悠久の時を超えてロマンに満ちた王朝文化にふれる機会は、まさに非日常の極致。 隆盛の歴史を物語る宮殿見学に心奪われ、絢爛たる劇場を貸切っての特別晩餐会に心満ちるひと時をご堪能ください。
発展を続けるベトナムですが、かつてはさまざまな王朝が打ち立てられては没する歴史の繰り返しでした。そんななか1802年に創設以来、143年間の長きにわたって君臨したのがグエン王朝です。
ときめきの舞台はこの王朝の夢の跡、“ベトナムの京都”とたとえられる古都フエの旧市街に佇む世界遺産のフエ王宮です。広大な敷地に広がるこの王宮は、中国の紫禁城の午門を模したといわれる王宮門、王宮の正殿である太和殿、鮮やかな朱色も眩い回廊など、見ごたえたっぷりです。
なかでも王朝最終期の皇帝が2代にわたり居住地兼仕事場として使用していたキエンチュン宮殿は、フランス古典やイタリアのルネッサンス、さらに中国や古代ベトナムの様式が融合したひと際豪華な意匠で人気のスポット。インドシナ戦争で1947年に破壊されたものの、2024年に再建を果たしました。
一般観光客が姿を消した宵闇の静寂のなか、この宮殿をゆったりと貸切見学していきましょう。まず目を奪われるのは、色彩豊かな磁器片の装飾とともに龍のモチーフがいたるところに散りばめられた外観。豪奢なインテリアや壁画に彩られた内装は、当時の暮らしぶりが目に浮かぶようです。展示ルームには皇族の写真パネルが展示されているほか、実際に使用されていた調度品も陳列。その壮麗さに、かつての栄華が偲ばれます。
キエンチュン宮殿の煌びやかさに酔いしれたあとは、いよいよフエ記念碑管理局の協力のもとに実現した貸切特別晩餐会です。
宮殿のヒエンホン門をくぐった途端に繰り広げられるのは、皆さまをお出迎えするセレモニー。迫力の獅子舞や歓迎パレードに、早くも気分は高鳴ります。ベトナムで獅子舞?と思われるかもしれませんが、この国は中国の影響を受け続けた国。グエン王朝も、清国と深い関係を保っていました。
特別晩餐会の会場は、1826年、明命帝の治世時に建てられた閲是堂(えつぜどう)です。この建物は、かつて皇帝や皇族、官僚、国賓が雅楽や舞踊、古典劇などの伝統芸術を鑑賞した劇場。当時の技術の粋を結集し、巧みな音響設計が施されました。
ベトナム最古の劇場ならではの荘厳な雰囲気に包まれながら、当日は宮廷料理をアレンジした創作料理をご堪能いただきます。宮廷料理は、繊細な味わいはもちろん、見た目も華麗。日本の方々もお口に合うでしょう。肉や魚の練り物をライスペーパーで包み揚げしたチャー・ジョー、米粉の麺と牛肉でできたブン・ボー・フエなどが代表的ですが、どんなメニューが供されるのか想像するのも楽しみの1つです。
かけがえのない宴のひと時を優雅に盛り立てるのは、世界遺産のニャーニャックです。ニャーニャックとは、器楽演奏、歌、舞踊で構成される宮廷雅楽。器楽演奏とともに、華やかな衣をまとった天女が舞いながら、神に祈りを捧げる雅な世界を堪能しましょう。
ご希望の方には、民族衣装のアオザイを貸出(男性用・女性用)。歴代皇帝が楽しんだ別世界を、より一層お楽しみいただけることでしょう。
ご案内する旅は、ベトナムの名所旧跡をゆったりめぐる3泊5日のAコースと、ハノイから古都フエ、ホイアン、そしてホーチミンにいたる縦断の旅をたっぷり満喫できる7泊9日のBコースをご用意しています。
その両コースで、フエ王宮での貸切特別晩餐会とともにお楽しみいただくのが、古い街並みが世界遺産に登録されたホイアンのランタン祭りです。
いつもは活気に満ちた街の雰囲気が、旧暦の毎月14日の夜だけはがらりと一変します。滞在先の「ホテル ロイヤル ホイアン ギャラリー」から、電動カートを利用して旧市街へ。幽玄な月明りや無数のランタンが灯す小さな明かりだけで旧市街がほんのりと照らされる、幻想的な世界をゆったりとお楽しみください。
フエ王宮での貸切特別晩餐会は、生涯に1度ともいえる貴重な体験。せっかくですから、滞在先も贅を尽くしたいものです。そんな想いにお応えするのが、白亜のホテル「アゼライ ラ・レジデンス フエ」です。「アゼライ」は、ラグジュアリーリゾートの代表格であるアマン創始者のエイドリアン・ゼッカさんが手がけた新ブランド。このホテルは、フエ王宮にも至近。優雅な雰囲気に包まれながら、お寛ぎください。
もう1つの楽しみは、世界遺産のミーソン遺跡の訪問です。かつてチャム族が海上の覇権を握ったチャンパ王国の聖地を、電動カートを利用して入口までご案内します。
ベトナム縦断の旅を満喫するBコースのハイライトが、ハロン湾クルーズです。一般的なツアーでは日帰り遊覧や1泊クルーズが主流のなか、ゆとりある2泊3日の旅程で山水風景をお楽しみいただきます。全室バルコニー・浴槽付きの新造船「バーヤサウル号」とともに、“海の桂林”の魅力発見へと繰り出しましょう。
1日目、期待とともに船はハロン湾へ。大小さまざまな奇岩や島々が織り成す幽玄な風景を愛でるうちに、着岸するのはティートップ島です。階段を登った先の展望台からは、ハロン湾の絶景を大パノラマで楽しむことができるでしょう。ユニークな外観のルオン洞窟も必見です。ハロン湾が夕焼けに染まる景色をゆったりと慈しんだのちは、「バーヤサウル号」自慢の夕食をお楽しみください。
2日目は、“天国の洞窟”とたとえられるティエンドゥオン洞窟へご案内。ボートに乗って、穏やかな海に佇むクアヴァン漁村も訪問します。海上に建つ家々に驚かされることでしょう。
言い伝えでは、ベトナムに侵攻した中国を竜の親子が破り、口から吐き出した宝石が湾内の奇岩や島々になったとか。そんな神話の世界に迷い込んだかのような船旅をお楽しみください。
王朝の栄華をはじめベトナムの多彩な魅力にふれていく「世界遺産フエ王宮 貸切特別晩餐会」は、2度とない思い出として深く胸に刻まれることでしょう。