[ 国内特集① ]

2022⇒2023
KYOTO・NARA・ SHIGA

味わい深い、
にっぽんの年越し旅へ

企画=伊藤麻美子/後藤秀幸/大野さおり 文=浅見浩司
  • イメージ イメージ 明治時代はじめまで代々の天皇や皇族が住職を務めた、格式高い門跡寺院・大覚寺
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千年の非公開法会に特別参列
京都・大覚寺で厳かな祈りの新年を

当社のお客さまだけに許された新年第1回法会

年神様(としがみさま)をお迎えし、子孫の繁栄と五穀豊穣を祈るお正月は、日本古来のさまざまな伝統行事にふれる絶好の機会といっていいでしょう。そこで今回は、味わい深い行事やイベントを楽しみながら新年を迎える、4つの旅をご案内します。

最初にご紹介するのは、平安時代初期に嵯峨天皇の離宮として建立されたのがはじまりの格式高い京都・大覚寺で年を越す旅。ここでは、千年以上にわたり、修正会(しゅしょうえ)と呼ばれる、天下泰平・万民豊楽を祈念した法会が毎正月に行われてきました。その全部で6回実施される法会のうち、これまで永らく僧侶のみで営まれてきた一般非公開の新年第1回法会に、2022年の元旦から三越伊勢丹ニッコウトラベルだけが参列を許されました。まさに選ばれたお客さま限定の、特別な祈りのひと時をご堪能ください。さらに、修正会で祈祷した護符・祈願札は毎年皇室各宮家に献上されていますが、今回のツアーにご参加されたお客さまには、それと同様の祈願札がお1人おひとりのご自宅まで届けられます。そのほか、通常非公開である正寝殿の腰障子に描かれる19羽のうさぎを見られるのも、来年の卯年にちなんだ見どころ。また、修正会参列に先立ち、境内を僧侶の案内により拝観いただけます。

  • イメージ イメージ 例年1月1日と2日に行われる大覚寺の新年法会「修正会」
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上賀茂神社で初詣のあと六波羅蜜寺の皇服茶を

旅の2日目にあたる元日の初詣は、上賀茂神社の名で親しまれ、京都で最も古い神社といわれる賀茂別雷神社(かもわけいかづちじんじゃ)へ。国宝の本殿・権殿、鮮やかな朱塗りの楼門をはじめとした、多くの歴史ある建造物を擁する境内全域が世界遺産に登録されています。昼食を挟んで向かうのは、951年、空也上人によって開創された六波羅蜜寺。平安時代の京都で悪疫が流行した際に、上人が十一面観音像を刻み、仏前に献じた茶を病者に授け、念仏を唱えたことで病魔を鎮めたという言い伝えで知られています。これを今に受け継ぐのが皇服茶(おうぶくちゃ)。正月三が日に1年の無病息災を願ってふるまわれる、小梅と結び昆布を入れたお茶をお楽しみいただきます。

元日の夜のお食事は、豊臣秀吉の正室ねねが愛した高台寺にほど近い料亭「高台寺 十牛庵」へご案内。明治41年築の趣ある数寄屋造りの部屋で、京懐石のお正月料理をお召しあがりいただきます。

  • イメージ イメージ 「高台寺 十牛庵」の京懐石料理
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僧侶のすぐあとに1人1打
世界遺産の醍醐寺で除夜の鐘撞きを

1月1日午前0時から僧侶のお経のなか厳粛に

京都・醍醐山全域の約200万坪におよぶ広大な境内を持ち、平安時代から桜の名所として知られる醍醐寺で除夜の鐘を撞く旅も、心に深く刻まれるものになるに違いありません。鐘楼があるのは、山裾に広がる「下醍醐」の中心である金堂の前と、そこから少し上ったところにある観音堂の横の2カ所。大晦日法要が行われたあとの1月1日午前0時から、その両方で1年の厄を祓う除夜の鐘撞きがはじまります。今回のツアーで鐘を撞くのは、比較的静かな観音堂側。黄色い法衣をまとった僧侶がお経をあげる厳粛な雰囲気のなか、最初の1打を僧侶が撞いたすぐあとの2打目から、1人1打ずつお撞きいただけます。

