[ 海外特集① ]

REPORT
当社社員による現地レポート第2弾
協力:スペイン政府観光局

ヨーロッパの旅の再開に向けて
企画担当 飯尾賢一

スペイン視察記

企画=飯尾賢一 文=飯尾賢一
  • イメージ イメージ グラシア通りのバトリョ邸(バルセロナ)
    奇抜なバルコニーが真紅のバラで飾られサン・ジョルディの日を祝う
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海外と比べて慎重な対応が続いてきた日本の出入国対策が大幅に緩和され、海外からの帰国手続が格段にスムーズになりました。6月以降、ワクチン接種証明があれば世界197もの国・地域からの入国について、到着時の検査や待機が不要となっています。マスク着用の推奨条件も大きく緩和され、社会経済活動の維持と感染対策の両立に向けて、日本もいよいよ歩み出したことを日々実感できるようになりました。この緩和指針発表に先駆け、再び安全・安心な旅をご提供するために、ヨーロッパの現状を確認すべく、スペイン政府観光局ならびにターキッシュ エアラインズのご協力のもと、現地視察に行ってまいりました。

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賑わうチェックインの列とスムーズなスペイン入国

4月18日、羽田空港のターキッシュ エアラインズのチェックインカウンターは予想に反してかなり賑わっていました。欧州系航空会社では間引き運航や欠航が珍しくないなかで、同エアラインは毎日運航、もとよりこの羽田路線はシベリア上空を通過しない飛行ルートのため、所要時間も従来どおりです。

エコノミークラスは約7割、ビジネスクラスは全49席中41席が埋まっていました。特にビジネスクラスの需要は高まっており、満席の日も多いそうです。トルコが最終目的地の方より、イスタンブール以遠のヨーロッパ各地へ向かう乗客が多かったようです。

イスタンブール到着後、乗り継ぎエリアへ。ビジネスクラスラウンジでは温かいお料理の提供があり、大理石の豪華な個室シャワールームも自由に使えます。

マドリード行きのビジネスクラス席もフルフラットシート。3時間ほどとはいえ、このゆとりはビジネスクラス利用の方にとっては大変価値のある仕様です。

  • イメージ ターキッシュ エアラインズのビジネスシート(ボーイング777)
  • イメージ 機内で利用できるマスク入り消毒キット(右側)

驚いたのが、マドリード到着時の流れのスムーズさです。入国審査を終えるとすぐの場所に、出発前にスマートフォンで登録した健康状態の申告情報をチェックする場所があります。

日本からの観光客が入国する場合、スペイン保健省のホームページか専用アプリで氏名や到着日、新型コロナのワクチン接種情報などを登録し、取得した2次元コードを空港で確認します。2次元コードの提示方法はスマートフォンの画面でも、事前に印刷しておいた用紙でもよいので、私はその用紙を提示。瞬時にチェック終了「OK!」となり、荷物受取所へ。

なんと、ここまで着陸後わずか15分という短時間で通過できました。これは特別なことではなく、いつものことだそうで、空港における対処方法が日本よりずっと進んでいるのを実感しました。

  • イメージ イメージ スペインの入国審査とワクチン接種証明確認はあっという間

空港を出発し、早速マドリードの中心、スペイン広場やマヨール広場へ。街路樹のユダの木が鮮やかな紫色の花を咲かせ、「ああ、春のスペインにやってきたんだ~」と実感しました。屋外ではすでにマスク着用義務がないスペイン。そして、私たちの到着日は「屋内でのマスク着用を義務とする最終日」。明日からはいよいよ全面的にマスク着用義務が原則撤廃されるとのことです(病院や地下鉄、空港など公共交通機関やタクシーは引き続き着用が求められます)。

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活気ある飲食店が特徴のバスク!その現状はいかに?

