[ 三越創業350周年特別企画① ]
光に浮かぶ神々の物語
世界遺産アンコールで
一夜限りの晩餐会
企画=篠原陽子/江頭啓太郎
文=吉田千尋
それは、歴代の王も酔いしれた世界。煌びやかな衣をまとった天女が舞いながら、シヴァ神に祈りを捧げます。三越創業350周年を記念してお贈りする、世界遺産アンコールを舞台にした特別晩餐会。王朝の栄華を物語るカンボジアに加え、ベトナム周遊や、ラグジュアリー客船で堪能するメコン河クルーズもご用意しました。今も神秘に包まれる魅惑の文化にふれながら、悠久の時をめぐる旅へ出かけてみませんか。
遺跡を舞台にした天女の舞とともに
華やかなディナーを堪能する
新国際空港もオープン 活気高まるシェムリアップ
9世紀から15世紀にかけ、インドシナ半島を広く支配したクメール王国。密林のなかで眠っていた王都アンコールでは、最も良く知られる巨大寺院アンコールワットをはじめ、600を超える遺跡が発見されています。
その玄関口となる街シェムリアップは、近年急速な発展を遂げ、2023年10月に新たな国際空港がオープン。さらに活気が高まろうとしている今、世界からの旅行客に先駆けてお届けするのが、アンコール遺跡を舞台にした三越伊勢丹ニッコウトラベルのお客さまだけの晩餐会です。
世界遺産で神秘的な宮廷舞踊を楽しみながら、上質なリゾートホテルから特別に手配したディナーを味わう、貴重で贅沢なひと時をご堪能いただきます。
栄華を映す「小さな宝石箱」トマノン遺跡をステージに
夜の帳が静かに下り、涼やかな風が頬をなでれば、華麗なる王朝の時代を甦らせたかのような時間のはじまりです。
伝統的な民族衣装をまとったスタッフに導かれ、ランタンの優しい光が照らす道を進むと、その先に壮麗な寺院が現れます。外壁や内部を装飾する繊細な彫刻の美しさから「小さな宝石箱」と称される、トマノン遺跡です。造営したのは、アンコールワットも建築したスーリヤヴァルマン2世。クメール王国の領土が最大となった、12世紀はじめの頃を伝える大切な遺構として、きめ細かな修復が重ねられてきました。
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温かな笑顔のスタッフがウェルカムドリンクとともにお出迎え
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アンコール遺跡群では小規模でありながら優美な存在感を放つトマノン遺跡
夕闇にともされた灯りが、寺院の姿を浮かび上がらせます。デヴァター(女神)などの緻密で多種多様な彫刻、そして、風格に満ちた中央祠堂の尖塔……。実に存在感のある佇まいで、写真に収めた時にも絵になる遺跡の1つです。その正面に、野外とは思えないほどの華やかなディナー会場がセッティングされています。
テーブル席の後ろ側は森が広がり、木々のそよぐ音も聞こえてくる、何とも心地良い空間。温かな歓迎のダンスと食前酒を楽しむうちに、いよいよダンスショーが幕を開けます。
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野外とは思えないほど華麗なテーブルのセッティングにも心が躍る
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指先まで使って繊細に表現される宮廷舞踊をすぐ目の前でたっぷりと鑑賞できる
光に煌めく宮廷舞踊 神話の世界が目の前に
民族音楽の調べとともに踊り手たちが現れると、遺跡は時代を超え、命を吹き返したかのよう。幻想的な光で彩られた神話のステージで最初に披露されるのは、祝福のダンスです。衣装の美しさはもちろんのこと、踊り手たちの驚くほど反り返るしなやかな指先に、思わずひき付けられることでしょう。細やかな指の動きにはそれぞれに意味があり、芽吹いて枝葉を伸ばし、やがて実る生命の営みを表しています。
さらに、王のパレード、伝統武術と扇の舞など、さまざまな衣装をまとった女性、男性の踊り手が紡ぐ壮大な物語。代表的な天女の舞「アプサラダンス」などは、ホテルやレストランでもよく披露されていますが、開放感のある屋外の遺跡で観賞してみると、やはりその迫力に大きな違いがあります。神話の世界にたっぷりと浸る体験を、ぜひお楽しみください。
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衣装の美しさにも目を奪われる、妖艶な「アプサラダンス」
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絢爛豪華な王のパレードを描くワンシーン
上質ホテルのメニューを特別に手配したディナー
ダンスショーとともに堪能していただくのは、洗練されたフランス料理のコースディナーです。こちらも、前菜からスープ、そしてメイン、デザートに至るまで、この夜にふさわしい一編の美しい物語を辿るかのよう。上質で新鮮な素材をしっかりと選び抜き、卓越した技術と感性を誇るシェフがアートのような繊細さで仕上げたひと皿が、特別な晩餐会をより一層華やかに、贅沢に彩ります。お客さまに寄り添う約30人ものスタッフのホスピタリティとともに、どこまでも心を満たしてくれることでしょう。
