[ 海外特集② ]

企画担当が語る

訪れるほどに楽しみが増える

ヨーロッパの奥深い魅力

企画=大泉千晶/森脇潤/我満弘充 文=大友園子
  • イメージ イメージ ぶどう畑に囲まれた小高い丘の上に広がるクロアチア・イストラ半島の“天空の里”モトブン
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訪れる先々で違った表情に出あえるヨーロッパ。秋には、色づいた木々に囲まれる大自然や食の楽しみが満載です。今回は、海外旅行の企画も担当しつつ、皆さまの旅の添乗を担当することもある社員が、近年の海外旅行のトピックや、訪れた旅先でぜひ楽しんでいただきたい風景、味覚などの魅力をご紹介します。

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地元ガイドと楽しむクロアチア イストラ半島の小さな街も

我満 秋の旅といえば、見事な紅葉などを思い浮かべます。お二方のおすすめはどこでしょうか。

森脇 クロアチアの秋は大自然の景観もすばらしく、一番のおすすめはプリトヴィッツェ湖群国立公園ですね。色づいた木々と上下2段に分かれる湖群の自然景観は圧巻。ヨーロッパ最大の紅葉の名所といってよいでしょう。予約が難しい国立公園内ホテルに宿泊することで2日間観光を楽しめます。通常のように5、6時間ほどかけて1日で歩くと、どうしても疲れてしまいます。そこで2日に分けることで各日2、3時間ずつ、景色を楽しみながら万全のコンディションで歩けます。隣国スロベニアのブレッド湖は、紅葉に縁どられた風景が絵になりますね。

  • イメージ イメージ プリトヴィッツェ湖群国立公園

大泉 クロアチアは自然と歴史、両方が満喫できる満足度の高い訪問地ですね。内陸のプリトヴィッツェからアドリア海に出る時は風景が劇的に変わり、バスは大歓声に沸きます。

森脇 オレンジ色の屋根が連なる街並みが見えてくると、また一層盛り上がります。この秋のツアーでは、クロアチアの山、湖、海などの変化ある景観が楽しめます。また、アドリア海に突き出たイストラ半島の、知られざる美しい村や街も訪れます。「ヨーロッパの美しい村30選」に選ばれた岬の村ロヴィニ。建物に残された紋章などがヴェネチアの影響を受けていたことを今に伝えています。丘の上に佇む城壁に囲まれた街モトブンでは、ぶどう畑が広がる周囲の景観をご覧いただきたいですね。景色だけでなく、周囲の森で採れるトリュフを使った料理がまたすばらしい。地元の名店「ズィガンテ」で味わえるトリュフパスタは絶品です。

大泉 アドリア海に浮かぶフヴァル島では、この島固有種ボグダヌシャを育てるワイン農家にも訪問。添乗と企画をしている担当者だからこその、手づくり感のある旅ですね。

森脇 この旅はクロアチア政府公認観光ガイドの奥寺有希子さんとめぐります。特にこのワイン農家訪問は、地元でコーディネーターもされている奥寺さんのご縁で実現しました。

我満 奥寺さんと一緒なら、より旅の思い出が深まりそうです。お土産選びなどのアドバイスも相談できますね。

  • イメージ イメージ アドリア海に浮ぶ街ロヴィニ。細い石畳の路地が迷路のように続く
  • イメージ クロアチアの奥深い魅力を紹介するクロアチア政府公認ガイド奥寺有希子さん
  • イメージ イストラ半島では、旬を迎えるトリュフ料理も楽しみたい
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食のバスク地方を自由に楽しむ高級レストランもピンチョスも

大泉 料理やワインの話が出たところで、「食」で注目されるバスク地方の楽しみ方を教えてください。

森脇 今回はスペインバスクの街ビルバオやサン・セバスチャンで、あえて夕食を設けず、バルでピンチョスと呼ばれる「小皿料理」を気軽に楽しんでいただきます。「ちょっと不安」という方には、添乗員がおすすめのバルにご案内しますのでご安心ください。

我満 好きなものを食べ歩きしながらバルをハシゴするのは、お酒がお好きな方にも楽しみですね。

大泉 サン・セバスチャンでは、コンチャ湾に面した「ロンドレス・イ・デ・イングラテッラ」に3連泊ですね。

我満 旧市街に徒歩約5分のホテルなので、バルめぐりにも便利です。

  • イメージ イメージ 気軽な小皿料理をつまみながら、バルのはしごが楽しいサン・セバスチャンの街

森脇 また、ぜひ楽しんでいただきたいのが、バスクの象徴である楢の木を使い、地元の食材を最高の火入れ状態で提供する究極のバスク料理の店「チスパ」。何と、シェフは日本人の前田哲郎さん。昨年のツアーではキッチンや自家菜園にも案内していただき、ご参加のお客さまも大満足のご様子でした。

  • イメージ イメージ 熾火(おきび)料理が味わえるバスクのレストランTxispa(チスパ)。スペシャリテのエビの火入れは最高です!
  • イメージ イメージ サン・セバスチャンではコンチャ湾が目の前に広がる「ロンドレス・イ・デ・イングラテッラ」に宿泊
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百貨店との協力で生まれた
チョコレート、シャンパンなど、生産者を訪ねる

