夜行列車でゆったり寛ぎながら、北国へ。まして伝説の寝台特急「カシオペア紀行」で行くとなれば、ノスタルジックな旅情もぐっと深まることでしょう。
当社ではこの3月、「カシオペア紀行」を特別に貸切り、青森と函館の魅力にふれていただく旅を企画。5コースすべてが満席となり、キャンセル待ちが出るほどでしたが、出発直前に発生した福島県沖地震の影響で運休、ツアーも中止にいたりました。心待ちにしていたお客さまのためにも、もう一度「カシオペア紀行」で。その想いとともに、この9月に催行する東北の旅をご案内します。
1999年にデビューした「カシオペア」は、まさにセンセーショナルな寝台特急でした。JR初のオール2階建て車両、全室2人用の個室寝台をはじめ、夜行列車の常識を一変する設備とおもてなしは瞬く間に旅人の憧れとなり、寝台チケットを手にすることも叶わないほどでした。
そんな「カシオペア」も2016年3月、北海道新幹線の開通とともに惜しまれながら引退。しかし多くのファンの要望により、団体専用臨時列車「カシオペア紀行」として運行を再開。当時の人々をときめかせた上質な個室寝台やエレガントなダイニングカー、ハイデッカー(高床)構造を採用した見晴らしの良いラウンジカーの佇まいは、トラディショナルな風格さえ漂わせます。レストラン「グランシャリオ」で愉しむフランス料理のディナーなど、時代の最先端を走っていたおもてなしも再現されています。
長距離を疾駆する夜行列車の醍醐味は、時間とともに移りゆく景色や町の佇まいをのんびり眺めながら旅路を満喫できること。そして静寂のなか星空を仰ぎつつ、旅先の観光やグルメのこと、果ては走馬灯のように浮かび上る人生の遍歴に想いを馳せるひと時でしょう。そんなひと時をお過ごしいただくために、ご案内する旅ではダイニングカーでのパブタイムをご用意しました。クラシカルな雰囲気のなか、カクテルやワインのグラスを傾けながら秋の夜長をご満喫ください。(先着12名さまですので、お早めに)
空気も清々しい8時32分、青森駅に到着後はそれぞれの想いとともに東北の秋めぐりに繰り出しましょう。
1つ目のコースは、八甲田ロープウェーから秋色に染まる八甲田連峰の眺望を慈しみ、東北の小京都・角館へ。武家屋敷通りをそぞろ歩きしながら、凛とした侍町の風情にふれる4日間の旅です。続いてのコースは、八甲田に加えて岩手の八幡平へ。ひと足早い錦秋の世界に、たっぷりと浸っていただけることでしょう。
3つ目は、奥入瀬と八幡平を訪れるコース。また、車中泊後に八幡平を訪ね、盛岡から新幹線で帰京するコースもご用意しています。3月に催行予定だったツアーでも、鉄道ファンのお客さまをはじめ大きな反響をいただきました。
洋風の木造ログ建築に圧倒される八甲田ホテル、茅葺古民家の佇まいも典雅な角館山荘 侘桜というように、宿泊先も厳選しました。かつて想い焦がれた「カシオペア」が、皆さまをとっておきの東北の旅へとお連れします。