[ 国内特集① ]

神話が息づく出雲大社で

魂の弦楽四重奏に心震える

神々に捧げる一夜限りの演奏会と
山陰の多彩な魅力に浸る新春の旅

企画=黒木貴士/金子美佐子/小林絵梨 文=浅見浩司
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島根県には、神話と歴史が息づく「出雲大社」をはじめ、国宝の「松江城」、“日本一の庭園”といわれる「足立美術館」、「日本夕陽百選」に選ばれた宍道湖に隣接する「島根県立美術館」など、個性あふれる観光スポットが数多くあります。そんな島根を中心とした山陰の多彩な魅力に浸る新春の旅は、3つのコースをご用意。そのすべてに共通するのが、出雲大社での奉納演奏会です。一夜限りの、心に沁みる演奏を、時を忘れてご堪能ください。

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巨匠・篠崎史紀さんを招聘
荘厳な旋律が拝殿に満ちていく

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出雲大社・拝殿で弦楽四重奏の奉納演奏会を開催

出雲大社は、712年に編纂された現存最古の歴史書である『古事記』に創建の由縁が記されている、神々の国・出雲を象徴する古社。主祭神は、縁結びの神ともいわれる「大国主大神(おおくにぬしのおおかみ)」で、八雲山を背にした境内には、古代から続く荘厳な空気が満ちあふれています。今回、弦楽四重奏の奉納演奏会が開かれるのは、そんな出雲大社の4番目の鳥居である「銅鳥居」をくぐった正面に鎮座する「拝殿」。1959年に竣功した、“戦後最大の木造神社建築”といわれる建物は、大社造と切妻造の折衷様式で、通常は参拝者の御祈祷や祭事・奉納行事などが行われる重要な建物です。

  • イメージ イメージ 八百万の神々が集う気配に満ちた、出雲大社の厳かな「拝殿」
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深遠な神域に響きわたる 悠久のMAROワールド

出雲大社の拝殿で開催する奉納演奏会の弦楽四重奏を率いるのは、元NHK交響楽団「特別コンサートマスター」の篠崎史紀さん。1997年から2024年の3月まで“N響の顔”として世界を舞台に活躍されてきた篠崎さんは、演奏家としてだけでなく、オーケストラの公演を成功に導くキーパーソンとしても国内外で広く高い評価を受けています。さらに、2019年に、日本人ヴァイオリニストとしてはじめて、ハンガリーの名門音楽大学であるリスト音楽院に招聘され、マスタークラスの指導を行ったことでも注目されました。

MAROの愛称で世界中のクラシックファンに親しまれる巨匠・篠崎史紀さんは、後のインタビューで、今回のオファーを受けてくださった理由について次のようにおっしゃっています。音楽の原点にあるのは、「神と自然への奉納」です。神聖な出雲大社での演奏は、そこに立ち返る行為でもあることから、とても意義深いものと考えました。

演奏会にあたり、篠崎さんが練り上げているコンセプトは、「平和・再生・伝承・共振共鳴」。音楽の前では、国境も言語も意味をなさないことを伝え、その場の空間を共有することでしか得られないすばらしい体験を、1人でも多くの方に届けたいとお話しされています。コンセプトに則った演奏曲は、ナチスによる迫害を受け、すべての音楽作品が抹殺されかけた、フリッツ・クライスラーのカルテット曲を軸に考えているとのことでした。

また、篠崎さんは、カルテットを編成するにあたって、あえて異なる世代の実力派共演者を、肩書にとらわれることなくキャスティング。日本文化の本質でもある「伝承しながら再生する」という思想を体現する演奏会にしたいと意気込んでいらっしゃいます。N響次席ヴァイオリン奏者の倉冨亮太さん、N響チェロ奏者の市寛也さん、フリーヴィオラ奏者の井上麗香さんとともに奏でられる魂の旋律は、深遠な神域を満たし、拝殿に集う三越伊勢丹ニッコウトラベルのお客さまの心を、深く強く揺さぶることでしょう。

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通常は立ち入りができない八足門内で御本殿を拝観

奉納演奏会の前には、専門ガイドが出雲大社の境内をじっくりご案内します。特にご注目いただきたいのが、通常はなかに入ることができない「八足門(やつあしもん)」です。当日は、「出雲の日」(1月26日)前後の「出雲ウィーク」で、予約により立ち入りが可能に。今回のツアーでは、神職の先導で門内に入り、国宝である御本殿の直前に位置する、楼門の前でご参拝いただけます。そこに漂う荘厳な空気を心ゆくまでご体感ください。

  • イメージ イメージ 御本殿が間近に控える、神聖で格式ある「八足門・楼門」
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ドラマで話題を集める
小泉八雲とセツの足跡を辿る

