冬の海に白く輝く流氷は、日本では北海道東部のオホーツク海沿岸でしか見ることができません。この旅では2泊4日に凝縮した日程で、流氷の魅力に迫ります。
旅のはじまりは、オホーツクの空の玄関口・女満別空港から。道内の移動距離が短く、楽な行程になっています。まずはオホーツク流氷館で、“流氷の天使”クリオネを観賞。濤沸(とうふつ)湖水鳥湿地センターでは、越冬中のオオハクチョウなどの渡り鳥を観察します。
紋別港にて、「流氷砕氷船ガリンコ号Ⅲ IMERU(イメル)」に乗船。2021年に就航したばかりの新造船で、速度は今までの船の約1.6倍。風や海流により位置を変える流氷を追って大海原を航行し、流氷帯の壮大なパノラマを眺めます。大きなスクリューが流氷をガリガリと砕く豪快な光景も必見です。一方、網走港では揺れが少ない大型の「網走流氷観光砕氷船おーろら」に乗船。この船は氷の塊を圧し潰すようにして進んでいきます。双眼鏡で流氷の隙間を覗くと、運が良ければクリオネが見えることもあります。遠くを見渡せば、流氷の上で羽を休めるオオワシやオジロワシ、のんびりと寝そべるアザラシなどの野生動物との出あいがあるかもしれません。
ご宿泊は網走湖畔の丘に位置する「北天の丘あばしり湖鶴雅リゾート」に2連泊。メインラウンジに大きな暖炉がある、重厚なリゾートホテルです。天然温泉の大浴場にはサウナや岩盤浴があり、冷えた体をじんわりと温めてくれます。網走滞在中は、名産であるキンキの握り寿司など、オホーツクの美味もご堪能いただきます。
次は、春爛漫の3月に“日本最後の清流”四万十川流域でのんびり過ごす2泊3日の旅です。高知県のなかでもなかなか行きにくい、四万十川河口の天然温泉のお宿に1泊するのも魅力。
この時期に四万十川沿いを黄色く彩るのが菜の花。まずは約1,000万本の菜の花が埋め尽くす、入田(にゅうた)ヤナギ林(りん)にて散策をお楽しみいただきます。
そして四万十川では屋形船に乗って、ゆったりのんびりとめぐります。船はまず、四万十川で3番目に長い高瀬沈下橋をくぐります。沈下橋は台風などの増水時には川に沈み、流されないようにつくられた、欄干のない低い橋。周りの風景に溶け込み、四万十川らしい景色を演出しています。穏やかな川風に吹かれながら、淡い緑に包まれた山々が澄んだ川に映りこむ風景を、船の上から存分にご堪能いただきます。
また、四万十川では遡上してきた稚魚を伏流水で育てたうなぎも有名です。船を降りた後は、この名産のうなぎを「うな重」でご賞味いただきます。
その後、人気の観光列車「志国土佐時代(とき)の夜明けのものがたり」に乗車。車窓に流れる太平洋や仁淀川などの眺めとともに、こだわりのお料理をお召しあがりいただきながら、高知駅までの旅をお楽しみいただきます。