車窓を流れる美しい景色。こだわりのお食事。きめ細かなサービス。魅力の観光列車の旅はいかがでしょう。高知の「志国土佐 時代(トキ)の夜明けのものがたり」、九州の「或る列車」に乗車した添乗員・頂あかりが撮影した写真とともにご紹介します。
最初にご紹介するのは、博多から由布院まで添乗員として乗車した「或る列車」の旅です。
金と黒を基調とした華麗な車体が博多駅ホームに入線すると、お客さまから歓声が上がり、早速に写真撮影会となりました。ホームに敷かれた赤い絨毯を踏みしめてワクワクしながら車内へ入ります。組子細工とステンドグラスで飾られた廊下、格天井の細工も美しく、列車のなかとは思えない豪華さです。1号車はロマンティックで優雅な雰囲気。2号車は落ち着いた和風の個室タイプ。午前11時過ぎ、いよいよ出発です。
お食事は南青山「NARISAWA」の成澤シェフ監修による、九州の厳選された旬の食材を使用した本格的なコース料理。アテンダントの方にひと皿ずつ給仕していただきます。メインの鹿児島産黒毛和牛の濃厚なビーフシチューはお客さまにも大好評。お飲み物は、九州産で取り揃えたワインや日本酒、緑茶やジュースなど種類が豊富で、お好きなだけお飲みいただけます。
列車が筑後川を渡り、久留米から大分を結ぶ久大(きゅうだい)本線に入ると、車窓には筑後平野ののどかな田園風景が広がります。
やがて河童伝説が残る田主丸(たぬしまる)の駅に到着。河童がモチーフの駅舎がユニークです。ホームには河童の像もあり、皆さま散策など楽しまれていました。コース料理の最後に福岡産いちご・あまおうのデザートを堪能し、午後2時過ぎに由布院駅到着。「もっと乗っていたいのに」と名残惜しそうなお客さまの声も聞こえてくる、あっという間の3時間でした。
2月に設定するツアーでは、名古屋からもご参加いただける行程にしております。関西発と同様に、名古屋から添乗員が同行しますので安心してご参加ください。
続いてご紹介するのは、3月に添乗員として乗車した「志国土佐 時代(トキ)の夜明けのものがたり」です。車内はモダンで未来的なデザインが印象的。高知県高岡郡四万十町にある窪川駅から高知駅までの途中駅で、「土佐流のおもてなし」を体験します。
須崎駅では地元の皆さんから地元野菜のお土産をいただき、鳴子を一緒に鳴らしながら「よさこい」の見学を楽しみました。
お食事は高知の海の幸山の幸が詰まったお弁当です。安和(あわ)海岸、清流・仁淀川を通り、高知城を見ながら高知駅に到着。温かい人情にもふれた約3時間の旅でした。
3月に設定するのツアーでは高知駅発、窪川駅着のコースとなり、停車駅も変わります。安和(あわ)駅での雄大な太平洋と、列車との写真撮影などをお楽しみください。
さて、3月に新設定のツアーでは、関西発着で初登場の、もう1つの人気の観光列車「伊予灘ものがたり」にも乗車します。ご乗車いただくのは八幡浜駅から松山駅までの約2時間。瀬戸内海の西側・伊予灘の美しい海沿いを走ります。
この区間のハイライトはホームの目の前に海が広がる下灘(しもなだ)駅。「青春18きっぷ」のポスターで全国的に有名になった絶景スポットです。車内では特製スイーツが収められたアフタヌーンティーセットをいただきます。
実は2つの観光列車の人気を支えているのが、沿線住民の皆さんなのです。沿線のあちこちに地元の人たちが待ち構えており、小さな子どもまで手を振って歓迎してくれます。なかには大きな横断幕や旗を揚げたり、凝った仮装をしたりする人の姿も。依頼されているわけではなく、地元の皆さんが自発的に歓迎の気持ちを伝えてくれているのです。お客さまも沿線の歓迎ぶりに感激して、手を振って応えていらっしゃいました。