この春の添乗で、5年ぶりに台湾を訪れました。国内旅行のような感覚で海外を楽しめる台湾では、いろいろな場面で現地の方の優しさにふれることができました。 豊かな食文化もたっぷりとお楽しみいただいた、できるだけ歩く距離を減らした「ゆったり度3」の6日間の旅を、ご紹介しましょう。
1日目は成田空港に集合し、搭乗手続きを済ますと、いよいよ6日間の旅のはじまりです。台湾は日本との時差が1時間。飛行時間も短く、成田から高雄まで約4時間、帰りは台北からわずか3時間ほど。国内を旅するような気軽さで訪れることができるところも大きな魅力です。高雄空港からバスで嘉義へ。「ゆったり度3」の旅ならではのご案内方法として、段差が少なく乗り降りのしやすいバスを利用。かつて阿里山の良質な檜の集積地だった街、嘉義ではゆっくり2連泊しました。
翌日は、台北故宮に所蔵されている70万点以上の作品の一部を展示するために、2015年に開館した「故宮南院」へ。アジアをテーマにした作品が多く展示されています。見どころを絞り、自由時間も入れながらご案内。警備員の方が「日本、台湾、仲良し」とフレンドリーに話しかけてきて、故宮南院を後にする時は、見えなくなるまで手を振って見送ってくれ、小さな出来事ですが、とても心が温まりました。昼食は人気店「留園」で創作料理を。その日の旬の食材を使った料理にお客さまも興味津々。食材の説明を聞きながら舌鼓を打ちました。午後は、100年ほど前に約16,000キロにもおよぶ用水路や烏山頭ダムの建設に従事した八田與一さんの足跡を訪ねました。
3日目は台湾屈指の景勝地といわれる湖、日月潭へ。途中ローカル鉄道に乗車。車窓からはバナナ畑やパイナップル畑など、のどかな風景が広がりました。車中ではお客さまと台湾の方との交流があり、お友達に。下車する時には「再見!(サイチェン)」「さようなら」と互いに別れを惜しみました。その後、昼食をレストランでとっていたところ、列車でご一緒した台湾の女性が、たくさんの地元の台湾バナナとお菓子を「皆さんで食べてください」とバイクで届けてくれ、その心遣いに感動しました。午後は貸切遊覧船で日月潭をクルーズ。雄大な風景を約50分、船上より眺望。宿泊は日月潭近隣のホテルのなかでも人気がある「雲品温泉酒店」。客室の温泉風呂で疲れを癒していただきました。
4日目の午前は、村中の家屋にカラフルな絵が描かれた彩虹眷村(さいこうけんそん)へ。その後、台湾新幹線で台北へ。日本の技術も導入され、2007年に台湾新幹線は開業しました。ビジネス席(グリーン車)は座席が広く飲み物のサービスもあり、わずか1時間の乗車でしたが、快適に過ごすことができました。昼食は台湾といえば、やはり小籠包。大変おいしくいただきました。午後は台北市内観光。おみ足のことも考慮し、徒歩ではなく、「台北101」「総統府」「中正紀念堂」などを車窓からお楽しみいただきました。また「忠烈祠」で衛兵の交代式も見学。お泊まりは街の象徴「台北圓山大飯店」に二連泊。市街を眺望するお部屋からは「台北 101」や市内を流れる基隆河が眺望できました。重厚感に包まれるロビーの広さも圧巻です。
5日目の午前は「台北故宮」を見学。ほかの博物館に貸し出されていた作品『翠玉白菜』が前々日から「台北故宮」で再び展示され、人気の『肉形石』とともに両方を見ることができました。館内はとても広いので、エレベーターを利用しながら見る箇所を選び、休憩を入れながらご案内。この日の昼食は故宮隣接のレストラン「故宮晶華」で、作品をモチーフにした“故宮メニュー”と呼ばれるコース料理を楽しみました。午後は十分で天燈上げ。昔ながらの台湾の雰囲気を残す小さな街で、皆さま思い思いに願い事を天燈に書き、願いを込めて空に飛ばされていました。夕食は「台北圓山大飯店」でコース料理を堪能。美食を楽しみ、旅の軌跡を語る思い出深い夜となりました。
6日目。朝、ホテルを出発し台北桃園空港から帰国の途へ。地元の方との交流もあり、台湾の温かみを感じる旅となりました。
この秋は「ゆったり度3」だけでなく阿里山も訪れる「ゆったり度1」の台湾への旅もご用意しています。皆さまをご案内できればと願っています。