高知県を流れる仁淀川流域と玄界灘に浮かぶ離島・壱岐島。その類まれな手付かずの大自然を堪能する2つの旅をご紹介します。
名古屋から直行便で訪れることができる高知。そのほぼ中央を流れるのが仁淀川です。太平洋上に発生した雨雲が高い山々にぶつかり、雨となって深い森に降り注ぎ、いくつもの小さな流れが生まれ、やがて仁淀川となります。源流に広がる豊かな森や無数の谷、支流などの水体系全体が、貴重な自然の宝庫になっており、国土交通省による「水質が最も良好な河川」に選ばれています。「仁淀ブルー」と呼ばれる澄んだ青に出あえる2つの渓流を訪れます。
最深部に位置する安居渓谷は、「仁淀ブルー」が見られる屈指のポイント。今回の旅では、起点となる宝来荘から乙女河原への散策を楽しみ、その後、淵が深くなるにつれて青色の濃さを増す水晶淵も訪れます。陽の輝きを映す川底が見渡せる澄み切った清流、流れに削られ滑らかな曲線を見せる岩肌などに思わず足が止まります。乙女河原と水晶淵は少し離れているので車で移動します。
見どころが点在する中津渓谷では、マイナスイオンをたっぷり吸い込みながら、雨竜の滝まで、渓流沿いの遊歩道を約1時間散策します。大きな岩は渓流のアクセントになっていて、淵をのぞき込むと、透き通った水を湛えた川底が光を映し、なんとも神秘的な光景です。目にする岩の色味が違うのも興味深いところです。ふと気づけば、流れの幅もずいぶん狭くなってゆき、やがて滝の流れ落ちる音が聞こえてくると間もなく雨竜の滝。大きな岩に囲まれてしぶきをあげる滝を見上げると、ちょっとした達成感も味わえます。
九州・博多から船で約1時間。玄界灘に浮かぶ壱岐島(いきのしま)の港に到着します。大小23もの島からなる壱岐の中心となるのが壱岐島。古代より日本と朝鮮半島、中国大陸を結ぶ重要な地でした。壱岐島は、透明度の高いエメラルドグリーンの海に囲まれ、豊かな食材に恵まれた離島リゾートとして注目されています。
壱岐島の最北端の港を出発して約八分。無人島の辰の島へのクルージングでは、エメラルドに輝く海、貝殻が砕けてできた天然の白い砂浜、そして玄界灘の荒波がつくり出した目が眩むような断崖絶壁など、大自然の造形美をお楽しみいただけます。また、港付近は水深5メートルほどで、視線を水中に向ければ、海底の砂に映る波紋がきれいに見えます。
お泊まりは、ゆったりした滞在ができる人気の高いホテル「壱岐リトリート 海里村上」に2連泊。目の前に海が広がり、客室はすべてオーシャンビュー。居ながらにして見事な夕景が望めます。多彩な海産物や年間900頭ほどしか出荷されない壱岐牛など、食の楽しみも大きな魅力。そして、およそ1700年前から湧出し続ける温泉は空気にふれると金色に。湯上がりは旅の疲れもさっぱりと癒されます。少し贅沢な離島リゾートを存分にお楽しみください。