[ 特集② ]

可憐に咲く早春の花々に囲まれて

西へ東へ夢見心地
春の息吹を感じる旅

企画=金子美佐子/神谷美保子/ 柳幸治/篠原陽子/阿部遥奈/加藤桜 文=大友園子
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お宿やお食事にもこだわり 河津桜や菜の花を満喫

温暖な伊豆半島の南端部に近い河津町では、2月には早くも可憐な河津桜が見頃を迎えます。河津桜は、一重咲きで大輪の濃いピンク色の花。開花から満開まで約1カ月と、見頃が長いことが特徴です。約850本もの桜が植えられた河津川沿いの桜並木には、青空とピンクの桜、そして菜の花の黄色と緑が織り成す、春爛漫の景観が続きます。今回は、お食事やお宿にこだわった1泊2日の旅、4コースをご紹介します。いずれも2日目に河津桜をゆっくりご覧いただきます。

  • イメージ イメージ 河津桜と菜の花が美しい河津の桜並木(2021年2月神谷美保子添乗員撮影)

まずご案内するのは、下田温泉「別邸 洛邑」に宿泊するコースです。河津桜を楽しんだあとの昼食には、「ABBA RESORTS IZU 坐漁荘(ざぎょそう)」で、遠州灘で水揚げされた天然ふぐを使った季節限定の「坐漁荘特選ふぐ会席」をご用意。坐漁荘の新たな名物料理を、ぜひゆっくりとご堪能ください。

  • イメージ イメージ 遠州灘天然とらふぐを存分に味わう「坐漁荘特選ふぐ会席」

2つ目のコースは、今年4月に新設された伊豆の新名所「小室山リッジウォークMISORA」を訪れます。リフトで標高321メートルの小室山頂上へ。遮るもののない1周約160メートルの遊歩道を歩けば、太平洋や伊豆、箱根、富士山など、360度の絶景を見渡すことができます。お泊まりは、人気の伊豆・浮山温泉の「ABBA RESORTS IZU坐漁荘」。ゆったりした広さのある、露天風呂付ヴィラタイプのお部屋で、ゆったりお寛ぎください。

  • イメージ イメージ 山頂から360度の絶景を望む「小室山リッジウォークMISORA」

3つ目のコースは、伊豆・月ケ瀬温泉の「雲風々(うふふ)」に宿泊します。狩野川沿いの豊かな自然に囲まれた立地で、客室は離れの7部屋のみ。全室に源泉かけ流しの露天風呂とウッドデッキが備えられています。日常を少し離れ、静かで贅沢な時間をお過ごしいただけます。

最後にご紹介するのは、下田相玉温泉「里山の別邸」に宿泊するコース。この旅では、河津桜の観賞に加え、熱海の梅園で、樹齢100年を超える古木を含む60品種、469本もの、紅白の梅の花と香りも楽しみます。2日にわたって、たっぷりとお花見を楽しんでいただけます。

  • イメージ 狩野川の清流に抱かれる露天風呂付離れの温泉宿「雲風々」
  • イメージ 熱海梅園はのんびり散歩をしながら自然美を堪能できる公園
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淡路島「八木のしだれ梅」から 関東の一度は見たい梅の名所まで

ほのかな香りとともに、春の訪れを知らせてくれる梅の花も、日本人に愛される代表的な花木。ここからは、1度は訪れたい関西、関東の梅の名木や梅園を訪ねる旅をご紹介します。

関西の梅をめぐる2泊3日の旅は淡路島からはじまります。淡路島の梅の名所といえば、南淡路市にある「八木のしだれ梅」。樹齢約70年の古木は、高さ約8メートル、幅約12メートル、幹周り約2メートル。毎年2月中旬から20日ほどが見頃で、直径2センチほどの梅の花が、枝が見えないほどに咲きます。すぐそばに立てば、花の香りに包まれ、しばし夢見心地ならぬ“梅見心地”気分に……。

このしだれ梅は、個人宅に植えられたもの。開花する時期に合わせて公開されています。購入した当時2メートルほどの苗木でしたが、三代にわたって大切に育て、今では庭を覆うほどの見事な巨木になりました。

  • イメージ イメージ 個人が三代にわたって育てた梅が見事な花を咲かせる「八木のしだれ梅」

翌日は、鳴門海峡の渦潮を見学したあと、神戸へ。「神戸北野ホテル」に滞在して、ディナーの余韻に浸り、ゆっくりと眠った翌朝は、ベルナール・ロワゾー氏の朝食をベースに進化した“世界一の朝食”を。オーベルジュならではの滞在を楽しんだあとは、京都へ。城南宮で紅白や薄紅色のしだれ梅と椿をご覧いただきながら散策します。

  • イメージ 神戸・北野ホテルでは、ヨーロピアンスタイルの“世界一の朝食”を
  • イメージ 見渡す限りしだれ紅白の梅が咲く、城南宮の神苑「春の山」

関東の梅をめぐる旅は、いずれも気軽な日帰りの3コースをご用意しています。1つ目の旅は、まず鎌倉の「瑞泉寺」を訪れます。梅で有名なお寺で、季節になると、参拝受付の奥の梅園や、本堂前など白梅、紅梅、緋梅にしだれ梅など約150本もの梅が咲きます。鎌倉市天然記念物の黄梅も2月中旬から3月にかけて見頃です。そして昼食後は、横浜の「三溪園」へ。この庭園を造った実業家・原三溪は、明治41(1908)年の春に梅林の完成記念に盛大な観梅会を開いたほどの梅好みでした。現在約500本ある梅とともに、当時を偲ばせる重要文化財の建築物や庭園を見学します。

2つ目は、高尾の「梅の郷」で甲州街道沿いの木下沢梅林や天神梅林など、いくつかの梅林沿いの遊歩道をウォーキングします。途中はタクシーを利用し、無理なくめぐります。昼食は「うかい鳥山」。奥高尾の山里に佇む日本建築レストランです。この時期、庭園では水芭蕉やカタクリの花が咲きはじめる頃です。

3つ目は、水戸の「偕楽園」の梅と「いばらきフラワーパーク」で河津桜と菜の花が織り成す春爛漫の風景をご覧いただきます。昼食は老舗「山口楼」にて、水戸名物のあんこう鍋または常陸牛のすき焼き会席を、お好みでお召しあがりください。

  • イメージ イメージ 約100種、3,000本余りの梅が春の訪れを告げる水戸の「偕楽園」
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トロッコ列車を貸切り 春満開の房総、菜の花畑へ

1年を通じて温暖な気候の房総半島の中心部を南北に走るのが小湊鐵道です。3月を迎えれば房総はすっかり春。うららかな時期、春の花々に彩られた景色を、かわいらしい小湊鐵道里山トロッコ列車に乗って楽しみます。

養老渓谷駅手前にある石神の菜の花畑などでは一面菜の花に覆われた里山の風景が広がります。このあたりは、一時は休耕田となっていましたが、地元のボランティアの方々が菜の花を植えはじめ、このような見事な光景が広がるようになりました。桜の花が一緒に咲く時期に、1両貸切りでご案内します。天井はガラス張りで開放的、窓があり、風にあたることなく、快適に景色をご覧いただけます。

お泊まりは、新鮮な魚介類をふんだんに使った和食会席が人気の宿「鴨川館」。春の房総ならではの、風景と食をたっぷりと味わう2日間の旅です。

  • イメージ イメージ のんびりとした里山を背景に、一面に広がる黄色い絨毯と里山トロッコ列車