[ 特集② ]

心動く冬絶景

〜輝く雪と氷の世界へ〜

Amazing Winter Landscapes

企画=石川俊平/南家知文/大川喜史/篠原洋子/阿部遥奈 文=槙原有希
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清らかで美しい、雪と氷の世界。それは、冬ならではの絶景です。壮大な自然の力を感じる風景や情緒豊かな雪景色など、さまざまな冬絶景を味わえる旅をご案内します。

流氷や樹氷などの絶景を堪能する旅、スキーやスノーシューを体験する旅、日本の冬の暮らしを感じる旅など、この季節にしか味わえない多彩な楽しみが広がります。

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砕氷船やロープウェイで
冬にしか出あえない絶景へ

  • イメージ イメージ 白い氷の大地を砕いて進む「網走流氷観光砕氷船おーろら」
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特徴ある2つの砕氷船で オホーツク海の流氷観賞

あたり一面が雪や氷に覆われ、ダイナミックな自然を感じる冬。この季節ならではの絶景を堪能する3つの旅をご紹介します。

はじめにご案内するのは、砕氷船でオホーツク海の流氷原のなかを観賞する4日間の旅。はるかシベリア大陸の沖合から風に乗って流れてくる流氷は、世界的にも限られた地域でしか見ることができません。そして、日本では北海道だけでしか見ることができない景色です。

流氷がオホーツク海を南下してくるのは、1月下旬から3月頃にかけて。今回のツアーは、流氷観賞ができる可能性が高い2月に設定しました。心ゆくまで流氷を楽しむには、氷塊を砕きながら流氷のなかを進んでいく砕氷船のクルージングがおすすめ。沖に進むにつれて流氷も大きくなり、悠然と飛ぶオオワシや流氷の上で昼寝をするアザラシなど、野生の動物たちに出あえるかもしれません。

クルージングは、特徴ある2つの砕氷船を利用します。紋別港発着の「流氷砕氷船ガリンコ号 ⅢIMERU(イメル)」は2021年1月に登場した新しい船。先端にある二本の大きなスクリューで流氷をガリガリと豪快に砕きながら進みます。一方の「網走流氷観光砕氷船おーろら」は大型船。南極観測船と同じ構造を持ち、船首から氷に乗り上げ、船の重みで氷を果敢に砕くので、船底が砕氷する時には震動を感じることができます。冬の醍醐味といえる流氷観光を全身で体感してください。

  • イメージ 流氷原のなかではオオワシに出あうチャンスも
  • イメージ 紋別港発着の「流氷砕氷船ガリンコ号Ⅲ IMERU」
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スノーモンキーに出あい 白馬三山を望むテラスへ

湯けむりの温泉に浸かり、目を閉じるニホンザルたち……。次に紹介するのは、長野県の「地獄谷野猿公苑」で風情あるスノーモンキーに出あう2日間の旅です。地獄谷の冬は厳しく、毎年一メートルを越える雪に覆われます。バスを降りてから温泉まで30分ほど雪の上を歩くので、滑りにくい履き物がおすすめです。餌付けされた野生のニホンザルの群れが山林から野猿公苑にやって来て、暖をとるために温泉へ。そのかわいらしい様子を間近で観察することができます。

もう1つの見どころは、北アルプスの絶景を一望できる山頂テラス「HAKUBA MOUNTAIN HARBOR」です。白馬岩岳ゴンドラリフトに乗って山頂まで。標高約1,289メートルから、白銀の白馬三山の眺めをお楽しみください。一面が真っ白になる冬の連山と、青空のコントラストは心に刻まれる景色となることでしょう。

  • イメージ 「地獄谷野猿公苑」の温泉で温まるスノーモンキーたち
  • イメージ 白銀の北アルプスを望む山頂テラス「HAKUBA MOUNTAIN HARBOR」
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大自然の神秘を感じる芸術 蔵王の樹氷を空中から

3つ目は“氷と雪の芸術”といわれる蔵王の樹氷をロープウェイから観賞する2日間の旅。蔵王連峰の特殊な気象条件と植生が織り成す自然の造形美を、最盛期といわれる2月にお楽しみください。着氷と着雪の起こりやすい「アオモリトドマツ」などの常緑針葉樹が樹氷となる木々で、同じものは1つとしてない芸術作品です。

蔵王山麓駅から2本のロープウェイを乗り継ぎ、地蔵山頂駅を目指します。ゆったりと座り、大きな窓から樹氷原を望む空中散歩を堪能することができます。地表から沸き立つ雲のような樹氷が山肌を覆い尽くす風景は圧巻です。

地蔵山頂駅でロープウェイを降りると、目前の樹氷に遠くに見える山々の美しさが加わった、神秘的な景色が待っています。地蔵山頂駅には360度見渡せるオープンデッキの展望台もあります。

宿泊は源泉かけ流しの宿「葉山館 翠葉亭」でお寛ぎください。

  • イメージ ロープウェイに乗り圧倒的な迫力の樹氷原を空中から観賞
  • イメージ お風呂からの眺望が自慢の「葉山館 翠葉亭」客室
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スキーやスノーシューを履いて
白銀の世界を
アクティブに楽しむ

  • イメージ イメージ 初級者から上級者まで幅広く楽しめる「裏磐梯スキー場」のゲレンデ
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白銀のゲレンデを貸切り気分 懐かしのスキーをもう1度

白銀の世界をスキーで颯爽と駆け抜ける。または、スノーシュー(西洋かんじき)を履いて雪の森をハイキングし、大自然を満喫する。そんなアクティブな体験ができる旅を2コースご案内します。

