[ 海外特集④ ]

上質な時が煌く海外へ

ラグジュアリー体験を散りばめた
ビジネスクラスで行く旅

企画=飯尾賢一/菅谷恵里子/長谷川賢 文=吉田千尋
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憧れの土地を旅した記憶。それは、格別な体験をもたらしてくれるホテルや美食のひと時で、さらに深く、より一層鮮やかに刻まれていきます。そんな心満たすツアーにこだわり、お届けしている「殊の旅」。全ツアーが最少催行人員6名さまの少人数限定で、日本発着のフライトはビジネスクラス。旅の序章からはじまる、どこまでも上質な時間をぜひご堪能ください。

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モロッコの宮殿を受け継ぐ「ラ・マムーニア」に滞在

所狭しと織物やスパイスが並べられ、あふれんばかりの色彩が降り注ぐ巨大なスーク(市場)。常に賑わいを見せるモロッコの古都マラケシュで、鳥のさえずりだけに包まれる場所があります。英国の元首相チャーチルがこよなく愛し、定宿としていたことでも知られる「ラ・マムーニア」。18世紀に君主が王子へ結婚祝いとして贈った庭園をルーツとする、アフリカ屈指の歴史的ホテルです。

華麗な民族衣装をまとったドアマンに導かれ、異文化の薫り高き空間へ。まずは陶然とするほど柱や壁を埋め尽くすモザイクタイルなど、モロッコ工芸の粋を凝縮した精緻な意匠に目を奪われます。

  • イメージ イメージ 旧市街の喧噪から一変、“マラケシュの貴婦人”と称される「ラ・マムーニア」は、凛とした佇まいが美しい

客室から見えるのは、70人ほどの庭師が手入れするという自慢のガーデン。散策すれば、野菜やハーブを調達するシェフに遭遇することも。オリーブやオレンジの樹木が生い茂る先には、雪を頂いたアトラス山脈が広がります。その向こうにサハラ砂漠が横たわることを思えば、ここで堪能できる景色はまさに麗しきオアシス。豊かな恵みを洗練されたモロッコ料理に仕上げるダイニングも含め、脈々と受け継がれる王家の美学を感じられるひと時です。

この旅では、はるか彼方のアトラス山脈を越え、サハラ砂漠にも降り立ちます。実は7割ほどが細かい砂利で、砂丘は少ないサハラ砂漠。そのなかでも特に美しい砂丘が波打つシェビ砂漠に向かい、厳かな日の出を迎える瞬間は息を呑むほど幻想的です。モロッコを象徴する彩りの1つとして、忘れ得ぬ体験となることでしょう。

  • イメージ 大道芸人や屋台で賑わうジャマ・エル・フナ広場もすぐ近く
  • イメージ 時間とともに表情を変えていく、壮大なサハラ砂漠
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ローマ時代からの保養地 カプリ島に浸る優雅な休日

イタリア南部のティレニア海に浮かぶカプリは、周囲が約17キロの小さな島。この地に12もの宮殿を建て、晩年を過ごしたといわれるのが、ローマ皇帝ティベリウスです。およそ2,000年の時を経た今もなお、風光明媚なその景色を愛でる人々が絶えないカプリ島。特に圧倒的な知名度を誇る「青の洞窟」は、世界各国から訪れる旅人たちで賑わいます。

  • イメージ イメージ わずかに開いた入口から神秘の空間が広がる「青の洞窟」

夕刻が迫り、多くの日帰り観光客を乗せた船や大型クルーズ船がカプリ島をあとにすると、空気は一変。滞在客だけが味わえる、静寂の時間のはじまりです。優しくそよぐ木々、柔らかな波の音。歴代皇帝も安らいだであろう、カプリ島本来の姿に浸る……。そんな体験をお届けします。

滞在するのは、1822年からの歴史を誇る「ホテル・ラ・パルマ・カプリ」。この島で初のホテルとして誕生し、あまたの芸術家などを魅了して200年目となった昨年、伝統を守りながらモダンな空間へと生まれ変わりました。“傑作”との呼び声高い優雅な佇まいは、刻々と移り変わる海や空の表情、鮮やかなブーゲンビリアの花などの色彩を味わう特等席。3連泊することで、天候に左右されがちな「青の洞窟」を楽しむ機会にもゆとりが生まれます。

何とも贅沢なことに、皇帝にとっての「青の洞窟」は、寛ぎをもたらす浴場やプールだったのだとか。時に身をゆだね、ゆったりと過ごすスタイルこそカプリ島の正統な楽しみ方なのだと思わせられる、こんなエピソードもまた、旅に煌めきを与えてくれそうです。

  • イメージ イメージ 海を眺めるルーフトップレストラン「ビアンカ」など、カプリ島の魅力を体感できる「ホテル・ラ・パルマ・カプリ」
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オーロラの下で眠る夜 北欧を満喫する年末年始

フィンランド語で、「キツネの火」と呼ばれるオーロラ。先住民の言い伝えによると、走るキツネの尾にふれた雪が火花となって舞い上がり、夜空を染めるといいます。そんな天空の物語に思いを馳せ、暖かな部屋で神秘の彩りを眺めながら眠りに落ちていく……。氷点下で防寒して待つものというイメージを覆す優雅な時間を叶えてくれるのが、「ノーザン・ライツ・ランチ」。最もオーロラが出現しやすい「オーロラベルト」直下、フィンランド北部ラップランド地方の森に佇むホテルです。

客室は、オーロラ観賞のための大きな窓とガラスの屋根が備えられており、静かに雪が降り積もる風景や遮るもののない大空を独占できます。幻想的な光が出現するのは、夜の7時頃から深夜にかけて。北極のベリーやハーブを使ったフィンランド料理をいただいたあと、のんびりと部屋で過ごしていると、やがてその時がやってきます。頭上から舞い降りる光の帯を見つめれば、まるで自分も夜空を漂うかのよう。3連泊で楽しむオーロラは、そのたびごとに彩りを変え、姿を変えて、未知の世界へと誘ってくれることでしょう。

  • イメージ イメージ 客室にいながらにしてオーロラが楽しめる「ノーザン・ライツ・ランチ」
  • イメージ イメージ 空気が澄み切った冬は、光がより一層美しく映える

年末に日本を発つこの旅では、オーロラ観賞を満喫したあとにフィンランドを代表する名門ホテル「ホテル・カンプ」に滞在。大みそかはガラディナーを楽しみ、北欧の華やかな空気に包まれながら2024年の幕開けを迎えます。

今回ご紹介したモロッコ、カプリ島、フィンランドのほかにも、ピラミッドを貸切見学するエジプト、スペイン階段を望むホテルに泊まるローマの休日など、全15コースのビジネスクラスで行く海外ツアーをご用意しました。限りなく上質な時間を追い求めた旅の1つひとつに、新しい世界を開く扉が待っています。