[ 三越創業350周年特別企画② ]

「ベルサイユ宮殿晩餐会の旅」

周遊してこそわかる地方色の豊かさ

フランスを
まるごと楽しむ14日間

企画=石川俊平/木島将也 文=佐藤淳子
  • イメージ イメージ ぶどう畑に囲まれた世界遺産の街、サン・テミリオンの秋景色
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フランスはバランスの良い六角形 多様な地勢が郷土料理を育む

多彩な魅力を持つフランス。この国を観光する楽しさをひと言で表すのは容易ではありません。あえて言うなら「地方色の豊かさ」でしょうか。そのことを教えてくれるのが、フランスの地図です。あらためて眺めてみると、六角形に近い形をしていることに気づくでしょう。対角線を結ぶ3本の線はほぼ同じ長さで、その均整ぶりは正六角形と呼んでも良いほど。そして6辺のうち3辺は地中海、大西洋、英仏海峡に面し、残りの3辺はスペイン、イタリア、スイス、ドイツ、ベルギー、ルクセンブルクといった国々と接しています。この地で多様な文化が花開き、進取の精神が育まれたことは、地勢から見て必然だったのです。

  • イメージ イメージ フランスは3辺を海、3辺を諸外国に接した六角形

さらに地図を南北で二分すると、北は緑、南は茶色が多いことがわかります。平原の広がる北部に対し、山がちな南部。この地理的特質は、当然のことながら歴史や文化に大いに影響します。最もわかりやすい例が料理でしょう。たとえば、北部のノルマンディー地方では、料理にバターやクリームソースが多用されます。一方、南に行けば、乳製品に代わり、オリーブオイルを使った料理が多くなります。フランスを農業大国たらしめる北部の広大な平原では牧畜が盛んです。また、暑さや乾燥に強いオリーブは南部の特産。こうした背景が、その土地ならではの料理を育んできました。「代表的なフランス料理は何」と問われてすぐに答えが浮かばないとしてもそれは当然のこと。フランス料理は、地方ごとに異なる郷土料理の総称だからです。あえて全土共通の料理を挙げるなら、良質のパンとワインとチーズということになるでしょうか。そのワインとて、地方ごとに味わいが違います。

  • イメージ モン・サン・ミッシェルのあるノルマンディー地方は酪農王国
  • イメージ 郷土色豊かなチーズ。北部では牛、南部では羊やヤギの乳からつくられる

各地の風景も然り。コート・ダジュールを走れば車窓には碧く輝く地中海が広がり、プロヴァンスではオリーブの木や糸杉など印象派の画家たちが描いた陽光あふれる光景やダイナミックな山岳風景が出迎えてくれます。一方、北部に広がるのは、はるか彼方の地平線まで続く緑の平原です。

  • イメージ 地中海に面した賑やかな港町マルセイユ
  • イメージ プロヴァンスの名物ブイヤベースは南仏でのお楽しみ
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南から北へぐるりと周遊 城館ホテル滞在も旅の楽しみ

これだけの多様性を持つ国が、訪れて面白くないはずがありません。一地方をピンポイントでじっくりめぐる旅も有意義ですが、フランスをまるごと知りたいという方は、ゆっくりと各地を周遊しながら、それぞれの地方の地域性を楽しんではいかがでしょうか。

今秋の周遊ツアーでは、南部のニースを起点に時計回りにぐるりとフランスをめぐり、パリを目指します。ホテルも旅の楽しみの1つです。南部の城塞都市カルカソンヌでは、二重城壁の内側に建つ「オテル・ド・ラ・シテ」に宿泊。日中は観光客で賑わう街も夕方から朝にかけては静寂を取り戻します。石畳の街を散策すれば、中世にタイムスリップした気分が味わえるでしょう。ロワール渓谷では、城館ホテルに宿泊して、日中の古城めぐりの余韻に浸りましょう。秋ならではの景色もお楽しみに。ワインの産地として知られるボルドー近くのサン・テミリオンでは、色づきはじめたぶどう畑のなかに佇む街の美しさに圧倒されることでしょう。旅の締めくくりは、歴史あるベルサイユ宮殿での晩餐会。フランスをまるごと味わう旅を、ぜひお楽しみください。

  • イメージ イメージ 城塞都市カルカソンヌで滞在するのは城壁内に建つ「オテル・ド・ラ・シテ」。朝晩には静寂の街の散策を
  • イメージ イメージ ロワール渓谷での拠点は城館ホテル「シャトー・ド・ロシュコット」。優雅な古城見学の余韻が味わえる