  • イメージ イメージ 京都府下最古の木造建造物といわれる醍醐寺の国宝五重塔(左)
    自身が撞く鐘の音の重々しい余韻に浸る、醍醐寺の除夜の鐘撞き(右)

元日は、ホテルでおせち料理の朝食をお楽しみいただいたあと、平安遷都1,100年を記念して創建された平安神宮へ初詣に向かいます。そして続いて訪れるのが、794年、平安京遷都に際して建立された岡﨑神社。都の東(卯の方角)に位置し、うさぎが氏神様の神使いと伝えられることから、境内のあちらこちらにうさぎの像や絵が置かれています。特に、ひときわかわいらしい阿吽の狛うさぎは必見です。

この旅で元日の夜にお召しあがりいただくのは、京料理のお正月の献立。趣ある「熊魚菴(ゆうぎょあん)たん熊北店 京都南禅寺本店」でごゆっくりご堪能ください。

  • イメージ イメージ 「熊魚菴たん熊北店 京都南禅寺本店」でいただくお正月京料理
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大観音尊像ご開帳を堂内から
奈良・長谷寺へジャンボタクシーで

約12メートルの立像を眼前で見上げる大迫力

3つ目のツアーは、奈良の名刹をめぐる旅。まず大晦日、春日大社で新年を清らかな心身で迎えるための年越大祓式(としこしのおおはらえしき)を見学。夕食後、8世紀に創建された日本有数の観音霊場である長谷寺を訪れ、本尊開帳法要に参列して年明けを迎えます。本尊の十一面観世音菩薩立像は、光背までを含めた高さ約12メートル。今回の旅では、特別に本堂のなかに入り、その壮大な姿を目の前でご覧いただきます。本堂に向かうには通常、399段ある登廊を上がることになりますが、このツアーならすぐ近くまでジャンボタクシーでご案内するので、体力に自信のない方でも安心です。さらに、七福神の一柱である大黒天が祀られている大黒堂も参拝。米俵の上に立ち、打ち出の小槌と福袋を持つ、にこやかな大黒天立像を拝んで、新年の福を呼び込みましょう。

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最終日の1月2日に、奈良時代に藤原鎌足の長子・定慧(じょうえ)が創建したとされる古刹・聖林寺を訪れるのもこの旅の特徴。当日は、正月三が日のみ行われる秘仏宝蔵天・弁財天の特別開扉をご覧いただきます。ツアーではそのほか、境内に約520種類の牡丹や芍薬が植えられた石光寺や、6世紀末から7世紀はじめに蘇我馬子の発願で建てられたという日本最古の本格的仏教寺院・飛鳥寺などへご案内。石光寺では、見頃となる寒牡丹の凛とした美しさをご覧いただけることでしょう。

  • イメージ イメージ 長谷寺の大観音尊像ご開帳に際し、結縁の証として手首に結んでいただける「五色線」
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華やかに1年を締めくくる
琵琶湖畔の大晦日恒例コンサートへ

心揺さぶられる音楽祭から三井寺での除夜の鐘撞きへ

最後にご紹介するのは、琵琶湖畔の壮麗な大ホールで開かれる、大晦日恒例のジルヴェスター・コンサートを満喫いただくツアーです。今年は、世界各国のオーケストラで数々の名演が称賛されている、びわ湖ホール芸術監督の沼尻竜典さんがタクトを振り、「魂の叫び」と評される大阪交響楽団が演奏。1年を締めくくるのにふさわしい、心揺さぶられる華やかなひと時をお楽しみください。

コンサートで胸を熱くしたあとは、1,200年以上の歴史を持つ三井寺で除夜の鐘撞きへ。観音堂に集まった参加者は、提灯を手に鐘楼の隣にある金堂へ向かって出発。午前0時になると「三井寺除夜の鐘」の発声とともに第一鐘が撞かれ、その後1人ひとり順に撞いていきます。

また最終日には、貸切船で琵琶湖に浮かぶ竹生島(ちくぶしま)観光へ。古くから“神の棲む島”といわれ、近年はパワースポットとしても注目されています。

  • イメージ イメージ 大晦日をすばらしい音楽に包まれて過ごすジルヴェスター・コンサートをS席で