4月21日、国内線に乗ってバスク地方ビルバオ空港へ。車でサン・セバスチャンへ向かいました。到着すると早速、旧市街の徒歩観光をスタート。市民生活に欠かせないラ・ブレチャ市場には、魚も豊富に並んでいます。オリーブオイルなどを扱う食材店も以前と変わらず営業していました。

以前にお客さまをご案内していたバルは、どうなっているだろうと思い、いざ行ってみると、心配は無用。相変わらずの盛況ぶりでほっとしました。

以前と変わったのは、どのお店もカウンターの大皿に盛られていたたくさんのピンチョスが、衛生面を考慮しすべてガラスケースに入っていたことです。軒先で立ち飲みする人たちの会話がこだまする路地は、この街ならでは。以前と変わらず、夜を楽しむパワフルな人々の姿がありました。

今夜の泊まりは、「ロンドレス・イ・デ・イングラテラ」です。イースター休暇明けの平日にもかかわらず、客室は当面は八割近くがすでに予約で埋まっているとのことで、次の企画を急がなくては、と思いました。

  • イメージ イメージ サン・セバスチャン旧市街
  • イメージ 早朝の空港にお見送りに来てくださったミカミトラベル辻さん
  • イメージ 行きつけのバルはいままでどおり大人気。料理を待つ客を前にスタッフも大忙し
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ビルバオは今ガストロノミー・バルが熱い

アート、デザイン、食の魅力が世界中に注目されているビルバオも訪れました。食のレベルが高いこの地で、「ガストロ・バル」なるものが続々オープンしていると聞き、世界的料理人のマルティン・ベラサテギ監修の話題店へ。旧市街の美しい建物に一歩入ると、内部はスタイリッシュな空間。料理は立ち飲みスタイルではなく、ダイニングテーブルでいただきます。ピンチョス、タパスに着想を得たごく少量の料理が一品ずつ、見た目も美しい器で提供されます。伝統の枠を超え、意外な食材の組み合わせが生み出すハーモニーとワインとのマリアージュがガストロ・バルの腕の見せどころ。ゆったり着席して色々な味を上品に楽しめるこのスタイルは、皆さまにも気に入っていただけると確信しました。

  • イメージ イメージ ホテル前には遊歩道とコンチャ湾が広がる
  • イメージ 「時間の問題」は、波打つ鉄板の経年劣化も含めて1つの作品(グッゲンハイム美術館)
  • イメージ ビルバオ旧市街はおしゃれな店がぐっと増えた
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新しい塔が完成したサグラダ・ファミリアへ

最後にバルセロナを訪れ、サグラダ・ファミリアへ。昨年完成したマリアの塔は、既存の塔より太く高さもあります。感染拡大で工事が中断されましたが、その状況だからこそ希望のシンボルにと、塔の建設に人手や予算を集中して工事を進めてきたそうです。今後さらに大きな塔がつくられ、シルエットが変わった姿を、また見たいと思いました。以前訪れた方も、新たなサグラダ・ファミリアを、ぜひご覧いただきたいです。

  • イメージ イメージ 全景を撮影できるベストポイントが今ならこの余裕
  • イメージ 夜、ひときわ高いマリアの塔(左端)に星が輝く
  • イメージ バトリョ邸は観光客にも大人気

4月23日はカタルーニャの祝日サン・ジョルディの日でした。男性は女性に赤いバラを、女性は男性に本を贈る習慣があり、朝から街角にバラを売る屋台が立ち、バラを手に歩く男性の姿が目立ちました。ここ2年は密を避けるためにこの日を祝う催しはほぼ中止でしたが、今年は制限なし。目抜き通りには、3年ぶりの祝日を楽しもうと人々が集まり、街中が喜びに沸き立つような空気に包まれていました。日常が戻ってきていると実感しました。

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バルセロナでの帰国前検査はとてもスムーズ

日本帰国の72時間前(4月末時点)までに、陰性証明書を取る必要があるため、市内のクリニックへ向かいました。事前予約制のため混雑もなく、PCR検査自体もスムーズに終わりました。

6月より、日本への入国手続きが各段に緩和されています。特にワクチン接種を3回完了された方は、日本到着時の空港での検査、その後の待機義務もありません。今後も、さらに緩和は進むでしょう。現地を出発する前のPCR検査は、弊社にてしっかり調整してご案内し、諸手続きのお手伝いもいたします。どうぞ安心して海外旅行にお出かけください。

  • イメージ イメージ 穏やかな時間の流れも味わったトーレス・ワイナリーの併設レストラン
  • イメージ 久しぶりにお世話になったバルセロナのガイド織田原さん
  • イメージ マドリード プラド美術館脇の緑地でのんびり過ごす人たち

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次号は、古澤雅史によるポルトガル視察報告です。
乞うご期待!
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