鈴木 智子 すずき ともこ 添乗員のはなし
Vol.13
日本
文=吉田千尋
「試⾷」で満腹!? りんご愛あふれる福島の

明治時代から続く こだわりの果樹園へ

たわわに実ったりんごを前に、皆さまのお顔がパーッと華やぎます。ご自分で見て選び、もぎ採っていただける味覚狩りは、いつでも大人気! この時はプレミアムクルーザーで行く1泊2日の旅で、秋を迎えた福島を訪ねました。

りんご狩り体験を楽しんだのは、100年以上の歴史を持つ「古山果樹園」です。家族経営の小規模な農園で、5代目の古山浩司さんはとにかく果物への愛があふれている方。特別な手間をかけて糖度を上げ、1個200万円というびっくりするような値がつく桃など、栽培へのこだわりを熱く語ってくださいます。その後は、「陽光」「シナノスイート」「紅玉」という3種のりんごの食べ比べ。皆さまが採られた分はお土産にして、ここでは試食用に用意したりんごを古山さんが切り分けてくださいました。

  • イメージ イメージ 上手なもぎ採り方のコツも教わりました
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飽きないおいしさに 食べ比べが止まらない!

「試食」というと味見するくらいのイメージですが、古山さんは実に豪快。りんごについて語りながら次から次へと皮をむいていき、しかもひと切れが大きい(笑)。お1人につき、1個分はあったと思います。「蜜が濃いね」「あっさりして爽やか」など、それぞれ違うおいしさに手が止まらず、皆さま見事に完食されました。

「おなかいっぱい!」と喜んでくださっている皆さまを前に、その後の夕食をお召しあがりいただけるのか不安になりましたが(笑)、そんな心配は無用でした。この日のお食事は、飯坂温泉「御宿かわせみ」自慢の松茸料理。皆さま、ゆっくりと時間をかけて味わってくださり、こちらも大好評でした。

まさに、福島の秋の味覚をたっぷりと満喫できた旅。私もりんごをお土産にいただいたのですが、実はアレルギーがあり、ほとんどの果物が食べられないのです。

というわけで、りんごを味わったのは家族でしたが、「すごくおいしい!」と大喜び。あっという間に平らげてしまいました。「今頃、皆さまもおうちで味わっていらっしゃるのかな」と想像し、私も笑顔に。りんごは食べられなくても、たっぷりと収穫のある旅でした。

  • イメージ イメージ 翌日は、紅葉と五色沼が鮮やかな裏磐梯へ