[ 国内特集① ]

旅心も満開に
西日本 桜探訪

企画=伊藤麻美子/後藤秀幸/金子美佐子/黒木貴士 文=井上智之
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辺り一面を桜色に染めあげたかと思えば、さっと散りゆく儚さ。そんな桜景色こそは、季節の移ろいを慈しむ日本のこころ。「世の中に 絶えて桜のなかりせば 春の心は のどけからまし」と、平安時代の歌人・在原業平(ありわらのなりひら)が詠ったように、春陽に誘われ目覚めた旅心を、掻き立てずにおきません。

ご案内するのは、そんな春の風物詩を心ゆくまで堪能いただくために、西日本の桜名所と名所旧跡訪問、温泉や美食体験などを織り交ぜた5つの旅。ラグジュアリーバスで優雅にめぐる、山陰・九州の桜旅もご用意しました。ひと口に桜といっても、野生種から人手で改良された栽培品種までまさに百花繚乱。旅ゆくその先で、どんな桜との出あいが待っていることでしょう。

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〈 京の都の絢爛桜 〉

豊臣の栄華が偲ばれる
「醍醐の花見」を

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秀吉が最後の春に催した花見を貸切りの「三宝院」で追想

春の到来を愛でる花見の主役が梅から桜へと代わったのは、平安時代といわれています。最初にご案内するのは、そんな平安の都で満喫するお花見。しかもそれが、一代で栄華を築いた秀吉が威信をかけて催した最後の花見の追体験となれば、いやがうえにも期待が高まります。

ときめきの舞台は、世界遺産にして「さくら名所百選」にも選定されている醍醐寺です。この旅では、閉門後に貸切った醍醐寺の国宝「三宝院(さんぼういん)」や、多種多様な桜が咲く名園「憲深林苑(けんじんりんえん)」で優雅にお花見を。「三宝院」内の「純浄観」では、快慶作の『木造弥勒菩薩坐像』や貴重な『金天目茶碗』を、ガラスケースを通さずに拝観いただきます。また、一般公開の「霊宝館」では、咲きっぷりも見事な「醍醐大しだれ桜」を。絢爛たる京の夕べを、たっぷりとご堪能ください。

  • イメージ イメージ 醍醐寺の国宝「三宝院」を閉門後に貸切り、「醍醐の花見」を追想する
  • イメージ 「霊宝館」では、「醍醐大しだれ桜」の華やかさに息を呑む
  • イメージ 「三宝院」では、寝殿造の様式美も麗しい「表書院」も見学

日本史上最も豪華で盛大な花見だったと伝えられる「醍醐の花見」に期する秀吉の想いは並々ならず、近畿一円から約700本もの桜の木を取り寄せたほど。当日は、息子の秀頼、正室の北政所(きたのまんどころ)、側室の淀殿、徳川家康をはじめ約1,300人が参加し、盛大な宴が催されました。

そんな秀吉が「露と落ち 露と消えにし 我が身かな 浪速のことは 夢のまた夢」という辞世の句を残しつつ没したのは、「醍醐の花見」の5カ月後。栄華を謳歌したのち散ったその生涯は、あたかも桜のような儚さです。

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古都の春を満喫いただける2コースの桜旅を

ご案内する旅では「醍醐の花見」を共通として、2つのコースをご用意しました。Aコースでは、「知恩院」で僧侶の案内とともに、通常は非公開の「大方丈」、「小方丈」と「御影堂」を特別拝観。国宝の「三門」を内外から艶やかに彩る桜に心華やぐことでしょう。また、雛祭りを旧暦で祝う習慣が今も残る古都の伝統にふれるひと時も。雛懐石と座敷に並ぶ古今雛たちの雅を、「京料理ちもと」でお楽しみください。

Bコースでは、約60種・400本の桜が咲く「平野神社」、しだれ桜が見事な「水火天満宮」・「妙満寺」・「養源院」、ソメイヨシノが麗しい「将軍塚青龍殿」と、多彩な桜名所を訪問。また、北政所が茶の湯に使ったといわれる名水「菊水の井」を店名の由来としている「菊乃井 本店」では、京懐石の晩餐を。京都洛中に唯一残る酒蔵の「佐々木酒造」では、非公開の酒蔵見学や、銘酒の試飲をお愉しみください。

  • イメージ 「京料理ちもと」で、雛祭りを旧暦で祝う京都の伝統にふれる
  • イメージ 「佐々木酒造」では、佐々木晃社長自ら酒蔵をご案内
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〈 関西の遅咲き桜 〉

造幣局で華やぐ「桜の通り抜け」と
古都で愛でる桜名所

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大阪屈指の桜の名所で珍しい桜との出あいを

いかにも商都らしい、華やかにして気取りのない賑やかさ。浪速の春を彩る風物詩が、普段は一般公開されていない大阪造幣局の桜並木を1週間限定でそぞろ歩く、その名も「桜の通り抜け」です。「役人だけが桜を楽しむべきではない」ということから、1883年に一般開放されたこの“通り抜け”の魅力は、八重桜を中心に希少な品種に数多く出あえること。たとえば、花びらが丸く集まって手毬のようになる「大手毬(おおてまり)」、黄緑色の花びらが独特な「御衣黄(ぎょいこう)」、気品ある花姿の麗しい「楊貴妃」など、約560メートルにわたる通りの道すがらは、まさに珍種のオンパレード。多彩な桜の競演に心躍ることでしょう。

催行は、遅咲きの八重桜の満開を見計らった4月9日。混雑緩和のために近年、予約制になった「桜の通り抜け」ですが、この旅なら煩わしい申込み手続きも必要ありません。

  • イメージ イメージ 約560mにわたる大阪造幣局の「桜の通り抜け」。八重桜を中心に珍しい桜の競演に心躍る
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春に彩られた京都・奈良で古刹と桜名所をめぐる

せっかくの関西旅ですから、大阪だけでなく京都・奈良の桜名所も楽しみたいもの。そんな想いを叶える2つのコースをご用意しました。Aコースでは、まず京都へ。「正法寺」では、東山連峰を望む山水庭園「宝生苑」と、しだれ桜が織り成す幻想美を。「大原野神社」では、満開期間が3日間と短いため幻のしだれ桜といわれる「千眼桜」をお見逃しなく。明治14年創業の老舗「錦水亭」で味わうたけのこ料理も、春の息吹を感じさせます。

  • イメージ イメージ 「正法寺」では、“鳥獣の石庭”と称される山水庭園と、しだれ桜が織り成す美しさを
  • イメージ 宿泊先の1つは「帝国ホテル大阪」
  • イメージ もう1つの宿泊先は「大阪ステーションホテル・ オートグラフコレクション」

Bコースは、奈良の「談山神社」で、樹齢約600年を誇る「薄墨桜」を。秘仏の特別拝観にも癒されます。奈良県東吉野村にある天空の庭「高見の郷」では、約1,000本ものしだれ桜が咲く絶景を満喫。京都では、さまざまな桜が境内を彩る「善峯寺」や、遅咲きの桜名所「原谷苑」を訪問します。まさに、桜尽くしの関西旅をたっぷりとお楽しみください。

  • イメージ イメージ 約1,000本ものしだれ桜が咲く、天空の庭「高見の郷」
  • イメージ 「談山神社」では、「薄墨桜」観賞と秘仏の特別拝観を
  • イメージ 遅咲き桜を中心に約400本以上の桜が彩る「原谷苑」