[ クルーズ特集 ]
ザ・ラスト・プレミアムチャータークルーズ
にっぽん丸
最後の船旅を最高の思い出に
企画=原田知美/森上勝之
文=井上智之
1990年に就航以来、多くの旅人をときめかせ、数々の思い出づくりをともにしてきた「にっぽん丸」が、来年5月、35年におよぶ大役を果たし引退します。稀代の名船とともに、高知へ、下関へと優雅にめぐり航くラストクルーズの機会をお見逃しなく。
「にっぽん丸」を忘れない その思い出を、ずっと忘れない
「にっぽん丸」引退ーーその報に、1度でも乗船した皆さまはセンチメンタルな追想に浸り、1度は乗船を、と憧れを持っていた皆さまは痛恨の念を抱いたことでしょう。
ご案内するのは、そんな「にっぽん丸」を貸切っての、“ザ・ラスト・プレミアムチャータークルーズ”。当社主催による最後の船旅を飾るにふさわしい特別イベントも多彩に織り交ぜながら、最高の思い出づくりへと皆さまを誘います。
日本船ならではのおもてなしに心潤され、洋上と思えない美食でお客さまを虜にしてきた「にっぽん丸」。この客船が誕生したのは、クルーズ旅行の黎明期を迎えた1990年のこと。以来、35年にわたり、日本のクルーズ文化をけん引してきました。航行距離は、地球約133周分に相当する約533万キロメートル。クルーズ回数2,000回以上。国内外合わせた寄港数は400以上、お客さま乗船数60万人以上という途方もない実績が、「にっぽん丸」が愛され続けた証でしょう。
その魅力を広くお客さまに体験していただきたいという想いから、当社がはじめて「にっぽん丸」クルーズを催行したのは、2008年のこと。2012年からチャーターをレギュラー化し、今日に至ってきました。音楽をテーマにした旅、打ち上げ花火にこだわった旅など、そのいずれもが、私たちにとってもかけがえのない思い出です。
そこで、今回の旅では、クルーズ担当やトラベルサロンをはじめ、さまざまな部門の社員が添乗員として同乗。「にっぽん丸」への感謝の想いとともに、有終の美を飾るクルーズを盛り立てていきます。
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35年間にわたり、日本のクルーズ文化を先導してきた「にっぽん丸」
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スーペリアツイン(ステートルーム)一例
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オーシャンダイニング「春日」
高知、下関をめぐり航く かけがえのないラストクルーズ
出航は、2026年3月10日。別れの季節であると同時に、旅立ちの季節でもある春先は、ラストクルーズにふさわしいタイミングでしょう。感傷と期待が交差するなか、横浜大桟橋で「にっぽん丸」に乗り込むと、笑みをたたえながら出迎えてくれるクルーやスタッフたち。そのきびきびとした所作や、さりげないおもてなしに、長年培われた名船の伝統と誇りを垣間見ずにいられません。
寄港地の高知、下関では、多彩なオプショナル観光を予定。また、この旅ではほとんど歩くことなく観光を満喫できる「ゆったり度3」の旅も設定していますので、お体の負担少なく寄港地の魅力にふれていただけます。
午後1時、「にっぽん丸」は横浜港を出港。ゆったりと寛ぎ、船内イベントを楽しみながら、4泊5日のラストクルーズを満喫していきましょう。
にっぽん丸 最後の船旅を最高の思い出に
坂本龍馬の志に思いを馳せ ドラマゆかりの地を訪ねて
客室から太平洋を望めば、夕日に照らされて茜色に染まる大海原。デッキから夜空を見上げれば、満天の星。船旅ならではのひと時に癒された翌日の午後1時頃、四国で唯一、太平洋に面した高知港に到着です。昼食をいただいたのち、土佐24万石の城下町・高知の魅力にふれる、多彩なオプショナル観光へと繰り出しましょう。
高知といえば、なんといっても坂本龍馬。幕末のヒーローを輩出した地だけに、「坂本龍馬誕生地(現在の高知市上町1丁目)」、龍馬が通った道場跡地「日根野道場跡」、はては彼の名前がついた「龍馬郵便局」など、ゆかりのスポットでいっぱいです。そんななか、この旅では緑の松と群青色の太平洋のコントラストに息を呑む桂浜にご案内します。龍頭岬には、高さ13メートルを超える日本一大きな龍馬像が。太平洋の遥か先の世界を見つめるその姿に、彼の熱き志が伝わってきそうです。近隣の「坂本龍馬記念館」見学も、おすすめ。貴重な歴史資料などを通じて、龍馬の業績、考え方から人柄までを知ることができます。
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龍頭岬には、日本一大きな坂本龍馬の像が。風光明媚な桂浜
あのドラマの主人公モデルになった、植物学者・牧野富太郎ゆかりの「高知県立牧野植物園」も見逃せません。五台山に佇むこの植物園には、富太郎ゆかりの植物を中心に3,000種類以上が植栽されています。また、緻密な筆跡で彼が描いた植物図も必見です。五台山を訪れたら、併せて山頂付近に佇む「竹林寺」もぜひどうぞ。美しい庭園と高さ約31メートル、県内唯一の五重塔に心洗われます。
歴史好きな皆さまは、「高知城」の見学はいかがでしょうか。初代土佐藩主・山内一豊によって創建されたこの城は、本丸御殿が完全に残っている日本で唯一の城。「南海道随一の名城」と称される、その優美な姿を思い出のアルバムに添えましょう。
