三越伊勢丹ニッコウトラベルが、富山県の情報発信拠点「日本橋とやま館」とコラボレーション。海と山、港、空港、駅などがコンパクトに集約された富山で“暮らすように”旅する新しいスタイルについて、企画担当・江頭啓太郎がご案内します。
昨年に公開された直木賞受賞作家原作のサスペンス映画『鳩の撃退法』では、富山県の神通大橋から真正面に巨大な立山連峰を見据えた構図の場面が、とてもダイナミックでした。「この町は、一体どこだろう?」と驚かれた方も多いのではないでしょうか。
今回、私たちとコラボレーションするのは、「日本橋とやま館」。その館長である田﨑博勝さんは富山県庁職員で、過去には映画のロケ隊の対応などを担当されていたそうです。「映画に必要なシーンはすばらしい景色だけでなく、ごく日常的と思われる風景も欠かせないと知りました。おかげで地元の人では気付かない富山の良さがわかるようになりました」と語ります。
館長代理を務める瀬川裕子さんは、冒頭の映画のシーンについて「富山県民からすると日常的な風景なんですけど、切り取り方でこんなにも心が揺さぶられるものなのだと再認識しました」とのこと。地元の方にとっては当たり前の日常でも、そこには新鮮な感動があふれています。それこそが、私がお届けする“暮らし旅”の醍醐味です。
「日本橋とやま館」は、三越伊勢丹ニッコウトラベルのお隣のビルにあります。一歩足を踏み入れると、迎えてくれるのは富山県産杉で立山連峰を描いた格子壁。富山が誇る海山の名産品、職人技が光る工芸品などが勢揃いしたショップ、富山湾直送のお魚を味わえる本格和食レストラン、バーラウンジや観光交流サロンまであり、まさに富山を体感できる場所です。和食レストランで使う水は、富山から取り寄せる「穴の谷(あなんたん)霊水」など、地元素材にこだわっています。
ここにいるだけでも生き生きと伝わってくる富山の魅力ですが、田﨑館長は、「お隣の石川県(金沢)に比べると、首都圏での富山の認知度はまだまだです。当館をハブにして富山の知られざる魅力を伝えていきたい」とのこと。
富山は、海と標高3,000メートル級の山が連なる立山連峰が同時に見られるという、世界でも珍しい町です。海山と町が近くにあり、富山市を中心に公共交通機関で1時間ほどの距離でさまざまな体験ができるのも魅力。まだ発信されていない“素顔”が、この土地にはあふれているのです。
ちょっと不器用かも知れないけれど、絶景に抱かれた温かな日常がある町。その魅力は、長期滞在でこそ感じられるはず。私が“暮らし旅”の舞台としてこの地を選んだ理由が、ここにあります。
たとえば、お天気のいい日は、カメラを片手に絶景ポイントへ。雨降りの日は、達人のもとで伝統工芸品づくりにチャレンジ。予定どおりに観光地をめぐる旅とはひと味違う、その土地でのんびり気ままに、暮らすような体験をお届けしたいと思います。
“暮らし旅”の第1弾は、2つの夏の旅を予定しています。富山市に4連泊する5日間と、さらに高岡市または南砺市での2連泊を加えた7日間のツアーです。
添乗員からは毎日、お天気に応じた翌日のおすすめプランをご提案します。たとえば、地元の人気カメラマンと行く絶景ポイントの撮影会、海の達人がご案内する市場競り見学、現代に溶け込む洗練されたデザインへと進化した伝統工芸の体験、活気あふれるシロエビ漁の体験……。「日本橋とやま館」のご協力のもとで実現する、とっておきの富山の日常をたっぷりとご用意する予定です。夜は、女性も気軽に楽しんでいただける桜木町の飲み屋街で、地元の方と語らうのもいいですね。プランのご参加はもちろん自由ですので、毎日お好きな場所で、お好きな時間をお過ごしいただければと思います。
この旅の後も、第2弾、第3弾と、富山滞在の旅を企画していきます。雪化粧された山々や渓谷、花咲く春の町と、旅を重ねるごとに出あえる四季折々の彩り。そのなかで過ごすほどに、富山に親しみを覚え、第2のふるさとのように、もう1つの帰省先のように感じていただけることでしょう。「しあわせ人口1,000万人」を目指す富山県。田﨑館長も、「訪れる皆さまにそんなふうに思っていただけると、富山県としては本当にうれしいですね」と笑顔を見せてくださいました。富山を知るほどに愛着が芽生えていく、そんな温かい旅づくりをしていきたいと思っています。
これを執筆中のまさに今、富山市とその周辺を視察中です。新しい旅の喜びが詰まっている、富山の“暮らし旅”。5月号でその全貌を発表いたしますので、どうぞご期待ください。
「日本橋とやま館」において、富山の絶景スポットを楽しめる写真展を開催!
SNS等で作品を発表し、話題を集める富山県在住の写真家イナガキヤストさんが撮影した、“想像以上”の日常をご紹介します。
日本橋とやま館 交流スペース
会期:2022年3月22日(火)~4月10日(日)10:30~19:30東京都中央区日本橋室町 1−2−6日本橋大栄ビル1F
銀座線/半蔵門線「三越前」駅徒歩1分
銀座線/東西線「日本橋」駅徒歩3分