[ 世界を旅する・ドイツ編 ]

山頂に堂々と立つ
ホーエンツォレルン城

企画=三浦信也 文=小野瀬宏子
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ドイツのお城といえば「白鳥城」とも呼ばれるノイシュバンシュタイン城が有名ですが、旅人を魅了する古城はほかにも。その筆頭にあげられるのが、ドイツ三大名城の1つ、チュービンゲン近郊にあるホーエンツォレルン城です。

大きな特徴は立地にあります。標高855メートルの山頂にそびえる姿は、まさに天空の城。争いの時代を乗り越え、穏やかな現代を静かな眼差しで見守っているような威風堂々とした印象です。山へバスが近づくにつれ、車窓から望む城の雄姿に期待が高まります。

城に到着し、内部の通路を上がっていくと広いテラスに出ます。ここからの眺望こそが、ほかではなかなか味わえない見どころです。眼下に見えるのは、広大な森。その先にはドイツらしい素朴な家々が点在。城主になった気分で風景を楽しんでみてはいかがでしょう。

たとえ雨に降られても、天候を嘆くことはありません。威厳のある城の佇まいは幽玄な雰囲気に包まれ、まるで中世に迷い込んだよう。時には雲海が森を覆い尽くし、城が空に浮かんでいるような風景に出あえることも。

ドイツ最後の皇帝、ヴィルヘルム2世も感嘆したと伝えられる城からの眺望を、ぜひ体感してみませんか。