「冷たーい!」「これは気持ちいい!」と、皆さまから歓声が上がりました。真夏の日射しのもとで出あった、湧き水があふれる水くみ場。目の前にあるお店の方からは、「腕を5秒、つけるといいよ」というアドバイスが。ひと時、暑さを忘れ、皆さまと爽やかな涼を味わいました。
ここは、静岡県三島市のとなり、清水町の柿田川湧水群。プレミアムクルーザーで楽しむ2日間の旅で、静岡の名所を訪ねました。前日は「願成就院」で運慶作といわれる五仏を拝観し、修善寺の宿に宿泊。そして2日目は、清々しい自然のなかへ。清流と緑が美しい、柿田川湧水群の公園を散策しました。
ここに湧き出ている水は、諸説ありますが、数十年も前に富士山に降った雪や雨なのだそうです。公園内では、コバルトブルーの水があふれる「湧き間」を見ることができます。近隣では、清流にしか咲かないといわれる、珍しい「梅花藻(ばいかも)」の花が見られる湧水地もありました。
近くにはお土産屋さんが並び、清流を利用してつくったわさびや豆腐などが売られています。また、自由に水をくんだり、飲んだりできる水くみ場も。そのなかの1つ、アイスクリーム屋さんの店先にあった水くみ場で、お店の方が「腕を冷やすと涼しいよ」と、声をかけてくださいました。
お豆腐を買ったお客さまには、お店の方が保冷剤を付けてくれます。その中身は、なんと「おから」。「溶けたら食べられますよ」と、笑顔で説明してくださいました。
水くみ場でひと口飲んでみた水は、どことなく甘みを感じました。農産物や地元フルーツを使ったお土産も多く、富士山の恵みの幅広さには驚かされました。
きれいな湧き水の冷たさと、お店の方々の温かさ。そんなみやげばなしが詰まった、夏の旅でした。