今では多くの人が訪れるアンコールですが、半世紀ほど前の内戦では遺跡が破壊され、宮廷舞踊も存続が危ぶまれた時期がありました。その後、各国の協力のもとで建物が修復され、舞踊などの文化も息を吹き返しています。人々が祈りにも似た気持ちで甦らせたアンコール。その豊かさ、奥深さを存分に感じていただける一夜が、ここで待っています。
世界遺産アンコールで、一夜限りの晩餐会
名門「ラッフルズ」に3連泊
ベトナム周遊と
ラグジュアリー客船でめぐるメコン河
アンコール遺跡を修復する日本チームの貴重な解説も
クメール建築最高傑作と称されるアンコールワット、巨木が飲み込むかのように絡みつくタ・プローム……。何度訪れても新たな発見があるアンコール遺跡。この旅では、もちろんその魅力も堪能していただきます。巨大都市遺跡のアンコールトムでは、修復現場で活躍中の日本国政府アンコール遺跡救済チームによる、わかりやすい解説付きです。専門家の貴重なお話を、ぜひお楽しみください。
旅の拠点は、シェムリアップの中心にあり、観光にも便利な「ラッフルズ グランドホテル ダンコール」。1932年、当時フランス領だったこの地に創業し、各国のセレブリティを迎えてきた名門です。3連泊することで、フレンチコロニアル様式の空間で過ごす優雅なホテルステイを存分に味わっていただけることでしょう。
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フランス統治の面影を残す「ラッフルズ グランドホテル ダンコール」
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ホテル内では、迫力に満ちた影絵芝居「スバエクトム」の鑑賞も
優雅にめぐる世界遺産 北から南へ、ベトナム周遊
今回は、アンコール遺跡を気軽に訪れる5日間のコース、またそれに加えてベトナム周遊やメコン河クルーズも楽しめる、計3つのコースをご用意しました。
ベトナムを周遊するコースは、大小2,000余りの奇岩が浮かぶハロン湾クルーズからはじまります。バルコニーを備えたハロン湾最大級のデラックス客船「アンバサダー号」に乗って、2泊3日の小旅行。茜色の海に島々のシルエットが浮かぶ夕景、山水画のような夜明けなど、日帰りや1泊では満喫できない表情に出あえます。眺望が良い所で停泊し、満天の星の下で過ごす夜は格別です。
そして、北のハノイから南のホーチミンまでを縦断します。夜景に風情があるホイアンでは、ベトナム式人力車の乗車体験も一興です。フランス統治時代の面影を色濃く残すホーチミンも含め、古き良きベトナムを堪能してから訪ねるアンコール遺跡は、アジア文化の豊かさをより一層深く感じさせてくれるのではないでしょうか。
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世界遺産のハロン湾を、2泊3日かけてデラックス客船でクルーズ
心満たす空間で、探検気分 モダンな「アクア・メコン」
チベットを源流とし、カンボジア、ベトナムへと流れる大河メコン。3つ目にご紹介するのは、穏やかなメコンと、その支流に乗って、4泊5日の優雅なリバークルーズを楽しめるコースです。
プノンペンで待っているのは、世界の羨望を集めるラグジュアリー客船「アクア・メコン」。雄大な河に堂々と浮かぶその姿は、まるでモダンなホテルのよう。船内に入ると、ウェルカムドリンクとともに温かな笑顔のクルーが迎えてくれます。わずか20室に対して乗組員が40名と、どこまでもきめ細かなおもてなしが提供されるのも、この船の自慢です。
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豪華リバークルーズ船「アクア・メコン」でゆったりと寛ぎながら、次の寄港地へ
夕暮れ時、心地良い風に吹かれる、屋上の寛ぎスペース(右下)
客室に入ると、目に飛び込んでくるのは壁一面の大きな窓。すべての部屋が広々としたスイートルームで、流れゆく壮大な景色に身をゆだねながら、時を忘れてゆったりとお寛ぎいただけます。
ダイニングは、東南アジア料理で世界的に知られるシェフのデイビッド・トンプソンが監修。メコン河流域の伝統料理を尊重しながら、欧風の薫りが漂うひと皿に舌鼓を打つひと時も、「アクア・メコン」ならではのお楽しみです。
船旅では、専用の小型ボートに乗って、銀細工職人の小さな村、先人の技を受け継ぐ陶芸家、伝統織物クロマの工房などを訪ねる体験も。アジアの面影に包まれるクルーズのあとには、旅のクライマックスであるアンコールでの晩餐会が用意されています。悠久の時のなかに華やかな体験を散りばめた旅を、ぜひご満喫ください。
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客室は広々としたバルコニー付スイートルーム。大きな窓から流れゆく景色を楽しめる(客室一例)
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洗練されたお食事を。レストランやバーでのお飲み物もご自由にどうぞ