大泉 ところで、チョコレートをテーマにした旅とは新しい試みですね。

我満 毎年1月から2月に行われる伊勢丹新宿店の催事「サロン・デュ・ショコラ」は、入場予約が取りにくいほどの人気です。そこで、この秋に本場パリの「サロン・デュ・ショコラ」を訪れるツアーを企画しました。伊勢丹新宿店の担当者や三越伊勢丹パリ事務所を通して、毎年秋にパリで行われる「サロン・デュ・ショコラ」の現地主催者と連携し、有名ショコラティエの訪問など特別な体験を計画しています。

大泉 チョコレートといえばベルギーも有名ですよね。

我満 ツアーはベルギーからはじまり、まずブリュッセルでショコラティエの実演を見学。そして、ぶどう畑の広がるシャンパーニュ地方へ向かいます。シャンパーニュでは、「ドン・ペリニヨン」で知られるモエ・エ・シャンドン社のシャンパンセラーの見学などを楽しみます。

  • イメージ エペルネーのモエ・エ・シャンドンのシャンパンセラーを訪れて見学と試飲も楽しむ ©Bruno Rijsman
  • イメージ 1995年にパリではじまったチョコレートの祭典「サロン・デュ・ショコラ」。日本での開催も毎年話題にSalon du ChocolatParis 2024 - ©Brunet - Monié 

宿泊は三越伊勢丹パリ事務所おすすめの「オステルリー ブリケトリー&スパ シャンパン」。趣の異なる2つのレストランの評判も良く、お食事も楽しみです。パリへ向かう途中「ブリー・ド・モー」の工場にも立ち寄ります。チーズの王様と呼ばれる「ブリー」は、有名ホテルの朝食会場でも見かけます。旅行会社としての目線だけでなく、百貨店バイヤーの視点も取り入れた秋ならではのツアーです。

  • イメージ 「チーズの王様」と呼ばれるブリー・ド・モーの工場も訪問。チーズの試食も楽しみたい ©MOs810
  • イメージ エペルネー郊外に佇むエレガントな隠れ家風ホテル「オステルリー ブリケトリー &スパ シャンパン」 ©Hostellerie Briqueterie & Spa - Champagne
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イタリア・トリノとフランス・リヨン 美食の街をつなぐ新ルートの旅

大泉 イタリアのトリノとフランスのリヨンに滞在する珍しい旅ですね。

我満 トリノとリヨン、いずれも美食の街ですが、トリノには宮廷文化の流れがあり、リヨンには市民に支えられた食文化があります。いずれもコンパクトな街で、散策に便利な5つ星ホテルに、それぞれ3連泊します。

トリノでは貴族が好んだ贅沢な料理、高級赤ワイン「バローロ」をふんだんに使ったリゾットなど宮廷料理も楽しめます。トリノといえば、チョコレートの街としての歴史もあります。サヴォイア侯爵がカカオを持ち帰り、まず宮廷で、やがて庶民に広がりました。カフェでは、チョコレートとエスプレッソをマッチングしたビチェリンを試してみるのもおすすめです。

森脇 トリノの南に広がるピエモンテ丘陵もめぐります。バローロのワイナリー訪問やアルバのトリュフ祭りなどは、秋ならではのお楽しみでしょう。そして、スローフード発祥の地ブラという小さな街も訪れます。スローフードは、ファストフードに対して「体に良いものをゆっくり食べましょう」という考え方です。今回も訪れるスローフード協会本部のレストランで、かつて地元イタリア人が「ボーノ(おいしい)、ボーノ」と言いながら、食事を本当に楽しんでいた様子は忘れられません。ぜひ味わっていただきたいですね。

  • イメージ イメージ トリノを訪れたらぜひ試したいエスプレッソとホット・チョコレート、生クリームが3層になった「ビチェリン」

大泉 リヨンではどのような楽しみがあるのでしょうか

森脇 リヨンはもともと工業都市です。戦後に女性料理人が活躍するようになり、その次の世代にフランス料理の巨匠ポール・ボキューズが登場しました。ツアーでは、「ポール・ボキューズ」本店でのディナーもお楽しみいただきます。彼が手がけるレストランはリヨン市内にいくつもありますが、生家を改装し、100年の歴史を誇る本店だからこそ感じられる雰囲気サービスを感じていただきたいですね。ホテルから、ブションと呼ばれるリヨン伝統料理を出す食堂や、ポール・ボキューズ市場なども徒歩圏内。街を歩けば美食に当たります。カフェやショッピングセンターにも近く、お買物にも便利です。お土産に市場で食材をお求めになるお客さまも少なくありません。

  • イメージ イメージ フルビエールの丘からは街を一望。街歩きもとても楽しい街
  • イメージ ブションは伝統的なリヨン料理が食べられるお食事処
  • イメージ 創業100年周年を迎えたポール・ボキューズ本店でのディナーも
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