シチリアで暮らす人がつくりあげた、シチリアを楽しむ旅。まさに“旅の地産地消”ともいえる、新しいスタイルのツアーが誕生しました。企画担当の森脇潤が以前に添乗した旅で、シチリア州公認の日本人ガイドである原志津子さんと出あったことからはじまった、社員が添乗員を務める当社ならではの旅づくり。皆さまへお届けするのは、20年以上この地に暮らす原さんの想いとアイデアが詰まった、シチリアだけをめぐるツアーです。絶景のローカル列車や小さな村、農園レストランなど、定番だけではない魅力を体感できる深く豊かな11日間。まだ見ぬシチリアを探しに、出かけてみませんか。
古代ギリシャの神殿や、壁一面を覆う黄金のモザイク……。どの国にいるのか惑わされてしまうほど多様な文化が入り組んでいる風景は独特のもので、この島が「文明の交差点」と呼ばれるのもうなずける話です。
紀元前からギリシャ人が都市をつくり、後にローマ、アラブ、ノルマン、スペインなどさまざまな民族が入れ替わりながら支配したシチリア。その歴史のなかで異なる宗教が融合した、独特の文化にも出あえます。アラブの宮殿だった建物を、ノルマン民族が改築したパラティーナ礼拝堂です。キリスト教美術である、ビザンチン様式のモザイク装飾で描かれた聖人や聖書の物語と、アラブ式の幾何学模様。異文化を受け入れた、大らかな12世紀の王国を物語ります。
街全体が美術館のようなノートは、17世紀の大地震のあとに再建された都市。当時流行のバロック様式で統一された街並みが、華麗なる時代へと誘います。
平野が少ないシチリアは、自然の風景も変化に富んでいます。富士山を思わせるなだらかな稜線が美しいエトナ山は、圧倒的な存在感。堂々たるその姿と紺碧の海を客室から望むとっておきのホテルが、タオルミーナの「ヴィラ・ディオドーロ」です。特に朝焼けの時間は幻想的で、夜も明けきらぬうちからカメラを構える人の姿も。この旅では3連泊で、心揺さぶるこの絶景を堪能します。
さらにエトナ山の裾野をぐるりと周遊する鉄道で、表情豊かな車窓風景を楽しみましょう。荒々しい溶岩台地、牧歌的なぶどう畑やオリーブ畑、まぶしいほどの海と太陽……。次々と彩りを変えていく景色にもまた、シチリアの奥深さを感じることでしょう。中間駅のランダッツォでは、一度途中下車。アグリツーリズモ形式の農園レストランで、肥沃(ひよく)な大地の恵みをいただきます。シチリアだけをめぐる旅ならではの、ゆとりの滞在を満喫できるひと時です。