[ 国内特集② ]

二つとない、ドラマティックな
桜の情景を探して

孤高の古木から、奇跡の四重奏、
水路に零れるソメイヨシノまで

企画=関尚美/金子美佐子/伊藤麻美子 文=浅見浩司
  • イメージ イメージ
  • イメージ イメージ

樹齢1,500年以上の よみがえった孤高の桜

桜の開花や満開の予想日が発表されると、近隣の公園や桜並木などでのお花見を今か今かと待ちわびる方も多いことでしょう。そんな散歩気分のお花見も心躍るものですが、時には、「日本三大桜」や「さくら名所100選」などに名前が挙がる、まさにそこでしか見られない、日本有数の桜の名所にも出かけてみたいもの。今回は、ドラマティックな桜の情景をお楽しみいただける三つの旅をご案内しましょう。

まずご紹介するのは、日本三大桜の1つとされ、国の天然記念物にも指定される、岐阜県の「根尾谷淡墨桜(ねおだにうすずみざくら)」を訪れる旅。この桜は、樹齢1,500年以上といわれるエドヒガンザクラの巨木で、高さ約17メートル、枝張りは東西約22メートル、南北約24メートルにもおよびます。1948年の調査で「3年以内に枯死」と宣告されるなど、幾度となく危機的状態に陥りながら、その都度、古木を守るための施術が行われてきたことで、現在も美しい花を咲かせています。

  • イメージ イメージ つぼみは淡いピンク、満開では白色、散りぎわは淡い墨色になる、樹齢1500年以上の根尾谷淡墨桜

この旅では、根尾谷の古木と対照的ともいえる、名古屋城内の豪華な桜もご覧いただきます。荘厳な天守閣を背景に、我が世の春を謳歌する1,000本余りの桜は、贅沢なほどの美しさといっていいでしょう。また、名古屋城では、2018年に約400年前の華麗な佇まいが忠実に復元された、本丸御殿もご見学いただく予定です。

お泊まりいただくのは、国宝「犬山城」の麓の木曽川沿いに佇む、老舗宿「灯屋 迎帆楼(あかりやげいはんろう)」。半露天風呂を備えた全10室のモダンなスイートルームで、雄大な眺望と優雅な寛ぎの時間を満喫いただきます。

  • イメージ 荘厳な天守閣に映える名古屋城の桜
  • イメージ 半露天風呂を備えた、灯屋 迎帆楼の客室
  • イメージ イメージ
  • イメージ イメージ

桜並木、チューリップ、 菜の花が咲き揃う奇跡へ

個性際立つ桜の情景を楽しむ旅の2つ目は、北陸と信州をめぐります。なかでも最もご注目いただきたいのが、富山・あさひ舟川の「春の四重奏」です。残雪の北アルプスを背景として、舟川両岸に植えられた約280本のソメイヨシノ、赤や黄色の早生チューリップ畑、そして可憐な菜の花畑が時を同じくして開花する様子は、まさに目で見る美しい協奏曲のよう。奇跡のような大自然のドラマをゆったりとお楽しみください。

  • イメージ イメージ 北アルプス、桜並木、菜の花、チューリップが奏でる、あさひ舟川「春の四重奏」

北陸でご案内するもう1つの桜の名所が、新潟・上越市の高田城址公園。約50ヘクタールの公園が、ソメイヨシノを中心とする約4,000本の桜の花々でピンクに染まります。特に、内堀の水面に映る高田城三重櫓と桜の共演は、圧巻の美しさです。また、旅の最終日に訪れるのが、さくら名所100選に選ばれている、信州・須坂の「臥竜公園」。竜ヶ池の周囲をぐるりと取り巻く約160本の桜が、水面を華やかに彩ります。

  • イメージ イメージ 約4,000本の桜が園内をピンクに染める高田城址公園

2泊3日のこの旅で連泊するのが、日本の高原リゾートの草分け的存在の「赤倉観光ホテル」。標高約1,000メートルから望む八海山や斑尾山などのパノラマビューと、源泉かけ流しの温泉が心と体に温もりと癒しを届けてくれることでしょう。お泊まりいただくのは、温泉露天風呂付きテラスルームを備えた、プレミアム棟のゆったりした客室。運が良ければ、雄大な眺望が広がる「アクア ダイニング」や客室から、一面の雲海を楽しめるかもしれません。

さらに、旅の初日にご案内する豪農の館「保阪邸」は、三越伊勢丹ニッコウトラベルの皆さまだけの特別見学。繊細な装飾や貴重な美術品の数々をご覧いただけます。

  • イメージ 高原のパノラマビューに胸高鳴る赤倉観光ホテル
  • イメージ 豪農の館、保阪邸の美術コレクション
  • イメージ イメージ

疏水船からの桜風情と 三井寺の幻想的な夜桜

ぜひお出かけいただきたい桜の旅の3つ目は、「びわ湖疏水船」から楽しむお花見がハイライトのコースです。琵琶湖の水を京都へ引く琵琶湖疏水は、明治維新後の東京遷都により衰退した京都の産業を復興するために計画されたビッグプロジェクトでした。1890年に第一疏水が、1912年に第二疏水が完成しています。

  • イメージ イメージ 琵琶湖疏水の両岸を美しく彩る桜

疏水船にお乗りいただくのは、大津から京都市蹴上まで。両岸に並ぶ桜と明治の建造物を船から見上げる景色は、しっとりした風情を感じさせてくれます。また、約36メートルの高低差を船が乗り越えるために設けられた傾斜鉄道の跡地「蹴上インクライン」でのお花見散歩もおすすめです。

疏水周辺の桜の見どころでおすすめなのが、大津の「三井寺(みいでら)」です。今回は、1,000本を超える境内の桜が鮮やかにライトアップされる、幻想的な夜のシーンへご案内。さらに、通常は立ち入ることができない観月舞台を特別に貸切っての贅沢な夜桜観賞も堪能できます。

  • イメージ お花見散歩が楽しい、傾斜鉄道の跡地・蹴上インクライン
  • イメージ 三井寺の観月舞台を貸切って夜桜観賞

この旅では、近江牛を全国に広めた精肉店が営むレストランでの鉄板焼や、京都祇園の名店「のぐち継(つなぐ)」での懐石料理もご満喫いただきます。