名古屋から出かける九州の世界遺産の地を訪ねる旅。まず、ご紹介するのは、日本で最初に登録された世界遺産の1つ屋久島です。
この島は、豊かな水をたたえる「水の島」。島全体が潤いのある苔むす森に覆われ、独特の幻想的な景観をつくり出しています。一方で杉は、花崗岩という栄養の乏しい地盤に根を張り、長時間かけてゆっくりと育ちます。杉は500年余りが平均寿命といわれていますが、ここでは樹齢2,000年を超える杉も少なくありません。
今回、3月中旬の草木が緑を濃くするおすすめの季節に、どなたでも無理なく歩けるルートで、見どころをご案内。屋久島の稀有な大自然をご紹介します。
到着した日には、屋久島町屋久杉自然館を訪れて、島やこの島特有の杉の概要にふれ、2日目から、いよいよ屋久杉の森へ。まず出かけるのは、木漏れ日が気持ち良い渓谷を中心に整備された散策路が続く白谷雲水峡。弥生杉を見学するコース(約2キロ)を進むと、20分ほどで推定樹齢3,000年の弥生杉が目の前に現れます。その複雑な幹の形状や空洞などが、屋久杉の老木ならではの雰囲気を醸しています。さらに、伐採された一代目の杉の上に二代目の杉が成長したことから二代大杉と名付けられた圧巻の巨木も見学し、1時間ほどでスタート地点へ戻ります。体調に合わせて、二代大杉を見ずに戻ることもできます。
屋久島の旅、三日目はヤクスギランドへ。30分ほどで1周できるコース(約1キロ)を、森林浴を楽しみながらのんびりと歩きます。つり橋や二股になった杉の根元を通り抜けることができる「くぐり栂」など、たくさんの見どころがある散策路では、随所で屋久杉の原生林の生命力を肌で感じられます。
散策の途中、古い切り株が目に留まるかもしれません。それはかつて、杉が伐採された名残。成長が遅く、年輪の間隔が狭く強度が高い屋久島の杉は、江戸時代に良質の建材として盛んに用いられました。ここは、この島の自然の豊かさとともに、その歴史を静かに語る森でもあります。
お泊まりは、2000年に世界自然遺産国際会議の舞台ともなった屋久島いわさきホテル。お部屋やレストランなどの大きくとられた窓から、雄大な眺望が望めます。屋久島の大自然を感じつつ、天然温泉でお疲れを癒していただけるおすすめのホテルです。
2つの目の旅は、変化に富んだ山海の風景に佇む、長崎の世界遺産・長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産を訪れる旅。今回は、貸切船で島々を訪れる観光もご用意しています。名古屋発着で、五島列島をめぐる旅は多くはないので、この機会にお出かけになってみてはいかがでしょう。
さらに、3つ目の旅として軍艦島を訪れる旅もあります。長崎港から船で、約18キロの洋上に浮かぶ島へ向かい、炭鉱の歴史を伝える建築物を見学します(天候等の事情で上陸できない場合もあります)。お泊まりは、ハウステンボス内にある、人気のホテルヨーロッパに2連泊。快適な滞在と、夜は園内の幻想的なイルミネーションをゆっくりと楽しみいただけます。