[ 海外特集① ]

WELCOME TO SERENADE 2

楽しさ多彩に

春のセレナーデ号の船旅

企画=南家知文/寺澤欣吾/阿部遥奈/篠原陽子 文=小野瀬宏子/吉田千尋
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セレナーデ号の船旅では、基本の4コースに加え、乗船前後に人気の観光地を満喫するコースもご用意しています。今回は「歴史」と「大自然」をテーマに魅力あふれる見どころをご紹介。さらに「ゆったり度3」の船旅についてもご紹介いたします。楽しみ満載の「春のセレナーデ号の船旅」。心弾む出航の時は、もうすぐです。

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好奇心が踊る、歴史探訪

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奇跡の修道院、モン・サン・ミッシェル

まずご紹介するのは、A2コースで訪れるモン・サン・ミッシェル。昔から多くの巡礼者がこの地を目指し、現在は世界中から旅人が訪れるフランス屈指の見どころ。その軌跡は8世紀、司教・オベールが、夢のなかで大天使ミカエルから「この岩山に聖堂を建てよ」とお告げを受け、礼拝堂を建築したことがはじまりといわれています。以降、11世紀にはロマネスク様式の修道院、13世紀になるとゴシック様式のラ・メルベイユが完成。その後、百年戦争では不落の要塞として、フランス革命時は反革命派の監獄としても使用されました。時代による建築様式の違いは、今も修道院内部に見られます。

参道には土産物店やカフェなどが並び、名物のオムレツを出す店も多くあります。実は、ここにも巡礼との深いつながりが。まだモン・サン・ミッシェルへ渡る橋がなく、干潮のタイミングを逃すと海で溺れてしまう危険があった時代のこと。「メール・プラール」という宿屋を営む女性が、命をかけて辿り着いた巡礼者をねぎらうために栄養豊かな料理を…… と考え、ふわふわのオムレツが生まれたと伝えられています。時を超え、さまざまな想いにふれることができる“奇跡の聖地”です。

  • イメージ 百年戦争後、後期ゴシック様式に再建された修道院内部の付属教会
  • イメージ 店をのぞきながら行くのも楽しい、モン・サン・ミッシェル修道院への参道
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芸術の宝庫ブリュッセルと「世界一小さな街」へ

ベルギーの城館風ホテルに宿泊するA1コースは、個性あふれる街へもご案内。ブリュッセルではジャン・コクトーが「豊穣なる劇場」、そしてビクトル・ユーゴーが「世界で最も豪華な広場」と称賛したことで知られるグラン・プラス観光へ。1400年代に建てられた市庁舎や1600年代建造のギルドハウスなど、広場周辺の歴史的な建築にもご注目を。王立美術館ではブリューゲルをはじめとする名作を鑑賞しながら、ベルギー芸術の歩みを体感していただけます。

また、ベルギー南部のワロン州にあるデュルビュイにも足を延ばします。1331年、この村を気に入ったリュクサンブール伯ボヘミア王・ジャン1世により「市」の称号が与えられたそうです。今もなお、二ヘクタールほどの土地に人口は500人足らず。「世界一小さな街」として知られています。中世さながらの風景と、当地ならではの地産地消のお食事をお楽しみください。

  • イメージ イメージ アルデンヌの森に囲まれたデュルビュイ
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若き王が音楽への憧れと 夢を思い描いた白鳥城

B1コースは、ドイツを代表する見どころの1つ、白鳥城(ノイシュバンシュタイン城)を訪れます。19世紀、18歳の若さで王位に就いたルートヴィッヒ2世の命により着工。幼少期より歌劇の作曲家、ワーグナーの作品に強い憧れを抱いていた王はその世界観を城の細部にまで徹底的に表現。『タンホイザー』をモチーフにつくられた人工の鍾乳洞や豪華絢爛な玉座の間など、彼が夢見た幻想的な世界が広がります。しかし、理想を追い求めるあまり、多額の建築費が国の財政を圧迫。幽閉された王は40歳で逝去しました。その後、工事は中断され、今も未完成のまま。終わらぬ夢を伝えるように白亜の城は訪れる人を魅了し続けています。

