前号では素敵な料理写真を撮るポイントをご紹介しました。そのなかで、料理写真はアングル(被写体に対するカメラの角度)が重要だとお伝えしましたが、アングルは料理だけでなくすべての写真に重要な要素。同じ被写体であってもアングルによって写真の印象はガラリと変わります。
いいな、と思って撮影してみたのに、仕上がった写真はなんだか平凡……。ということがありませんか? もしかしたら、アングルを変えるだけで印象的な写真になるかもしれません。
今回は、意識することによって表現の幅がグッと広がる3つのアングルの特徴と使い分けをご紹介します。スマホ(スマートフォン)は撮影画面が大きく確認しやすいので、アングルを変えながらの撮影に向いています。簡単に実践できるので、ぜひ試してみてください。
一番身近なハイアングル撮影として挙げられるのが、前回ご紹介した料理撮影です。料理は自分の目の高さから見下ろすように撮ることでバランス良くおいしそうに写すことができます。
また、観光地の展望台などから撮る風景写真もハイアングルの定番。自分自身が高いところまで上り、地上を見下ろして撮影する風景やビル群はハイアングルでしか撮ることができません。眼下に広がる風景を客観的にカメラに収めることができます。
立ったまま目の高さで撮影すると、普段見ている景色とあまり変わらない角度からの撮影になるため、安心感のある落ち着いた印象の写真に仕上がります。しかし、何も意識せずに撮ると味気ないものになりがちなアングルでもあります。
たとえば、しゃがみ込んで動物の目線に合わせてみると、生き生きとした表情を撮影できます。
ローアングルで人物を撮影すると足長に写り、背の低い花を撮影すると花の美しさだけでなく、太陽に向かって伸びやかに咲く様子を表現できます。
また、建物などはローアングルから撮影すると高さが強調されダイナミックな印象に。加えて、ローアングルから撮ることで空を写し込むことができ、開放的な写真に仕上がるのも特長です。