[ クローズアップ ]

海外へ、行こう

企画=坂口智一/長谷川賢 文=吉田千尋
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2022年春、皆さまへお送りする海外ツアー。

私たちは、安心・安全をお守りする「10の約束」とともに、お待ちいただいた皆さまにお応えする、深く豊かな感動の旅をお届けいたします。

今回ご紹介するのは、ゆとりを大切にした〈和の旅〉、上質な体験が待っている〈殊の旅〉から、それぞれおすすめの2コースです。

さあ、胸躍る海外へ、出かけましょう。

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〈和の旅〉で行く「マルタ」

地中海の宝石、マルタ島で辿る
勇壮な騎士団の物語

  • イメージ イメージ 時を止めたかのようなヴァレッタ旧市街が、紺碧の海に映える
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巡礼者を守る集団から やがて戦いの最前線へ

煌めく地中海と、蜂蜜色に輝く街。石造りの家々や大聖堂が、高い城壁に守られています。難攻不落といわれた城塞都市を抱く、マルタ島。そこには、今も存続している「マルタ騎士団」の物語が刻まれています。

そのはじまりは、11世紀のこと。第1回十字軍がイスラム教徒からエルサレムを奪還した後、聖地を巡礼する人々のために病院や宿泊所をつくった「聖ヨハネ騎士団」が前身でした。

イスラム勢力との衝突が激しくなるにつれ、彼らが担う仕事も次第に軍事色を強めていきます。しかし、13世紀末にはパレスチナを追われ、地中海の島を転々とすることに。ようやく本拠地としてマルタ島を得たのは、16世紀のことでした。この頃からマルタ騎士団と呼ばれるようになり、強大なオスマン帝国を破ったことで栄華を極め、華やかな都市をつくり上げていきます。

騎士たちが築いた時代は、18世紀、ナポレオンの侵攻によって終わりを告げました。領土を失ったマルタ騎士団ですが、現在はローマに拠点が置かれ、国際的に活動する慈善団体として誇り高き歴史を受け継いでいます。

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栄華を伝える大聖堂 謎に満ちた古代遺跡も

マルタストーンと呼ばれる石灰岩を使った、マルタ騎士団の城塞都市。それが、今も美しさを放つマルタ共和国の首都ヴァレッタです。今回のツアーではマルタ島に4連泊し、騎士団の道のりを辿ります。また、ご自身のペースに合わせてお楽しみいただけるよう、「ゆったり度1」と「ゆったり度3」の旅をご用意いたしました。

豪華絢爛な彫刻や絵画が埋め尽くす聖ヨハネ大聖堂は、まさに騎士たちが隆盛を極めたことを表すもの。対イスラム戦線の最後の砦として、ヨーロッパの貴族たちから莫大な寄付を受けていたマルタ騎士団の豊かな時代を伝えます。大聖堂付属美術館に展示されている、バロックを代表する画家カラヴァッジョの大作『聖ヨハネの斬首』なども見どころです。

  • イメージ イメージ 現在は大統領府と議会が置かれる騎士団の館

市街の中心には、歴代の団長が使っていた公邸「騎士団の館」が佇みます。壮麗なつくりは、ヨハネ大聖堂を設計した建築家によるもので、館内では騎士たちが実際に身に着けていた甲冑や武具などの展示も。中世の勇壮な戦いを彷彿とさせる空間です。

マルタ騎士団の宿舎を改装してつくられた国立考古学博物館を訪ねると、この島のもう1つの顔に出あうことができます。それは、紀元前数千年に栄えていた文化を語る古代遺跡です。マルタ島では巨石神殿が30基以上も発見されていますが、その多くが謎に包まれたまま。この博物館では、神秘的な出土品の数々が展示されています。

