穏やかな波の音、爽やかに吹き抜ける風、ウクレレの調べとともにゆったりと流れる時間。ハワイの持つ空気感は、世界中どこを探してもほかにはない独特のものです。
三越伊勢丹ニッコウトラベルでは、この唯一無二のリゾートへの旅をいよいよ再開します。訪れるのは、大自然の営みを壮大なスケールで見せてくれるハワイ島と、多様な楽しみを提供してくれるオアフ島。旅の最後は、オアフ島ワイキキの名門ホテル「ハレクラニ」滞在で優雅に締めくくります。ハワイ在住18年になる、「ハレクラニ」のアジア地区営業マーケティング部部長・高岡一輝さんのお話を交えながら、この旅についてご紹介しましょう。いつも大きな懐で迎えてくれるあのハワイへ、今再び。
「ハワイには“マラマ”という言葉があります。ハワイ語で“思いやりの心”という意味ですが、ハワイは昔からこういう気持ちを持った人が多い土地なのだと思います」。こう語るのは、オアフ島ワイキキのホテル「ハレクラニ」で営業とマーケティングを担う高岡一輝さん。今回のハワイの旅をご案内するにあたり、まずは、旅を締めくくるこの名門ホテルの紹介からはじめましょう。なぜなら、ここが、ハワイの魅力を存分に感じさせてくれる場所だからです。
ハワイ語で「天国にふさわしい館」を意味する「ハレクラニ」の創業は1917年。今や世界の旅行者が憧れるこのホテルの前身は2階建てのビーチハウスでした。ここで近所の人々や漁師も含め「誰でもどうぞ」と招いたオーナーの大らかさこそ、今に受け継がれているおもてなしの遺伝子です。ビーチハウスに鍵を付けていなかったことに由来するホテル内レストランの名「ハウス・ウィズアウト・ア・キー」(鍵のない家)も、その良き伝統の印でしょう。
そして現在「ハレクラニ」が提供するおもてなしは、その伝統とプロのサービスが融合したものです。高岡さんはその特別さを「この地だからこそ実現できるもの」と言います。「決してカジュアルではないのに、家族のようにお客さまを笑顔で出迎え、接し、何かあれば親身に考える温かみがある。この微妙なバランスは、ハワイの人々がもともと持つ“マラマ”がなければ成立しないものだと思います」。世界各地のホテルでキャリアを積んだ高岡さんが、18年も勤務し続けていることもまた居心地の良さの証なのかもしれません。
「ハレクラニ」では、もともと予定していた大規模な改装をコロナ禍の間に前倒しで実施、昨年10月にリニューアルオープンしました。「セブン・シェイズ・オブ・ホワイト(7色の白)」と呼ばれる白を基調とした美しい内装や優雅さはそのままに、客室の家具などを一新。各所の機能性も向上し、滞在時の快適さが増しています。
そんな「ハレクラニ」では、「ぜひ非日常を楽しんでいただきたい」と高岡さんは言います。「バルコニーで太平洋を望みながらシャンパン片手に本を読んだり、プールサイドで昼寝をしたり。1日の終わりは、レストランでフラダンサーとハワイアンバンドのライブを。そんなふうに、ここではあえてスマホを脇に置き、アナログな滞在をゆったり楽しんでいただけたらうれしいですね」とのこと。
ホテルの外の楽しみについても伺いました。高岡さんが「いるだけでワクワクする遊園地のような場所」と表現するのは、ホテルから徒歩数分の距離にあるカラカウア大通り。ワイキキ随一のこの目抜き通りには、ブティックからレストランまで多様な店が軒を連ね、飽きることがありません。さらに、高岡さんがハワイ通の方々におすすめするのが、ビショップ博物館などハワイの歴史や文化にふれられる施設です。自身もこうした施設を訪れ、ハワイ王朝終焉の経緯や日本の皇室との意外な接点を知って感動したそうで、「深く知ることでハワイがより好きになるはずです」と太鼓判を押します。「ハレクラニ」宿泊のお客さまには入場無料の特典がありますので、ご興味のある方は自由行動の日に足を運ばれてはいかがでしょうか。
太平洋の真ん中に浮かぶハワイでは海の楽しみも欠かせません。グラスボトムボートでの遊覧観光では、ガラス張りの船底から美しいサンゴ礁の上を舞う、色とりどりの魚たちが観察できます。「私たち観光業者としては複雑な想いもありますが、コロナ禍で観光客が減っていた間に海の透明度が上がりました。以前にも増して美しい海を楽しんでいただけると思います」と高岡さん。
もう1つ、高岡さんが教えてくれた楽しみが山です。「ホノルルのようなエンターテインメント性にあふれた街があるかと思えば、街から車で10〜15分も走れば自然豊かな山がある。これもオアフ島の魅力ですね」とのこと。
旅程では、ワイキキから30分ほどの高台にあるヌウアヌ・パリ展望台を訪れます。オアフ島を南北に縦断するコオラウ山脈の窪みに位置する展望台から、山脈を隔ててワイキキの反対側に広がる大パノラマをぜひご堪能ください。
山の自然の話が出たところで、ツアー前半で訪れるハワイ島のご紹介をしましょう。
別名「ビッグアイランド」とも呼ばれるハワイ島は、ハワイ諸島で最も若い島で、今なお成長中です。それをよく表すのが活発な火山活動。島の南東に広がるハワイ火山国立公園では、地面の亀裂から蒸気が噴き出す噴気孔や、大きく口を開けるカルデラなど、活火山であるキラウエア火山がつくり出す自然の驚異を目の当たりにできます。昼食は、巨大な火口ハレ・マウマウを望む「ボルケーノ・ハウス」にて。火山の女神ペレの終の住処と伝わるこの火口は、4年前の噴火で大きく姿を変えましたが、今は静かにそこにあります。地球が“生きている”ことを、これほど間近に感じられる場所は、世界を探しても多くはないでしょう。何度もこの島を訪れたと言う高岡さんは「地球の力強さや躍動感を直に感じられるすばらしい島」と語ってくれました。
ハワイ島では、このほか世界三大コーヒーの1つとされるコナ・コーヒーの農園や、風情ある港町カイルア・コナも訪れます。古代ハワイの文化にふれる機会もご用意しました。プウホヌア・オ・ホナウナウ国立歴史公園は、かつての王族の居住地であり、「カプ」(タブー)を破った者の、いわば駆け込み寺の役割も果たした場所。厳かな空気のなか、「ヘイアウ」と呼ばれる古代の神殿など多くの史跡を見学いただけます。
趣の異なる2つの島、そしてどの島にも共通する人々の笑顔。いつ訪れても大らかに迎えてくれるハワイの懐に、今こそ包まれてはいかがでしょうか。