[ 三越創業350周年特別企画② ]

生産地を訪ねシェフと市場散策
そして名店「アケラレ」へ

美味なるバスク
その神髄を知る旅

企画=辻井麻理 文=佐藤淳子
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世界に知られる美食の街サン・セバスチャン

美食の地として世界から熱い視線が注がれるバスク。フランスとスペイン2国にまたがるこの地方で、スペイン側の中心を担うのが、サン・セバスチャンです。

三越伊勢丹ニッコウトラベルでは、三越創業350周年特別企画として、この街を拠点にバスク各地をめぐり、美食の神髄にふれる旅を企画しました。通常のコースでは訪れない場所を訪れ、味わえない食を味わう旅です。食にご興味のある方には特におすすめしたいこのツアー。その内容をご紹介しましょう。

緑豊かな土地と海岸線を有するこの地方は、もともと山の幸にも海の幸にも恵まれた地です。この旅では、塩づくりの長い歴史を有するアニャナ塩田や、ワインの里リオハのワイナリー「マルケス・デ・リスカル」、羊のチーズで知られるイディアサバルの農場など、バスクの食文化を支える食材の産地を訪ねる機会をご用意しました。バスク料理に欠かせないピマン(唐辛子)の産地、フレンチ・バスクのエスペレット村にも足を延ばします。優しい辛味と甘味が特徴のピマンの農家を訪れ、真っ赤な実が干し柿のように家々の軒先を飾る村の散策をお楽しみください。海沿いの街ゲタリアでは名物の魚介炭火焼とアンチョビを味わい、山間にあるトロサではスペイン最古ともいわれる朝市を訪ね、名物のチュレタ(牛骨つきリブロース肉の炭火焼)を堪能します。

  • イメージ スペイン王室御用達のワイナリー「マルケス・デ・リスカル」。併設のレストランで昼食も
  • イメージ バスク料理に欠かせないピマン。産地エスペレット村にも足を延ばす
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海を見渡すレストランと宮殿での優雅な食体験

旅の中程では、特別感たっぷりの1日を満喫いただきます。朝はまず市場へ。ただの市場めぐりではありません。同行してくれるのはサン・セバスチャンの人気レストラン「ミラドール・デ・ウリア」のシェフです。食のプロに食材選びのコツや旬の食材の話を聞きながらの散策は、刺激に満ちたものとなるに違いありません。

  • イメージ イメージ 「ミラドール・デ・ウリア」のシェフと市場めぐり

この日の昼食の舞台は、スペイン王室の夏の離宮ミラマール宮殿です。19世紀後半以降、サン・セバスチャンは王侯貴族や上流階級の高級避暑地として人気の地となりました。社交の中心を担っていたのがこの宮殿です。やがてこの街には、舌の肥えた人々を迎えるレストランが並ぶようになり、現在の外食文化繁栄の土台となります。そんな街の歴史に想いを馳せながら、コンチャ湾の眺望とバスクの伝統音楽とともに食事をお楽しみください。通常は公開されていない宮殿内部に立ち入る貴重な機会にもなります。

  • イメージ イメージ スペイン王室の夏の離宮「ミラマール宮殿」。(©Donostia San Sebastián Turismoa)
  • イメージ コンチャ湾を眺めながら優雅な昼食のひと時を
  • イメージ 宮殿での昼食を盛り上げてくれるのはバスクの伝統音楽(©Donostia San Sebastián Turismoa)

そして夕刻には、コンチャ湾を見晴らす丘に建つ「ミラドール・デ・ウリア」へ。小皿料理「ピンチョス」4種の創作と、「チャコリ」と呼ばれる発泡ワインを注ぐ実演を楽しんだあとは、いよいよ夕食の時間です。祖母、父から店を引き継いだ3代目シェフ、ルベン・トゥリンカドさんの手がける料理は、旬の食材に創意工夫を凝らした見事なもの。朝の市場で目にした食材が登場するかもしれません。ぜひお楽しみに。

  • イメージ イメージ サン・セバスチャンの美景レストラン「ミラドール・デ・ウリア」の面々。右から3人目が3代目シェフ、ルベン・トゥリンカドさん
  • イメージ ウリア山に建つ「ミラドール・デ・ウリア」からコンチャ湾を眺望
  • イメージ 目も舌も楽しませてくれる「ミラドール・デ・ウリア」のひと皿
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ピンチョスとワインでバルめぐりの一夜を

高級避暑地だったサン・セバスチャンが、「美食の街」と呼ばれるようになったきっかけは、1970年代、伝説の料理人、フアン・マリ・アルサックがフランスの「ヌーベル・キュイジーヌ」と出あったことにはじまります。若きアルサックとその仲間たちが互いのアイデアを惜しむことなく共有し、新しい料理法を取り入れて生み出した料理は「ヌエバ・コシーナ」と呼ばれ、やがて世界に名を馳せるようになります。外食文化の伝統を有するこの街は、男性たちが料理を楽しむ会員制「美食倶楽部」が存在するなど、食に飽くなき興味を抱き、分かち合う喜びを知る人々が暮らす土地でもありました。現在の隆盛は当然の帰結だったといえるでしょう。

  • イメージ イメージ サン・セバスチャンでバルめぐり。各店に名物ピンチョスがある

ピンチョスの流行もサン・セバスチャンからはじまったといわれています。ピンチョスといえばバル。名店ひしめき合うこの街で、バルめぐりをしない手はありません。ツアーでは添乗員が1軒目に皆さまをお連れします。注文から会計までひと通り体験したら、2軒目からはお好きな店へ。バルマップを片手にお目当ての店をはしごし、美食の街を存分に味わってください。食と人生を謳歌するこの地の人々に混じって、気楽にピンチョスの逸品を味わい、グラスを傾ける夜は、何ものにも代えがたい思い出となるはずです。

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旅の最後を飾る夕食は名店中の名店「アケラレ」

バスクをより深く知る機会として、ツアーでは、鮮やかなバスクリネンの特産地として知られるサン・ジャン・ド・リュズでリネン工房を訪問するなど、食以外のお楽しみもご用意しています。

  • イメージ イメージ 色鮮やかなバスクリネン。バスクの7地方を表す7本線が伝統の柄

旅の拠点として5連泊する「マリア・クリスティーナ」にもぜひご期待を。王妃の名を冠したこの名門ホテルは、1912年、王妃のために建てられた館で、内装もサービスも優雅そのもの。美食の街の名門ホテルだけあって朝食にも定評があります。バスクチーズやスモークサーモン、そのほか各種の温かな料理が揃う贅沢な食卓で旅の1日をはじめるのも、この旅ならではの楽しみです。

  • イメージ イメージ サン・セバスチャンの名門ホテル「マリア・クリスティーナ」に5連泊。定評ある朝食も楽しみの1つ

そして帰国前夜の食事はサン・セバスチャンの名店「アケラレ」で。世界に名を馳せるこのレストランは、アルサックとともにヌエバ・コシーナ誕生に貢献したペドロ・スビハナさんがオーナーシェフを務める人気店。当社ツアーの旅程に組み込むのもはじめてです。芸術品とも呼べる料理の数々は未知の感動と驚きをもたらしてくれるはず。旅の最後を飾るにふさわしい食事となるでしょう。

「サン・セバスチャンでは、星は夜空でなく地上にある」。かつてこの地の市長はこう語りました。綺羅星のごとく名シェフが集うこの街で、地上の星の煌めきを心ゆくまでお楽しみください。

  • イメージ イメージ サン・セバスチャンの名店「アケラレ」。スビハナ・シェフの手がける料理はもはや芸術