  • イメージ マルタ騎士団の黄金期を物語る聖ヨハネ大聖堂
  • イメージ 国立考古学博物館の至宝、巨石神殿から出土した「スリーピングレディ」

最終日には、お隣のゴゾ島へ。こちらも紀元前のものとされる巨石神殿や、だまし絵が印象深いゴゾ大聖堂など、見応えたっぷりです。

今では穏やかな時間が流れるマルタ島。港町のマルサシュロックでは、「ルッツ」と呼ばれる伝統的な漁船が波に揺られ、旅人たちをやさしく迎えます。この島の歴史と現代を余すところなく味わえる旅を、ぜひご堪能ください。

  • イメージ 港町マルサシュロックでは、活気あふれる朝市も見学
  • イメージ マルタ島は、2月頃から黄色い野花に彩られる
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〈和の旅〉で行く「バスク地方」

美食を愛する人々が紡いだ
世界に誇るバスクの文化

  • イメージ イメージ ビスケー湾が豊かな恵みをもたらずサン・セバスチャン
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宮殿への訪問者に応えて はじまった、美食の歴史

世界の美食家たちの舌をうならせて止まないバスク地方。スペインとフランスにまたがるこの一帯で、名立たるレストランが集まる小さな街が、スペインのサン・セバスチャンです。この地が美食の街となるまでの歴史には、いくつかのエピソードがあります。

19世紀の終わりのこと。スペイン王室が、サン・セバスチャンに夏の離宮「ミラマール宮殿」を建てました。ヨーロッパ各国に鉄道が敷かれはじめたこの頃、スペインでも汽車が登場し、王侯貴族などがこの美しい宮殿を訪問するようになります。

彼らが食事をするところといえば、当時はホテルのみ。そこで、訪れる人々に応えるためにレストランが多く開業され、外食産業が発展していきました。

20世紀後半、お隣のフランスで、生クリームやバターを使う伝統的な料理からの脱却を図った、シェフたちの革命が起こります。彼らに触発され、1970年代にサン・セバスチャンではじまったのが、「ヌエバ・コシーナ」運動でした。自分たちならではの新たな料理を創造しようという若きシェフたちが、レシピをお互いにオープンにしながら、美味を追求。料理を楽しむ文化は、一般市民にまで広がりました。

今では世界にその名が知られるようになったバスク地方。そこには、美食を愛する小さな街の人々の、熱い想いが流れています。

  • イメージ ひと口サイズのピンチョスとお酒を楽しめるバル
  • イメージ 盛り付けまでこだわるバスク料理は、アートのように美しい
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連泊で美食の街めぐり フレンチバスクの村も

今回のツアーでは、バスクの代表的な2つの街を訪ね、それぞれに3連泊していただきます。芸術都市としても名高いビルバオ、そしてサン・セバスチャンです。どちらも優雅な滞在をお約束する、上質なホテルを厳選しています。

  • イメージ サン・セバスチャンでは、優雅な「ロンドレス・イ・デ・イングラテッラ」に3連泊
  • イメージ フレンチバスクのエスペレット村は、窓の周りを唐辛子が彩る

サン・セバスチャンのホテルから徒歩で行ける旧市街では、気軽に食事やお酒を楽しめるバルが軒を連ねます。一口料理「ピンチョス」や、小皿料理「タパス」など、バスク生まれの独創的なおいしさに舌鼓を打つひと時です。

さらに、この街からフランスにも足を延ばします。美食のリゾート地であるサン・ジャン・ド・リュズ、特産品の唐辛子が家々を飾るエスペレット村など、スペインとはまた違う風情が漂うフレンチバスクを満喫しましょう。食事は、地元で愛される名店へ。バイヨンヌでは、フランスにおけるチョコレート発祥の地ならではの老舗カフェが並ぶ通りの散策も楽しみます。

ゆったりとしたスケジュールで堪能する、バスクの美味。澄んだビスケー湾、雄大なピレネー山脈の眺めとともに、海外を旅する喜びを深く実感していただける時間が待っています。

  • イメージ イメージ サン・セバスチャン旧市街には、庶民的なバルが立ち並ぶ

※ツアー催行の可否は外務省発出の感染症危険情報ならびに、訪問国および帰国時の自主隔離日数を総合的に鑑みて判断します。