「ヨーロッパの観光地はほぼ行き尽くしてしまったけれど、やっぱり好き。何か目新しい楽しみ方はないかな?」と旅先を探しているお客さまにおすすめする4つの旅をご案内します。観光とはちがった「体験」に、行けばきっと満足していただける場所を揃えました。テーマは、実りの秋ならではの食事。一期一会といっても過言ではない食事の機会を大切に、その地に行ったら必ず食べていただきたい、旬の味や風土の味わいがずらり。市場や工房見学など、食にまつわるプログラムも織り込んでいます。今や観光にも勝る魅力として語られるほどの食の体験をご紹介しましょう。
1つ目は世界が熱い視線を送る美食の地、バスク地方とその周辺を満喫する旅。スペインとフランスにまたがり、山も海もあるこのエリアは食材の宝庫です。冬から春に出発するコースを毎年発表していますが、今回は満を持して実りの秋を迎えるバスクとリオハへご案内します。おすすめは、リオハ州にあるスペイン王室御用達ワイナリー併設のホテル「マルケス・デ・リスカル」。国を代表するワインどころ、リオハ州で生まれた最初のワイナリーを見学する時間も設けています。
斬新なデザインの建物は、リオハのシンボルともいわれています。設計は現代建築の巨匠フランク・ゲーリー。夕食のレストランはそのなかにあり、地元出身のスターシェフ、フランシス・パニエゴが料理監修を務めています。シェフのお気に入りメニューが並ぶテイスティングメニューを自慢の王室御用達ワインとともにゆっくりとご堪能ください。前菜となるタパス(小皿料理)のなかには、パニエゴ氏にとって“母の味”であるクリーミーなコロッケも。家庭料理を洗練させたひと皿は、どこか懐かしい味わいです。至福のディナーのあと、すぐにお部屋で眠りにつく…宿泊客だけの贅沢です。
バスクを代表する食の都サン・セバスチャンでは、街中いたるところに軒を連ねるバル(居酒屋)へ。ピンチョス(バケットに肉や魚介、野菜などの食材をのせて串で刺した一口料理)を楽しみます。それぞれのバルで自慢料理も異なるので、余裕があればぜひ、はしごしてみましょう!なぜバスクは“美食の地”と呼ばれているのか。長く過ごすほどにその真髄にふれる旅となることでしょう。
次にご案内するのは、アルビ、カオール、サルラ、サン・テミリオンなど、秋景色に染まる街と珠玉の美しい村をめぐる旅。「フランスの最も美しい村」協会の発祥地といわれるコロンジュ・ラ・ルージュも訪れます。注目のレストランは、濃厚な色調のマルベック種の赤ワインの名産地カオール近郊にある「シャトー・ド・メルキュエス」。ロット河沿いに佇むシャトーホテル内にあるレストランで夕食を。エレガントな空間で、洗練されたケルシー地方料理を自家製カオールワインとともにお楽しみいただきます。シャトーが所有するぶどう畑から生まれた赤ワインと、地元で収穫された秋の味覚のマリアージュをご堪能ください。
この季節ならではのこだわりの食材として、地産のフォアグラや、香り高いトリュフ、セップ茸、モリーユ茸などの旬のキノコ類を使った滋味深い料理をご賞味ください。また、食のプログラムとして、ペリゴール地方の中心となるサルラの朝市の見学もお楽しみいただけます。サルラは中世の雰囲気を残し、柔らかな色合いの石灰岩づくりの建物が立ち並ぶ街。1962年、文化財保護を規定した法律であるマルロー法による景観保護計画で、フランスで最初に復興が進められた街です。リベルテ広場で開催される朝市は、新鮮な野菜や果物、名産のクルミのオイルや、フォアグラ、チーズなどを売る店が活気にあふれています。