桜前線とともに春を追いかけて関西から北へ向かう、3つの旅をご紹介します。
1つ目は、関西では桜がそろそろ終わりを迎える頃に見頃を迎える、北陸地方の四カ所の桜をめぐる3日間の旅。まずは世界遺産・五箇山の合掌造りの集落へ向かいます。しっとりとした茅葺き屋根の家屋と雪が残る田んぼに、桜の組み合わせが、まるで日本昔話に出てくるような懐かしい風景を見せてくれます。
そして、旅のハイライトは富山県屈指の花見スポット「あさひ舟川 春の四重奏」。残雪の白馬岳、朝日岳の北アルプスを背景に、桜並木と菜の花とチューリップが奏でる、白、ピンク、黄、赤の四重奏の大パノラマを心ゆくまでお楽しみください。
公園やその周辺を含め、約4,000本のソメイヨシノに彩られる高田城址公園にもご案内します。
妙高高原の名門ホテル・赤倉観光ホテルでの宿泊も、忘れられない思い出となることでしょう。
次は南東北への4日間の旅です。「置賜(おきたま)さくら回廊」は、山形県南部の桜の名所をつなぐルートです。そのなかから、エドヒガンザクラをはじめとする25種約1,000本の桜が、山を覆い尽くすように咲く「烏帽子山千本桜」、天然記念物の一本桜「伊佐沢の久保ザクラ」「薬師桜」など、5カ所の桜の名所をめぐります。
福島県喜多方市にある「日中線記念自転車歩行者道」は、廃線となった旧国鉄日中線の跡地を利用した3キロほどの遊歩道。両側に咲く約1,000本のしだれ桜の花が、天から滝のごとく降り注ぐような見事な桜並木となっています。
“福島の桃源郷”といわれる県屈指の花の名所・花見山公園も見逃せません。花木農家のご家族が自宅前の雑木山を開墾し、こつこつと70年以上かけてつくり上げた花の山です。こんもりした里山が濃淡のある桜色に染め上げられた砂糖菓子のよう。花桃やボケなど、さまざまな花も咲き揃います。
最後に「みちのく三大桜名所」をすべて訪ねる三日間の旅をご紹介します。4月の終わりに近づく頃、ようやく春を迎える東北地方北部。まずは、岩手県北上川河畔にある北上展勝地を訪ねます。約500本のソメイヨシノによる桜のトンネルが人気の名所です。北上川に渡された、鮮やかな鯉のぼりが春の空を泳ぐ様子も見られます。
翌日は江戸時代に栄えた城下町で“みちのくの小京都”と呼ばれる秋田県角館へ。武家屋敷を囲む黒板塀を、流れ落ちるように覆うしだれ桜の下、のんびりとそぞろ歩きをお楽しみください。近くを流れる桧木内川には、桜並木が、まるで薄紅色にたなびく雲のように土手を縁取っています。
旅のフィナーレは、日本を代表する桜の名所、青森県の弘前公園。江戸時代の創建当時のままの天守や城門などと、約2,600本もの桜の競演は圧巻。満開の桜が水面に映り込む外濠では、花びらが折り重なり水面を覆う「花筏(はないかだ)」も楽しめます。
厳しい寒さを耐え抜き美しく咲いた北の桜を訪ねる旅へ、ぜひお出かけください。