カスピ海と黒海の間に横たわるコーカサス三国の独自性には驚愕するばかり。宗教にしても、アゼルバイジャンはイスラム教、ジョージアはジョージア正教(キリスト教)、アルメニアはキリスト教です。
ご案内するのは、そんなヨーロッパとアジアの交差地帯をゆったりめぐっていく11日の旅。長らく旧ソビエト連邦に属していたこともあり、神秘のベールに包まれていたそれぞれの国の魅力をまずは誌上体験してみましょう。
心躍る旅のはじまりは、アゼルバイジャンの首都バクーから。世界最大の湖・カスピ海を望むホテルに連泊し、魅力発見に繰り出しましょう。
この国が“炎の国”と呼ばれる所以は、潤沢な石油や天然ガスの産出国だから。特にカスピ海油田を背景にした繁栄は、「第2のドバイ」と呼ばれるほどです。
その象徴といえるのが、バクー郊外の荒涼とした山地「ヤナルダグ」から立ちのぼる炎です。一説には、地中から噴出する天然ガスが自然発火して以降、なんと数千年も燃え続けているのだとか。ご案内する旅では、この“永遠の炎”を間近にご覧いただくとともに、火を崇めるゾロアスター教の聖地「アテシュギャーフ寺院」を訪れます。
火を崇めるゾロアスター教の聖地、「アテシュギャーフ寺院」
バクーの新旧対比にも心躍ります。到着当日の夜には、炎をイメージした街のシンボル「フレイム・タワー」をはじめ、近未来的な高層ビル群がライトアップされて煌めく夜景を堪能。石油マネーによってもたらされた、華やかな都市景観に目を見張ることでしょう。
一転、その翌日には、世界遺産のバクー旧市街へ。見張り塔として使われていた「乙女の塔」や15世紀のシルバン朝時代に建設された「シルバンシャー宮殿」をめぐるほどに、古の栄華が偲ばれます。また、約6,000点もの岩絵が悠久の時を超えて現存する、世界遺産の「ゴブスタン国立保護区」観光にもときめきます。
カスピ海を朝な夕なに愛でる旅時間も、楽しみの1つ。その風景美を、湖岸沿いのホテルに2連泊し、ゆったりとご満喫ください。
数千年も炎が燃え続けているといわれる山「ヤナルダグ」
「フレイム・タワー」をはじめ、夜空に煌めくバクーの 高層ビル群
モスクや宮殿にイスラム文化が薫る、世界遺産のバクー旧市街
続いて訪れるのは、ジョージアの首都トビリシ。さらに「ジョージア山岳景勝道路」をドライブしながら、コーカサス山脈の麓に佇むカズベキ村を目指します。途上では、紺碧色の水面も麗しいジンヴァリ湖を眼下に望む「アナヌリ教会」や、道路の最高地点を表す十字架の碑が立つ「十字架峠」が。移りゆく景色を車窓から眺めるほどに、この国ならではの山岳風景に期待が高まっていくことでしょう。
カズベキに到着したのち、四輪駆動車に乗り換えていよいよ旅のハイライト、想像を超えた絶景が待つ地へ。狭い山道を走ること約30分、忽然と姿を現す石造りの小さな建物が「ツミンダ・サメバ教会」です。標高約2,170メートルの山上にポツンと建つその佇まいは「限りなく天国に近い教会」と称され、ロシアの作家プーシキンをして「日の光に照らされ、まるで雪に支えられて空中に浮かんでいるようだ」といわしめたほど。白雪を冠した標高約5,047メートルのカズベキ山を背後に従えた、その神々しいまでの光景は息を呑むばかりです。
「ツミンダ・サメバ教会」と白雪を冠したカズベキ山が織り成す絶景は絵ハガキのよう
あまり知られていませんが、ジョージアは世界最古といわれるワイン産地。紀元前6000年頃から醸造されていたことが、考古学者たちの研究によって裏付けられています。トビリシでは、旧市街の散策や昔ながらの職人文化にふれるとともに、ジョージアワインの醸造所を訪問し、昼食を。「クヴェヴリ」という大竈を使った昔ながらの醸造法には、ワイン好きならずとも好奇心を刺激されることでしょう。
世界最古のワイン生産国で、古の製法を受け継ぐ醸造所を訪問
最後に訪れるのは、アルメニアです。この国は4世紀にキリスト教を国教にしただけに、悠久の歴史を今に残す修道院や大聖堂などが宝石のように煌めいています。この旅では、そんな世界最古のキリスト教国の魅力をたっぷりとご案内します。
国境を超え、首都エレバンへと向かう途中で立ち寄るのが、10世紀にアルメニアの女王によって築かれた世界遺産の「ハフパット修道院」。院内にある聖十字架の荘厳さに心洗われます。
エレバンに到着後は、街の中心にあるホテルに3連泊しながら、聖遺物を収蔵する「エチミアジン大聖堂」、キリストの脇腹を刺した「ロンギヌスの槍」が保管されていた「ゲガルド修道院」など、最古のキリスト教国ならではの世界遺産を見学。併せて、無形文化遺産の舞踊や伝統音楽など、民族文化にふれるひと時を満喫いただきます。
無形文化遺産の舞踊「コチャリ」など、民族文化にふれるひと時
旅のハイライトは、切り立った峰も雄々しい標高約5,137メートルのアララト山です。アルメニアの人々にとってキリスト信仰の拠り所であるこの聖なる山は、同時に「ノアの箱舟」が大洪水ののちに流れ着いたとされる伝説のある山。山頂近くで発見された大きな構造物は、木製の船体の一部に見えることから「ノアの箱舟の跡」と呼ばれています。
この旅では、ご希望の皆さまに朝日に染まるアララト山観賞へご案内。「ホルビラップ修道院」の見学日には、明媚なアララト山を眼前にしながらティータイムを楽しむひと時をご用意しました。
それぞれに漂う、文化の薫り。それぞれに、忘れ得ぬ景色。実際にコーカサス三国を訪れ、はじめての感動をご体験ください。
聖アララト山を眼前にティータイムも
コーカサス三国の合計国土面積は、日本の2分の1以下。にもかかわらず、それぞれの国が多彩な魅力にあふれるだけに、余裕をもって旅を楽しみ尽くしたいものです。そこでご案内する旅では、各都市で旅情豊かなホテルを厳選するとともに、連泊を基本にしたゆとりの旅程にこだわりました。
たとえば、アゼルバイジャンのバクーでは客室からカスピ海を望む「ヒルトン・バクー」に2連泊。水辺の遊歩道や大型ショッピングモールにも近い、絶好のロケーションです。ジョージアのカズベキでは、大コーカサスの雄峰を眺望できる「ルームズ」の山側客室をご用意。歴史都市トビリシでは、目抜き通りに面し散策にも便利な「トビリシ・マリオット・ホテル」に2連泊いただきます。
また、旅の最終章となるアルメニアのエレバンでは、「アルメニア・マリオット・ホテル・エレバン」に3連泊。多彩なキリスト教遺跡をゆったりめぐるとともに、朝焼けのアララト山を観賞するひと時も叶えることができました。抱えきれないほどの思い出をお持ち帰りください。
ルームズ(ジョージア)
アルメニア・マリオット・ホテル・エレバン(アルメニア)