[ 特集③ ]
2022春、出航決定!
「にっぽん丸」
チャータークルーズ
NIPPON MARU Chartered Cruise
企画=南家知文/原田知美/鈴木麻未/小林絵梨/阿部遥奈
文=大友園子
ご好評をいただいている「にっぽん丸チャータークルーズ」。今年9月に、記念すべき10回目の出航予定でしたが、新型コロナウイルス感染症拡大を受けて延期となりました。このたび、来年3月に出航が決定。新たな航路も決まり、出航に向けて準備が進んでいます。
今回の特別なクルーズを企画するのは、9月に引き続き、南家知文、原田知美、鈴木麻未、小林絵梨、阿部遥奈ら総勢15名です。前回のクルーズよりさらにお楽しみいただけるような内容を日々考え、鋭意企画中です。ご期待ください。
〈プロジェクトメンバーが引き続き企画中!〉
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左から 南家 知文/原田 知美/鈴木 麻未/小林 絵梨/阿部 遥奈
桜の花に見送られ横浜から 北海道・函館、そして東北へ
10回目となる「にっぽん丸チャータークルーズ」は、来年3月26日に、横浜港を出港。オリジナル航路でめぐる5泊6日のクルーズがはじまります。3月下旬、横浜や東京など南関東では桜の季節。うららかな春の日射しが降り注ぐなか、町を彩る花に見送られ、にっぽん丸は、太平洋を北上し、一路、北海道へと向かいます。
終日航海日を経て、3月28日に最初の寄港地の函館港に入港。北海道の寄港地は、9月出港の行程では十勝の予定でしたが、季節柄、より充実した観光を楽しめる函館に決定しました。函館は異国情緒も感じられる坂の町。見どころも多彩で観光も楽しみです。
函館出航後は、青森・八戸港、岩手・大船渡港に寄港します。それぞれ観光を楽しんで、3月31日横浜に帰港します。
毎夜、船内のステージで繰り広げられる、ゲストを迎えてのエンターテインメントショーは、クルーズの旅ならではのお楽しみ。延期前と変更はありません。由紀さおりさんのコンサートをはじめ、アカペラグループの「ベイビー・ブー」、旅好きな落語家・桂竹千代さんの落語会、本格派津軽三味線デュオ「輝&輝」の三味線コンサートを、ゆっくりご堪能ください。
町歩きも、雄大な景観も 函館満喫の1日を企画中
3月出港で新たな寄港地となった函館。寄港地観光の詳細については、現在企画中ですが、ご案内したい場所やご覧いただきたい風景がたくさんあります。
たとえば、五稜郭公園に隣接する五稜郭タワー。地上約90メートルの展望台からは、幕末の歴史の舞台となった星形の五稜郭跡や函館山、市街地、津軽海峡、函館湾などの眺望をゆっくりご覧いただけます。2年に及ぶ改修工事を終えてリニューアルした洋風建築の代表的な建物・旧函館区公会堂を訪問し、明治から守られてきた歴史的な雰囲気にふれていただくのも印象深いもの。ほかにもテレビコマーシャルで知られる港へと続く八幡坂は記念写真スポットとしてもおすすめですし、遅めの出航時間を有効に使って、函館山から市街地の夜景見学といった、夕方から夜にかけての観光も予定しています。
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五稜郭タワーから、星形の五稜郭跡も一望に
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明治43年に建てられた旧函館区公会堂
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テレビコマーシャルにも使われた港に続く八幡坂
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函館近郊のみならず、南北海道が眺められる七飯ゴンドラ
また、郊外に大自然が広がるのも函館の魅力。七飯ゴンドラに乗車すれば、展望台から、大沼国定公園や駒ケ岳はもちろん、天気の良い日には、噴火湾の先にある室蘭まで広がる大パノラマを眺めることができます。
気候に配慮しつつ、無理なく、函館の町を楽しみ、北海道の雄大な大自然を感じていただけるようなオプショナル・ツアーを準備しています。寄港地観光の詳しい内容は2月頃に発表の予定です。
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いつまでも眺めていたい函館山から眺める夜景
八戸から残雪の十和田湖へ 大船渡から世界遺産・平泉へ
函館を出港した翌日、八戸港に入港します。八戸からは、十和田湖・奥入瀬渓流まで足を延ばして、東北の大自然のなかに身を置いてみるのはいかがでしょう。暖かな日射しが増えても奥入瀬渓流はまだ肌寒い季節。雪が残る春浅い季節も趣があっておすすめです。ほかにも、八食センターでお買物や、十和田市現代美術館で現代アートにふれるコースもあります。また、ほとんど歩かず旅を味わう「ゆったり度3」のツアーでも、凛とした奥入瀬渓流を車窓からのんびり観光します。
そして、最終寄港地となる大船渡港からは、世界遺産・平泉へ。毛越寺の大泉が池を中心に広がる浄土庭園は、遥か平安時代の優雅さを今に伝えています。もちろん、中尊寺の建造約900年になる金色堂の輝きも見逃せません。
ほかにも三陸鉄道リアス線「震災学習列車」乗車や、碁石海岸と奇跡の一本松で知られる陸前高田にある東日本大震災津波伝承館の訪問など、多彩な観光をご用意しています。
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八戸からの寄港地観光で早春の十和田湖へ
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平安時代の優雅さを伝える、毛越寺庭園
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にっぽん丸でお待ちしております
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商船三井客船株式会社 代表取締役社長 山口直彦
平素よりにっぽん丸クルーズに格別のご愛顧を賜り、厚く御礼申しあげます。
にっぽん丸は、国土交通省の監修のもと改訂を重ねております(一社)日本外航客船協会による感染予防対策ガイドラインを遵守し、お客さまと寄港地のみなさま、そしてクルーの健康と安全の確保を最優先に運営しております。
お客さまをお迎えするにあたり、クルー・スタッフ一丸となって防疫対策を徹底し、安心してにっぽん丸クルーズをお楽しみいただけるよう努めてまいります。
