このたび、2023年夏に出発する北極点クルーズを発表しました。そこで今回は、本年の夏に添乗員として同船旅に同行した菅谷恵里子が撮影した写真とともに、現地の様子や旅のエピソードをご紹介します。
ラグジュアリー・エクスペディション(冒険)クルーズをリードしてきたフランスのクルーズ会社ポナン。2021年、同社は世界唯一のラグジュアリー砕氷客船「ル・コマンダン・シャルコー」を就航させ、北極点への旅を大きく変えました。この客船の完成により、それまで調査観測用砕氷船でしか到達できなかった北極点へ、豪華で快適なクルーズ船で訪れることができるようになったのです。また、この船には「サイレントモード」という、静かな音で航行できる最新鋭のシステムがあります。この機能によってホッキョクグマやクジラなどの動物たちが船に驚くことなく、時には自分から船に近づいてくるという貴重な光景を目にすることもあります。
今回の北極点到達の旅は20日間、クルーズは15泊という日程。羽田空港を出発し、パリからはチャーター機でノルウェー領スヴァールバル諸島のロングイヤービエンに向かい、「ル・コマンダン・シャルコー」に乗船しました。その後スピッツベルゲン島沿いの海を経て進んで行きます。周りを見渡せば360度、海氷が埋め尽くす世界。「厚い氷が割れ、反転して浮かび上がった氷の美しいこと! まさに天然の芸術作品のようでした」と菅谷。北極についてのレクチャーを受けたり、船内ツアーで操舵室を見学したりと、船内生活を楽しみながら、北極点へ。到達すると汽笛が鳴り響き、シャンパンでお祝いしました。
今、極地の旅は世界のクルーズ界でもブームとなり、幅広い年齢の方が興味を持っています。「今回のツアーには90代の方も参加されました。特別な体力は必要なく、優雅に船内で過ごしながら、北極点までの旅が叶います」。
フランスの著名な探検家ジャン=バプティスト・シャルコーの名を冠するこの客船は、小型船でありながら施設も充実。ラウンジやレストランなどパブリックスペース、客室ともにゆったりとした空間が保たれており、快適な船旅を楽しむことができます。ほかにもジムや、極地でも楽しめる温水プール、スパ、サウナなどが備えられています。「船のデッキにベンチがあるのですが、座ったら温かくてびっくりでした。外にいる時も快適なようにしっかり配慮されていることに感動しました」と菅谷。極地の船旅にも対応した機能性に感心させられます。
また、ラグジュアリーを細部にまで徹底したこの船の料理は、フランス料理の巨匠、アラン・デュカスが監修。「イタリアの“幻のサラミ”や“生ハムの王様”といわれるクラテッロなどの、珍しい食材とワインのマリアージュを堪能されたり、日曜のブランチはカニとキャビアで豪華に楽しまれたりと、さすがフランス船だけあって、食を楽しむイベントも盛りだくさんでした」と食の思い出も尽きません。
旅のスタイルが1段、2段と進化していることを実感させる北極点の船旅。2023年、地球の頂点に優雅に出かけてみませんか。
この続きは10月15日公開のWEB限定記事にてご紹介します。