾配を進むベルニナ鉄道(レーティッシュ鉄道ベルニナ線)、そして氷河特急では全線走破するダイナミックな体験が待っています。
2つ目の名峰は、マッターホルン。天を衝くような鋭い山容を間近で望める特等席が、「3100クルムホテル・ゴルナーグラート」です。登山鉄道が混雑する朝ではなく、昼過ぎに乗車してゆったりと移動できるのは、宿泊するからこそのゆとり。観光客が下山したあとは、夕景を眺めながらディナーを味わう、ゲストだけの特別な時間が流れます。翌日に早起きして見守る夜明けの瞬間、山頂から染まりゆくモルゲンロート(朝焼け)には胸が熱くなることでしょう。山上ホテルの醍醐味に満ちた滞在を、存分にお楽しみください。
ヨーロッパアルプス最高峰のモンブランでは、エギーユ・デュ・ミディ展望台からフランスとイタリアの国境を越えるロープウェーで大迫力の空中散歩。最後のユングフラウでは、ヨーロッパ最高地点の鉄道駅に向かいます。目の前に広がるのは、アルプス最大の氷河など旅の締めくくりにふさわしい壮大な銀世界。スイスの絶景を余すところなく味わえるツアーです。
スイスを旅したことのある方に、まだ見ぬ新たな感動をお届けしたい。そんな思いから、アルプスの懐へと迫る3つの山上ホテル宿泊のツアーを企画しました。こちらの旅も、登山鉄道が空いている午後に乗車してホテルに移動します。最終列車の下山とともに、かけがえのない絶景を独占する時間のはじまりです。
ユングフラウ三山のまさに目と鼻の先、クライネ・シャイデックに佇む「ベルビュー・デザルプ」は、1840年に創業した歴史あるホテル。アイガーの岩壁が、すぐ目の前に迫ります。伝統を物語る建物とともに、標高約2,000メートルの雄大な眺めを満喫しましょう。
ピラトゥス山の「ホテル・ピラトゥス・クルム」は、わずか30室のラグジュアリーホテル。ここから数分の距離にある山頂の展望台からは、360度の大パノラマが広がります。北側はドイツへ広がる緑の大地、南側は急峻なアルプス。そして山麓には古都に面した美しい湖と、変化に富んだ景色に圧倒されるひと時です。
何度でも泊まりたい山上ホテルといえば、標高4,000メートル級の山々に囲まれた「3100クルムホテル・ゴルナーグラート」。マッターホルンをはじめ、多くの名峰が望めるゴルナーグラートでは、その日の天候などによって見える山の姿が変わります。かつて宿泊したことのある方も、また新たな印象を残す滞在になることでしょう。それぞれの部屋に、ここから見えるスイスアルプスの山の名と標高が付けられているのもホテルのこだわりです。
少し離れて開けた場所から一望すれば、また違う表情を見せてくれる山岳風景。この旅では、そんな時間も散りばめました。新車両を搭載したゴールデンパスラインで、アルプスの峰々を満喫しながらモントルー、そして古都ローザンヌへ。まるで絵画のようなレマン湖とモンブラン山群を眺望できます。
旅の終わりのグリンデルワルトでは、連泊ならではのゆとりある日程で、スフィンクス展望台とシルトホルン展望台へ。ユングフラウ三山を違うアングルから望めば、改めてアルプスをめぐってきた喜びを実感していただけることでしょう。さまざまな山容に出あい、スイス再訪の時を豊かに満たす旅をぜひご堪能ください。