皆さまのご乗船心よりお待ち申しあげます。
「にっぽん丸」 チャータークルーズ
NIPPON MARU
~「ゆったり度3」のお客さまも
存分に楽しめる~
“世界一安全な場所”を目指す
「にっぽん丸」乗船体験記
乗船者:南家知文・篠原陽子
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出港時、にっぽん丸は横浜ベイブリッジを通過する
夏も終わりに近づき秋にさしかかるころ、にっぽん丸に乗船し視察する機会を得ました。行き先よりも、私どものチャーターと同程度の人数のクルーズをチョイス。本番のシミュレーションを行いました。
また、おみ足に自信のない方でも安心してお楽しみいただけるにっぽん丸の旅を、
「ゆったり度3」の視点からも併せてお届けします。
スムーズで安心な乗船手続き 密と無縁の空間で移動も楽に
旅は、港からほど近いホテルでPCR検査を受けることからはじまります。このクルーズに参加するのは約200名のお客さま。検査前後の待機場所となる宴会場には、十分余裕をもって席が設けられています。検査は、綿棒で唾液を採取し、試験管に入れて係員に渡せば終了。時間はものの5分ほどです。弦楽四重奏のミニコンサートやストレッチ体操の時間があり、暇を持て余すことはありません。
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乗船前のPCR検査会場では、弦楽四重奏コンサートもありリラックスできる
専用バスで港へ到着し、いよいよ乗船。一歩足を踏み入れると爽やかな香りが鼻腔をくすぐります。聞くと船内の花はすべて生花だそう。公共施設や廊下など、ちょっとした段差に設けられたスロープでは、車いすでご参加の方に向けて「ここにスロープがありますよ」とのお声がけや、手を差し伸ばす様子がたびたび見られます。
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いよいよ乗船!高揚感に胸がときめく
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船内を飾る見事な花々はすべて生花。その香りにも癒される
乗船して、まず避難訓練です。所定の集合場所へ行き、スタッフに客室番号と名前を伝えます。集合場所は分散しているので密とは無縁の世界。また、館内はどこもアクセスしやすく、ほぼ平坦なので、訓練や万一の緊急時にも、おみ足の悪い方、車いすをご利用の方にとっても安心です。
そして、夜はお待ちかねのエンターテインメントショー。会場となる四階ドルフィンホールは、席数を半分に減らし、ソーシャルディスタンスも十分。ホール入口をはじめ、船内各所に置いてあるのは、海鳥のカツオドリをデザインしたにっぽん丸のオリジナル消毒器。そのかわいらしさが、使うたびにちょっと楽しい気分にさせてくれます。
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距離を保って行われる避難訓練の様子
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船旅は、おみ足に自信がなくても楽しめる非日常のひと時
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毎夜のショーでは席を半数に減らし、ゆったりと鑑賞
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船内随所にある、にっぽん丸オリジナルカツオドリ消毒器
朝食後には寄港地観光へ 工夫された船内イベントも
翌朝、寄港先である和歌山の港町、新宮へと到着。
朝食レストランには、今や見慣れたアクリルの仕切り版が置かれているのはもちろん、ビュッフェ形式ではなくセットメニューとなっているのが大きな特徴。和食か洋食のいずれかを選べます。追加でヨーグルトやシリアル、ファンも多い、にっぽん丸伝統のカレーなども注文できます。
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朝食はセットメニュー。気分に合わせて追加メニューも
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目にも鮮やかなお食事をゆっくりと楽しみたい
午前9時、観光へ出発の時間です。あらかじめ、客室ごとに乗車するバスが決まっています。出発時間は、それぞれのバスごとに30分程度の時差が設けられおり、下船口が混み合うようなことはありません。
下船の際は通常、数段のタラップを上り下りしますが、おみ足の悪い方には必要に応じて船員の介助があります。車いすをご利用の方にも、船員4~5名での乗り降りのサポートがあるので、安心して出かけられます。
およそ40人乗りバスの乗車人数は20名程度。余裕のソーシャルディスタンスです。訪れた先は、熊野古道高野坂。約1時間のお散歩も、参加人数が少ないので十分な間隔をもって楽しめます。
これまでの船内イベントは、参加型が中心でしたが、お客さまに安心して楽しんでいただける新しいタイプの船内イベントも誕生しています。
たとえば、「ソーシャルディスタンスディスコ」。ホールに響く生バンドの演奏とともに、ダンスが得意な船員が前に出て、軽快に踊りを指南し、観客は客席に座ったままプレスリーやビートルズの名曲に合わせて踊ります。おみ足に自信のない方でも楽しめ、距離も保てるイベントです。
世界一安全な場所で それぞれに楽しむ船旅を
下船時は、階数ごとに降りる順番がアナウンスされ、下船口に立ち並ぶスタッフが、お客さまにごあいさつ。名残惜しさが募ります。
実際に乗船して、これだけの対策がクルーズ船をして世界一安全な場所としているのだと実感できます。「安心感があるから、出かけずにずっと船内で過ごします」と観光へ出かけず船内イベントなどを楽しむ方もいらっしゃるのにも納得です。当社主催のチャータークルーズでも、ぜひお客さまにご体感いただきたいという気持ちを新たにし、船を後にしました。
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下船の際は、タラップに控えるスタッフが必要に応じてサポート
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適度な人数で安心して参加できる寄港地観光の様子