静寂のなか、ライトアップされた鳳凰堂に見惚れる。閉門後の境内を貸切り、三越伊勢丹ニッコウトラベルのお客さまだけの平等院特別拝観とともに、それぞれの想いに応える3つのコースをご用意しました。数多ある京の旅にあって、かけがえのない思い出として紡がれるでしょう。
夜の帳が降りるとともに、密やかに繰り広げられる春の宴。光を受け、翼を広げたかのように浮かび上がってくる鳳凰堂のなんと幻想的なことでしょう。10円硬貨の図案としても有名な鳳凰堂をはじめ、平安のロマンを醸し出す平等院。その成り立ちを辿れば、摂関政治で世を謳歌した藤原氏の栄華に行き着きます。
「此の世をば わが世とぞ思ふ 望月の 欠けたることも 無しと思へば」と詠んだ藤原道長の時代は、まさに絶頂期。しかし、長男の藤原頼通の世になると、後三条天皇の即位ともに、天皇の外祖父という立場を利しての摂関政治がおぼつかなくなっていき、その栄華に陰りを見せていきます。後に白河天皇が上皇として院政を敷くに至り、勢いを失うのです。
そんな時の移ろいのなかで、頼通が極楽浄土をこの世に現出すべく1052年に創建したのが平等院、翌年に建立した阿弥陀堂が鳳凰堂でした。水面にたゆたいながら姿を映す鳳凰堂と、桜の花々が織り成す幻想美を目にするほどに、平安という世の華やかさ、儚さが心に沁みわたってくるようです。
ご案内する旅では、通常は非公開の塔頭浄土院で住職・神居文彰さんの法話をお聞きするとともに、鳳凰・雲中供養菩薩像・梵鐘などの国宝が一堂に展示された「ミュージアム鳳翔館」を特別鑑賞します。
平等院の桜も、楽しみの1つ。訪問時の3月末は例年、しだれ桜が見頃ですが、今年はソメイヨシノが満開となっていました。
平等院特別拝観の旅に参加された皆さまだけが享受できる、とっておきの機会を心ゆくまでご堪能ください。
平等院の特別拝観とともに、古都の魅力を思い思いに満喫する旅へ。1つ目のコースは、紫がかった花々が降り注ぐかのようなしだれ桜、待賢門院桜(たいけんもんいんざくら)を法金剛院で楽しむとともに、本法寺で長谷川等伯筆による縦約10メートル、横約6メートルほどの「佛涅槃図」などを鑑賞。翌日には、真言宗総本山の東寺も訪れる旅です。
平安京の東を守る王城鎮護の官寺として七九六年に創建された東寺は、後に弘法大師(空海)に託された由緒ある名刹。心躍るのは、空海が修行した唐の青龍寺に倣い建立された灌頂院(かんじょういん)の特別拝観です。一般公開は年に2度しかないだけに、通常はその日を待ちわびた拝観希望者が長蛇の列をつくりますが、この旅では皆さまだけを僧侶がご案内します。
農作物の実りを占う閼伽井(あかい)絵馬や、樹齢約120年のしだれ桜、不二桜と高さ約55メートルの五重塔が織り成す情景にも心和みます。
2つ目のコースは、平等院特別拝観の翌日に、桜の名所を存分に堪能する旅です。昨今の気候変動により予測が難しい桜の開花時期ですが、まさに百花繚乱の京の桜名所のなかから、その日見頃のスポットをお選びします。さらに、お客さまには直前まで秘密にした上でご案内するだけに、見事な桜景色を目にした時の感動は格別です。
最終日は、法然ゆかりの浄土宗の総本山・知恩院を訪問。除夜に大勢の僧侶が撞くことで有名な「大鐘楼」を拝観していただきます。1678年に造営されたこの鐘は、高さ・直径ともに約3メートル、重さ約70トン。想像以上の巨大さに、思わず目を瞠ることでしょう。
3つ目のコースでは、京都に点在する『源氏物語』と紫式部ゆかりの地をめぐって行きます。1日目は平等院の特別拝観の前に、『源氏物語』主人公・光源氏のモデルとされる源融の別荘・六条河原院跡に佇む渉成園や、『源氏物語』に描かれた80種余りの草木が植栽された城南宮の「楽水苑」を散策します。
2日目は、下鴨神社を特別拝観し、十二単衣の着付けと王朝舞をゆったりと鑑賞。また、紫式部が生まれ育ち、生涯を過ごしながら『源氏物語』を執筆したと伝えられる邸宅跡に佇む廬山寺を訪れます。
京都御苑では、いち早く花を咲かせる「出水の桜」、濃い紅色や白の花を垂れる糸桜、緑の葉と白い花が同時に見られるオオシマ桜、その美しさに後水尾天皇が御車を引き返えさせたという「車返桜」など、さまざまな桜が咲くことで有名な苑内でお花見を楽しみます。
ご昼食では古都の風雅を満喫いただくために、老舗料亭の「瓢亭」や「下鴨茶寮」で嗜む京懐石、「六盛」の名物「手をけ弁当」と、コースごとに趣向を凝らしました。
より多くのお客さまに夜の平等院特別拝観を楽しんでいただけるよう、大阪・名古屋・福岡発着のコースもご用意しました。春爛漫の京都が、皆さまのお越しを心待ちにしています。