作曲家からのインスピレーションは、実はセレナーデ号にも。2階は「モーツァルトデッキ」、3階は「ベートーヴェンデッキ」と名付けられています。音楽の調べのように美しく流れ行く船上からの風景は思い出に残るでしょう。

  • イメージ イメージ 森にそびえる壮麗な白鳥城
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心に刻む、大自然の名場面

ラインの滝で楽しむ迫力の遊覧船クルーズ

さらにB1コースは、白鳥城と合わせてラインの滝観光にも訪れます。落差約23メートル、横幅約150メートルの滝はヨーロッパ最大級。この時期、ちょうど雪解け水が加わり、豪快な流れは一段と勢いを増します。見晴台から眺めていると、ゴーゴーと音を立てて流れ落ちる様子に圧倒されるほど。遊覧船では滝つぼ周辺まで近づくので、ダイナミックな瀑布の迫力を全身で体感していただけます。

生涯で4度、この滝を訪れたというゲーテは「この先も多くの人が感動を伝えようと試みるだろうが、何人によっても論じ尽くされることはないだろう」と称えたそうです。

大河の荒々しい表情は、穏やかなリバークルーズとはまさに対照的。その姿をぜひ目の前でお楽しみください。

  • イメージ イメージ 豊富な水流で迫力あふれるラインの滝
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峠越えの列車旅と 湖上での優雅な時間を

列車と蒸気船でスイスの自然を満喫できるのがB2コースで乗車する「ゴッタルド・パノラマ・エクスプレス」です。ルガノを出発した列車は、1882年に開通した歴史ある峠越えルートを進みます。緑豊かな山々、のどかな村や渓谷を通過する標高差約600メートルの路線は、ループトンネルと橋の連続。バッセン周辺では街をぐるりと周回しながら、ぐんぐんと下ります。車窓に広がる景色は見飽きることがありません。

フリューレンに到着すると、今度は蒸気船で水上の旅へ。ルツェルン湖はスイス連邦発祥の地となった4つの州を結ぶ広大な湖。南のウルナー湖、西のアルプナハ湖ともつながった複雑な形が特徴的です。美しい山並み、春の陽光にきらめく水面。360度に広がる眺望を楽しみながらの船内でのご昼食は、ここだけで味わえる贅沢なひと時です。

  • イメージ イメージ 山間を走り抜ける列車旅と湖上クルーズを楽しめるゴッタルド・パノラマ・エクスプレス
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一瞬で心を奪われる ユングフラウの大パノラマ

C1、D1コースは壮大なアルプスの感動体験へご案内します。グリンデルワルトから登山列車を乗り継ぎ、目指すはヨーロッパ最高地点の鉄道駅、ユングフラウヨッホです。車窓から見える雄大な景色は、思わず息を呑むほど。雪山の麓には緑が広がります。これぞアルプスという眺めに、思わずカメラのシャッターを切る方も多いことでしょう。

さらに驚くような絶景が、次々とこの先に。アイガーバントにはアイガー北壁につくられた窓があり、そこから遥か下を見ることができます。切り立つ山々を望みながら登山列車はいよいよ、標高3,454メートルにある終着駅に到着。エレベーターで展望台に上ると、先ほどまでとは一変して辺り一面は雪と氷の世界「アレッチ氷河」が広がります。空の青さは平地で見るよりもさらに濃く、どこまでも連なる力強い稜線にただただ圧倒されるばかりです。ユングフラウ、アイガー、メンヒの三名山をはじめとするスイスの大自然。一生忘れることのない神秘の絶景が、ここにあります。

  • イメージ イメージ 登山列車に乗ってアルプスの絶景を満喫