コスタリカ、メキシコ、パタゴニア―今年11月から来年1月にかけて、個性際立つこれらのエリアへの旅を3コースご用意しました。いずれも、魅力的なスポットを訪れるだけでなく、従来のコースにさらに工夫を加えたものとなっています。ひと味違う中南米への旅。ぜひご期待ください。
日本の九州と四国を合わせたほどの小さな国ながら、世界中から多くの旅行者が訪れる中米コスタリカ。ここが「生物の楽園」と呼ばれているのは、その生物多様性の豊かさゆえです。世界の陸地面積の0.03パーセントほどの国土に、地球上の生物種の5パーセント近く、鳥や蝶、蘭に至っては約10パーセントの種が生息しているともいわれています。自然や生き物との出あいを楽しみたい人なら、1度は訪れてみたい国でしょう。
なかでも、コスタリカを訪れる多くの人のお目当てが、「世界一美しい鳥」と呼ばれるケツァールです。「カザリキヌバネドリ(飾絹羽鳥)」の和名のとおり、絹のような光沢のある美しい羽をまとったこの鳥。オスが長い尾羽でメスをひきつける繁殖期は、さらに美しい姿を見せてくれます。世界のバードウォッチャーの憧れでもあるケツァールは、中米の熱帯雨林に広く生息していますが、環境保護先進国として生物の保護に力を入れているコスタリカは、特に観察に適した国なのです。
ただし、緑の茂った熱帯雨林で、緑の羽に覆われたケツァールを見つけるのは簡単ではありません。「幻の鳥」と呼ばれているのはそのためです。そこで、今回のツアーでは、この「幻の鳥」との出あいを果たすべく、観察地として人気のモンテベルデとサンヘラルド・デ・ドータの2カ所で計4回、観察のチャンスを設けました。ポイントは、サンヘラルド・デ・ドータのホテルを2泊分確保していること。ここはモンテベルデ同様、ケツァールとの遭遇率の高い場所ですが、通常のツアーでは、サンホセの街を早朝に出発して日帰りで訪れるのが一般的。それを今回は、サンヘラルド・デ・ドータ自体に2泊して、ケツァールのいる森に、連日早朝に出かけます。これでケツァールとの遭遇率はぐんとアップ。もちろん訪れるのは、オスが尾羽を伸ばす繁殖期です。古代、神聖な鳥として崇拝された神々しい姿をぜひ目におさめてください。
環境保護先進国のコスタリカの森では、もちろんケツァール以外にもさまざまな動植物と出あえます。サンホセから車で約1時間のタルコレス河では、クルーズサファリでワニやペリカンなどを見学。モンテベルデでは、吊り橋を渡って熱帯雲霧林を見下ろし、樹上の植物を観察します。
熱帯雨林の広がるサラピキでは、ナマケモノやシロヘラコウモリなど愛らしい動物たちとの遭遇が期待できるでしょう。ブラウリオカリージョ国立公園では、生物の宝庫たるこの熱帯雨林を空中ゴンドラから俯瞰するという体験をお楽しみください。ヤドクガエル、モルフォ蝶、ハチドリなど、この国で出あう可能性のある生き物はまだまだたくさんいます。
ちなみに、この旅では、全行程をコスタリカ政府公認の日本語ガイド、上田晋一郎さんが同行します。コスタリカ在住25年を超える上田さん。動植物や自然についてはもちろんのこと、コスタリカという国や、現地での生活についても、興味深い話が聞けることでしょう。