また、「ゆったり度3」の旅では、レトロな路面電車「とさでん」を貸切って、車窓から町の景色をのんびりと。「坂本龍馬記念館」を訪れ、彼の世界にふれていただきます。
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ドラマの主人公のモデルゆかりの「高知県立牧野植物園」 高知県立牧野植物園 提供
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日本で唯一、本丸御殿が完全に残っている名城・高知城
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レトロな路面電車「とさでん」を貸切って、のんびりと
山口県の二大絶景に息を呑み 名所旧跡や自然美にふれる
春の朝陽も眩い、3日目の午前9時頃。「にっぽん丸」は、沖合に突き出たような下関・長州出島港に着岸。本土との間に架けられた大橋を渡り、この地の感動発見へと出発です。
ぜひとも参加したいのが、山口県が誇る二大絶景を訪ねるオプショナルツアーです。その1つは、白い砂浜とコバルトブルーの海に囲まれた角島(つのしま)の絶景を、海士ヶ瀬(あまがせ)公園で一望し、角島大橋のドライブで体感するひと時です。造形が麗しい高さ約30メートルの角島灯台も、くっきりと見えてきます。もう1つのおすすめは、「元乃隅神社」。日本海に向かって連なる123基もの朱色の鳥居と、青い海が織り成すコントラストの美しさは眩いばかりです。
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朱色の鳥居と青い海のコントラストが麗しい「元乃隅神社」
海峡都市ならではの観光スポットも見逃せません。「海峡ゆめタワー」の最上階、地上約143メートルの展望室からは、関門海峡や瀬戸内海、日本海と360度のパノラマを。下関の町並みや、宮本武蔵と佐々木小次郎の決闘場所で知られる巌流島も眺望できます。また、大型客船をイメージした「関門海峡ミュージアム」では、船舶や関門海峡の自然、歴史などを体験型の展示で分かりやすく知ることができます。
ほかにも、時間が凍結したような自然造形に驚かされる日本屈指の大鍾乳洞「秋芳洞(あきよしどう)」見学、古きよき時代の趣が残る防府(ほうふ)市の町並み散策。さらに関門の海産物、お土産品などの店が立ち並ぶシーサイドモール「カモンワーフ」の訪問など、魅力的なオプショナルツアーが盛りだくさん。「どこを訪ねようか」と思案するひと時も、旅の楽しさです。また、「ゆったり度3」の旅を選択された皆さまは、海士ヶ瀬公園や角島大橋のドライブで、角島の絶景をたっぷりとお楽しみください。
下関といえば、ふぐ。この旅では、70余年の歴史を刻む老舗ふぐ料理店「ふく旅庵下商会館」で食事を嗜むひと時もご用意しました。昭和初期の歴史ある木造建築と格式高い和の空間で、本場の味わいをご堪能ください。
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角島大橋をドライブしながら、コバルトブルーの海に囲まれた角島を一望
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神秘的な自然造形に圧倒される日本屈指の大鍾乳洞「秋芳洞﹂
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ふぐ料理店で本場の味わいを堪能
にっぽん丸 最後の船旅を最高の思い出に
“洋上のホテル”で寛ぎながら ラストクルーズを楽しみ尽くす
客室で一息ついたのち、「にっぽん丸」の船内をめぐってみると、ソムリエ田崎真也さん監修のワインセレクションを備えたオーシャンダイニング「春日」。大海原を眺めながらウォーキングできる「プロムナードデッキ」など、引退するのが惜しいほどの設備の充実ぶり。そんな「にっぽん丸」の船内ライフを誌上体験していきましょう。
なんといっても心躍るのは、2層吹き抜けの「ドルフィンホール」などで連夜繰り広げられる、エンターテインメントショーです。今回の旅では、ラストクルーズならではの特別イベントも企画中ですので、どうぞご期待ください。“食のにっぽん丸”と讃えられる美食体験も、かけがえのない思い出になることでしょう。寄港地で積み込む新鮮な山海の幸を食材に、約40名の料理人たちが紡ぐ一皿ひと皿をご堪能ください。また、パン職人が毎日、生地から焼きあげる、こだわりのパンもお客さまに大好評です。
セミフォーマルの日は、船内ライフの楽しみの1つ。ちょっとおめかしをして、特別な旅時間を楽しんではいかがでしょうか。そこで、日本橋三越限定プランをフォーマルブランドと協力し、購入サポートを実施。衣装の選択からフィッティング、船への運搬まで専任スタッフが対応。使用後は、クリーニングしたのち、ご自宅にお届けします。
2度と叶わない、ラストクルーズ。下船後、ふと振り返ると、静かに停泊する「にっぽん丸」の姿が愛しくも胸を突いてきそうです。
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海の豊穣を描いた信楽製陶板画が目を引くメインダイニング「瑞穂」
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日々、心躍るエンターテインメントが繰り広げられる「ドルフィンホール」
ツアー詳細ページは10月22日(水)9:30~公開予定です。