［海外特集⑤ ］

絶景をゆく春の中国

ー後編ー

企画=武智義寛／沼本雅彦文=槙原有希

雨で侵食された石灰岩が奇峰となり、幽玄な風景が広がる桂林

息を呑むほどダイナミックな中国の絶景のなかから、春だからこそ訪れたい四つの旅をご案内するシリーズ。後編では「桂林、漓江下り」と「春の三峡クルーズ」を。選りすぐりの絶景旅をご紹介します。

山水画の世界へ
桂林・漓江下り

円錐形や塔のような「タワーカルスト」が林立し、山水画を思わせる幻想的な風景が人々を魅了する桂林。その景色は、多くの文人墨客に愛されてきました。桂林郊外の竹江から陽朔まで、悠々と流れる漓江を快適な船に乗船し、山水画の絵巻物が続くかのような絶景を堪能するのが漓江下りです。奇岩奇峰の情景が、息つく間もないほど次々と展開します。晴れていれば色彩豊かな世界が、雨の日には水墨画のような世界が広がり、さまざまな表情を見せてくれることでしょう。

船上から、眼前に広がる山水画の世界を心ゆくまで満喫
漓江下りの船（一例）

歩く距離を減らした「ゆったり度２」の旅であることも特徴の１つ。漓江下りの船をはじめ、両江四湖クルーズの観光船や、如意峰ロープウェーなどの乗り物を利用し、お体への負担を少なくして眺望を堪能することができます。

下船後の陽朔では、奇岩に囲まれた奥座敷に２泊することもこの旅ならでは。人里を離れ山水画の世界を独り占めするようなホテルで、静寂なひと時をご堪能ください。漓江の水上を舞台に、奇峰を背景にした屋外劇場で繰り広げられる「印象劉三姐」もご覧いただきます。巨匠チャン・イーモウ監督が監修する、光と音を使った迫力あるパフォーマンスは圧巻。これも人が生み出した絶景といえるでしょう。桂林に２連泊する充実した６日間の日程です。

堯山の展望台から奇峰が林立するカルスト地形を見渡す
人里離れた郊外に佇む「陽朔河畔度假酒店」は豊かな自然に囲まれた宿

漓江の水面と山々を舞台にした「印象劉三姐」のダイナミックな演出に、度肝を抜かれる

悠久なる長江三峡クルーズ

世界三大河流の１つといわれる、長江。三峡クルーズは、長江クルーズのハイライトとなる三峡の部分を航行する３泊４日の船旅です。ご案内する船は、上質な船旅をお約束する「センチュリー・パラゴン号」。三峡を航行する数ある客船から、今回この船を選んだのは、設備が整っているほか、浴室付きの客船は非常に少ないなかで全室浴室付きであること、利用するエグゼクティブスイートの広さは、約３８.５平方メートルと高級ホテルの客室と比較しても遜色がないためです。また、専用のラウンジ、レストランがあるのも特徴。エグゼクティブスイートは、欧米をはじめ海外からのお客さまに人気があるなか、お部屋をご用意できました。雄大な三峡の渓谷を、広々としたお部屋、バルコニーからゆっくりと眺めることができるでしょう。

クルーズの出発地点となる重慶では、出港時の光り輝く夜景は必見なので、お部屋やデッキから景色をお楽しみください。また、三峡クルーズのハイライトの１つである瞿塘峡（くとうきょう）は、雄大な長江の流れを堪能するクルーズにおいて、河幅がとても狭くなり、峡谷が迫りくるような迫力ある区間です。下船後は上海に２連泊し、楽しみが広がる７日間の旅です。