1つ目は、懐かしい時代を思い出し、もう1度気軽にスキーを楽しむ3日間の旅です。1980年から90年のブーム時にはよく滑っていたけれど、最近はスキー場から遠ざかっているという方も多いのではないでしょうか。日本の本格的なスキーブームのきっかけは、1972年の札幌オリンピックといわれています。その後、バブル経済を背景としたリゾート法の制定から全国に大型リゾート開発の波が広がりました。高速道路や新幹線などの交通網が整備され、スキー用品の低価格化や週休2日制の一般化なども、スキー人気を高める要因に。1987年には、映画『私をスキーに連れてって』が大ヒット。松任谷由実さんの挿入歌ともに、スキーを楽しむ映像が人々の心を捉えました。また、スキー用具を扱うスポーツショップのCMソングは冬の風物詩に。そんな記憶を思い出すゲレンデは郷愁を感じる景色。今回のツアーでは、緩斜面中心で広々とした「裏磐梯スキー場」を一般の休業日に利用するので、スノーボードを楽しむ若者など周囲を気にすることなく安全に、思う存分に滑ることができます。ほぼ貸切状態のスキー場でパウダースノーを滑る解放感は格別です。

ツアーには約2時間のレベル別レッスンが含まれているので、久しぶりの方や初心者でも安心。昔の滑りを思い出したあとは、ご自由にスキーをお楽しみください。スキー板やブーツ、ストックなどの装備はすべて借りることができる(有料)ので、身軽にご参加いただけます。また、スキー経験豊かな添乗員が同行し、安全に楽しめるスキー旅をサポートします。

お泊まりは、雄大な自然を満喫できる「裏磐梯高原ホテル」に連泊します。高原リゾート地に佇むこのホテルでは四季折々に異なる表情を楽しむことができます。冬ならではの楽しみである雪見展望風呂や雪景色の磐梯山を望む客室でゆっくりとお寛ぎください。

  • イメージ イメージ 展望露天風呂から雪景色を堪能できる「裏磐梯高原ホテル」
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“八ヶ岳ブルー”の空の下で スノーシュー体験を楽しむ

2つ目は、スノーシューを履いて山岳ガイドと一緒にハイキングを体験する3日間の旅。白銀の世界を歩き、冬にしか味わえない大自然を満喫するコースです。

1日目には、冬の晴天率約85パーセントを誇る「富士見パノラマリゾート 入笠山(にゅうかさやま)」へ。ゴンドラに乗って山頂駅へ向かいます。標高約1,734メートルの入笠湿原周辺で、スノーシューを履き、1時間半ほど雪原を歩きます。雪がない時期には歩くことができない岩場なども、降り積もった雪のおかげで難なく歩くことができるのがスノーシュー体験の醍醐味。積雪で地面が高くなっているため視界が広がり、木々のてっぺんも近くに感じることができます。白樺と雪原の神秘的な世界をお楽しみください。

  • イメージ イメージ ガイドとともに歩く雪原。ウエア一式レンタル付きで安心

2日目は、北八ヶ岳ロープウェイに乗り、坪庭駅へ。標高約2,237メートルの坪庭自然園周辺でスノーシュー体験を3時間ほど楽しみます。晴天率も約80パーセントの高さ。晴れた日は、日本アルプスを一望できます。

どちらも“八ヶ岳ブルー”と呼ばれる澄み切った青空の下で、しんと静まり返った雪原に残された動物の足跡を見つける楽しみもあります。防寒ウエアからスノーシュー用具までレンタル付き(無料)なので、特別な準備は必要はありません。

宿泊は「星野リゾート リゾナーレ八ヶ岳」に連泊します。カフェやショップが並ぶ「ピーマン通り」の散策などもお楽しみください。

  • イメージ 日本アルプスを一望する北八ヶ岳ロープウェイ
  • イメージ ショップが並ぶ通りの散策も楽しめる「星野リゾート リゾナーレ八ヶ岳」
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温泉で雪見風呂を堪能し
雪国の冬の暮らしを体感する

  • イメージ イメージ 深い雪に包まれた里山の絶景が広がる世界遺産白川郷
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雪景色の白川郷から 古い町並みが残る城下町へ

最後にご紹介するのは、日本の冬の暮らしを感じる3日間の旅です。見どころは、世界遺産に登録されている白川郷の雪景色と人々の営み。飛騨地方は豪雪地帯なので、個人では行きにくいエリアです。雪深い里山とともに雪景色が似合う城下町を訪れ、冬ならではのさまざまな風景を1度にお楽しみいただける今回のツアーはおすすめです。

1日目に泊まる白骨温泉は、深い樹林と湯川渓谷に囲まれた、北アルプス山麓の山深い温泉地。野趣あふれる「白船グランドホテル」の雪見風呂で、乳白色の湯に浸かり冬景色を眺めながら、大自然の恵みを味わってください。

2日目には、旅のハイライトである“日本の秘境”白川郷へ。大小100棟余りの合掌造りが数多く残り、今でも人々の暮らしが営まれている集落として知られています。冬には合掌造りの屋根に雪が積もり、道沿いには協力しあいながら雪かきをする人々の姿も。家屋の内部を一般公開している施設も点在しているので、思い思いに散策をお楽しみください。日本の原風景といわれる集落を散策しながら、昔ながらの冬の暮らしを体感できるひと時となることでしょう。昼食後は飛騨の匠の技が息づく町、飛騨古川へ。雪の瀬戸川に沿って白壁土蔵や出格子の商家が連なる町並みは、情緒豊かな風景です。翌日には、古い町並みが残る飛騨高山を訪れます。

今年の冬は、この季節にしか見ることができない、心動く絶景を求めて旅に出かけませんか。

  • イメージ 雪景色の似合う飛騨古川では、瀬戸川と白壁土蔵の町並みを散策
  • イメージ 標高約1,400メートル、深い山々に囲まれた白骨温泉「白船グランドホテル」の露天風呂