[ 世界を旅する・ポルトガル編 ]

小舟モリセイロと建物が鮮やかに彩るアヴェイロの水辺の風景

企画=木島将也 文=大倉みゆき
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ポルトガルの首都リスボンと主要都市ポルトの中間にあるアヴェイロ。漁業が盛んな港町であり、街なかに水路が通っていることから、「ポルトガルのベニス」とも呼ばれています。カラフルな小舟モリセイロが行きかう運河沿いは、この街を代表する光景。船体にはそれぞれ色彩豊かな絵が描き込まれていて、人々の目を楽しませてくれます。

街を歩けば、黄や赤、ピンクなどの明るい色を施したアールヌーボー様式の建造物が立ち並んでいます。空と水辺の青に、なんとよく映えることでしょう。

舗道のところどころで星や魚を模様にしたタイルが埋め込まれているのを見かけます。ここは陶器づくりがさかんな街。建物の外観装飾や駅、教会の壁や天井など、ポルトガル特有の焼き物アズレージョで飾られています。郊外には、1824年に創設されて英国王室御用達にもなった由緒ある高級陶磁器「ヴィスタ・アレグレ」の工場と博物館がありますので、足を延ばしてみてはいかがでしょうか。

街なかで見かけたらぜひ食べてみたいのが、オボシェモレシュ。魚や貝殻の形をした薄皮のなかに、濃厚な卵の黄身のクリームが入っています。日本のもなかのルーツともいわれ、甘さ控えめで食べやすいお菓子です。