[ WEB限定特集④ ]

旨し喜び、冬の美味

~富山、石川、兵庫、大分で旬の味を堪能~

企画=大川喜史/柳幸治/神保美保子 文=小野瀬宏子
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各地の蟹料理に個性あふれるおいしさ発見

これからの季節、海は美食の宝庫です。旬の食材をよりおいしく堪能するなら、何といってもその土地で楽しむ“獲れたて”の味に勝るものはないでしょう。

冬の味覚の代表格といえば「日本海の蟹」。北陸では11月から3月までがズワイ蟹の漁期です。水揚げされたばかりの新鮮なズワイ蟹を味わうなら、この時期に訪れるのがおすすめ。上品な甘みと豊かな旨みが口のなかに広がり、“北陸の冬の王者”という呼び名に思わず納得するほどの味わいです。また、紅ズワイ蟹もこの時期ならではの贅沢食材の1つ。甘さが強くみずみずしい身は柔らかで、ほどけるような食感がたまりません。つい、もう1つと手が伸びてしまうおいしさです。

今回ご紹介する北陸のツアーでは、1日目に漁港直送の海鮮を味わえる「新湊きっときと市場」で新鮮な紅ズワイ蟹を。2日目は宿泊地の山中温泉でズワイ蟹の会席料理をゆったりとお召しあがりいただけます。贅沢な蟹三昧の旅はこの時期だけのお楽しみです。

  • イメージ 北陸の蟹料理を楽しむツアーでは、富山の「新湊きっときと市場」で紅ズワイ蟹を
  • イメージ 松尾芭蕉ゆかりの山中温泉にてズワイ蟹料理を満喫

松葉がには山陰地方などの日本海側で水揚げされたズワイ蟹のオスの総称です。松葉がに料理を堪能できるのが兵庫県・城崎温泉。この地域では丹後半島から島根県沖にかけて松葉がに漁が行われています。古くから暖流と寒流とが交わる海域のため、身が締まり、旨みが凝縮された蟹が育つそうです。漁港が近い城崎温泉では、鮮度抜群の松葉がにを味わえるだけでなく、町なかには蟹を売っているお店も立ち並び、ちょっぴり豪華なお土産選びも楽しめます。

今回のツアーでは松葉がに尽くしの料理をお召しあがりいただきます。素材そのものの味を堪能できるお造り、ふっくらした身から甘みがこぼれるゆで蟹、濃い旨みと香ばしさが後引く焼き蟹など、多彩な味わいをご堪能いただけます。

  • イメージ 松葉がにの多彩な味わいを楽しむ料理の数々。城崎温泉の西村屋ホテル招月庭には2連泊
  • イメージ 城崎温泉では、新鮮な蟹が並ぶお店をのぞきながら、のんびりと散策するのも一興

続いてご紹介する香箱蟹は、石川県で獲れるメスのズワイ蟹のこと。丸みを帯びた形から「まんじゅうがに」との呼び名もあるそうです。茶色の外子(そとこ)と呼ばれる卵は、ぷちぷちとした食感。甲羅の内側にたっぷり入ったオレンジ色の内子(うちこ)は未成熟な卵で、蟹味噌と身と合わせていただけば、ほかにはない濃厚な味わいです。香箱蟹が珍重される理由は、獲れる時期が11月上旬から12月末までの約2カ月の短い期間に限られている点にあります。ほかの地域へはなかなか出回らない貴重な香箱蟹。ぜひ、そのおいしさを体験してください。

  • イメージ イメージ 味わい深い卵や蟹味噌、身がぎっしり詰まった香箱蟹
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氷見(ひみ)の寒ブリを、洗練の技でいただく

冬の日本海から届く美味のうち、圧倒的な存在感を放つのが「氷見の寒ブリ」です。丸々と太った身はほどよく締まり、たっぷりと脂を蓄えています。“寒ブリの聖地”と呼ばれる氷見で、なぜこれほど上質なブリが獲れるのでしょうか。一説によると、脂の乗ったブリが産卵のため日本海を南下する際、この時期の日本海の気候や、湾に魚を誘い込む能登半島沿岸の地形などの条件が重なり、氷見は好漁場として古くから知られています。能登半島を南に越えた辺りから、ブリの脂は徐々に減っていくといわれ、氷見の寒ブリはまさに自然と生命の奇跡が育んだ高級魚なのです。

今回ご紹介するツアーでは、好評を博する名店「御料理ふじ居」へご案内。古民家を改築した店舗に足を踏み入れると、情緒あふれる雰囲気です。美しく盛り付けられた料理は、一品一品が洗練された仕上がり。氷見の寒ブリや香箱蟹といった冬の北陸の美味を堪能できる贅沢な時間が待っています。

  • イメージ イメージ 雨晴海岸を望みながら進むJR氷見線は、一度は乗ってみたい絶景列車
  • イメージ 格式ある佇まいの「御料理ふじ居」。料理への期待も高まります
  • イメージ 氷見の寒ブリを使ったブリ大根。旨みと深い味わいが染みわたるよう
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プリプリの身が格別。臼杵(うすき)の天然とらふぐに舌鼓

ふぐといえば山口県・下関市が有名ですが、実は大分県・臼杵市の天然とらふぐも鮮度と味の良さで引けを取らないと評判です。古くは商売の町として栄えた臼杵では、商人たちの間でふぐ料理が愛されていたとも伝えられます。

この地は、とらふぐの漁場として知られる豊後水道に隣接。速吸瀬戸(はやすいのせと)とも呼ばれるほど流れが速い豊後水道で育ったふぐは、ぎゅっと身が引き締まるそうです。また、新鮮なうちに調理するのが臼杵流。鮮度が良いからこそ、ふぐの身を薄引きにすることができないため、刺身は肉厚になるのだとか。プリプリした歯ごたえが一層際立つ、この地ならではのおいしい食べ方です。

今回のツアーでは、明治38年創業の「山田屋」でとらふぐのコース料理をお楽しみいただきます。大分でふぐを食べるならここ、と評判の名店で、豪勢なふぐ尽くしをどうぞ。黒川温泉や別府温泉など名湯で体を癒し、選りすぐりの旬の味覚で心を満たす。そんな冬のゆったり旅へ出かけませんか。

  • イメージ イメージ 「料亭山田屋臼杵本店」では7品のふぐ料理を堪能