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八雲の記念館と旧居をめぐり夫妻の人生に思いを馳せる

今回ご紹介する旅では、今年9月にはじまったテレビドラマで話題の小泉八雲(ラフカディオ・ハーン)とセツ夫妻ゆかりのスポットもめぐります。

1850年ギリシャ生まれ、アイルランド育ちの八雲は、19歳でアメリカに渡りジャーナリストとして活躍したあと、40歳の時、松江の島根県尋常中学校に英語教師として赴任します。しばらくして、八雲の身の回りの世話をするために住み込みで働いていたセツと結婚。その妻から語り聞かされた日本の伝説、怪談などを英語で執筆し、欧米の読者に広く紹介することになるのです。最晩年の1904年に出版された『怪談』に収められている「耳なし芳一」や「雪女」は、その代表作といっていいでしょう。

ツアーでは、そんな八雲の生涯と業績を紹介する「小泉八雲記念館」と、もともと旧松江藩士の武家屋敷であり、八雲がこよなく愛した三方の庭もほぼ当時のまま残る「小泉八雲旧居」にご案内します(「憧の旅」のコースは記念館のみ)。また、当日、小泉八雲記念館では、「小泉セツ―ラフカディオ・ハーンの妻として生きて」と題した企画展もご覧いただける予定です。さらに、「殊の旅」のコースでは、1日目の昼食に、八雲が移り住んできた国々をテーマとしたオリジナルコース料理をお召しあがりいただきます。

  • イメージ イメージ 遺愛品と文学の軌跡に出あえる「小泉八雲記念館」
  • イメージ 日本への思索を深めた庭を望む「小泉八雲旧居」
  • イメージ 八雲に「縁ある国の料理」をテーマにした、「サンラポーむらくも」のコース料理(「殊の旅」)
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山陰の贅沢な冬の味覚と
上質な宿の温泉に心やわらぐ
3つの旅をご用意

〈 殊の旅 〉
山陰の名湯 玉造温泉と
「和オーベルジュ 神等楽来」貸切宿泊 3日間

「殊の旅」のコースでは、日本最古の温泉の1つといわれる名湯・玉造温泉の「佳翠苑 皆美(かすいえん みなみ)」と、14の客室すべてに温泉半露天風呂を備えた「和オーベルジュ 神等楽来(かららこ)」に宿泊。夕食は、島根の「松葉がに」や「しまね和牛」などの地元の高級食材を使った日本料理をご堪能いただきます。また、全国で現存する12天守のうちの1つである国宝の「松江城」、アメリカの専門誌で22年連続日本一に選ばれた日本庭園と、横山大観コレクションが有名な「足立美術館」も見どころです。

  • イメージ 「和オーベルジュ 神等楽来」の日本料理(一例)
  • イメージ 玉造温泉「佳翠苑 皆美」の大浴場「浮舟」
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〈 和の旅 〉
しんじ湖畔の美景と展望温泉に包まれ
山陰の海幸・山幸に舌鼓を打つ 3日間

「和の旅」のコースも、島根の冬の味覚をご堪能いただきます。まず、初日に宿泊する松江しんじ湖温泉「ホテル一畑(いちばた)」では、「しまね和牛」や海鮮などの鉄板焼きコースを。2日目に泊まる大社温泉「いにしえの宿 佳雲(けいうん)」では、島根の「松葉がに」を中心とした会席料理をご用意。さらに、3日目の昼食では、島根を代表するフランス料理店「ル レストラン ハラ」で、山陰の旬の食材を活かしたランチコースをお召しあがりいただきます。また、観光は、人気の「足立美術館」のほか、旬のいちご狩り食べ放題にもご案内します。

  • イメージ 新鮮な海の幸を中心とした会席料理(一例)
  • イメージ 「いにしえの宿 佳雲」の大湯処「蒼雲」
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〈 憧の旅 〉
わずか全4室 露天風呂付「皆玉邸 恵-MEGUMI-」で味わう
「タグ付活き松葉がに」 3日間

「憧の旅」のコースで特徴的なのが、日本の伝統的な製鉄法である「たたら製鉄」の操業施設(高殿)と、そこで働く人々が暮らした集落(山内)が一体となって残されている「菅谷たたら山内」の観光です。その高殿(たかどの)は、映画『もののけ姫』に登場する「タタラ場」のモデルともいわれています。また、2日目に宿泊する、全室離れ・露天風呂付客室の「皆玉邸(かいぎょくてい)恵-MEGUMI-」では、鳥取の「タグ付活き松葉がに」と、濃厚なカニ味噌が特徴の「せいこがに」を、フランス料理仕立ての鉄板焼きでご堪能いただきます。 

  • イメージ 鳥取の「タグ付活き松葉がに」
  • イメージ 「皆玉邸 恵-MEGUMI-」の客室(一例)

※「殊の旅」「和の旅」については、名古屋・仙台発着プランもご用意しております。

出雲大社 八足門内特別参拝と奉納演奏会の詳細を見る