沖縄の原風景を色濃く残すやんばる(山原)で、「エシカル」な島時間を過ごしてはいかがでしょう。聞き慣れない言葉かもしれませんが、「エシカル(ethical)」とは“倫理的な”という意味の英語。環境、人や社会、そして地域に配慮した暮らし方や消費スタイルといえるでしょう。
声高にエコを叫ぶのでも、ことさらに地産地消を語るのでもない。けれど自然や大地に育つ作物、海の恵に感謝しつつ、あるがままの暮らしを紡いできたしまんちゅの営みを通じて「エシカル」なライフスタイルを実感していただけることでしょう。
“ひらまつ”は40年以上にわたりレストラン業界を牽引し、近年ではラグジュアリーホテルの展開などで、私たちを非日常の世界へと誘ってくれます。そんなひらまつが満を持してやんばるの地に5年前に開業した美食リゾートが、旅の舞台である「THE HIRAMATSU HOTELS & RESORTS 宜野座」です。
沖縄は西海岸を中心にリゾート開発が進む一方で、東海岸は手つかずの自然が多く残っています。これこそ、ひらまつが宜野座に美食リゾートを開業した理由。やんばるの自然をあるがままに満喫いただけるよう熱帯植物の原生林にできる限り手をつけず、海岸も素朴な趣を大切にしています。また、東海岸にこだわったもう1つの理由が、荘厳な日の出のひと時。客室やインフィニティプールから眺める、たとえようのない幻想美をご満喫ください。
心躍るのは、地元の食材を活かした食のひと時です。パリのレストランなどで研鑽を積んだ木下喜信シェフが「ほかでは絶対に体験できない料理を」と地元を歩き回って厳選した食材は、琉球鼈(すっぽん)をはじめ、沖縄三大高級魚の赤仁ミーバイ、美崎牛、はては恩納村産のキノコ、美ら恋紅という紅芋、ジーマミ豆腐……とキラ星のよう。時に島胡椒のピパーチをアクセントに加えながら表現される一皿ひと皿を通じて、綿々と受け継がれてきた琉球食文化の豊穣をご堪能ください。
「捨てるものがない明日へ」のスローガンを掲げる現地企業・フードリボン社の協力によって実現した地産作物の畑見学も、かけがえのない思い出になることでしょう。
その1つは、東村での「ゴールドバレル」畑見学と試食体験。名のとおり、まばゆいばかりのゴールドの果肉色が特徴のこのパイナップルは、収穫まで約3年を要し、国内市場ではなかなかお目にかかれない高級品。その上品でバランスの取れた酸味と甘さを、初夏の陽光降り注ぐパイナップル畑でお楽しみください。
2つ目は、大宜味村でのシークヮーサー畑の見学です。潮風と石灰岩のミネラルをたっぷり受けて育った爽快な果汁の味わいは格別です。
うならされるのは、これらの作物が暮らしのさまざまなシーンに利用されていること。パイナップルの葉は、環境にやさしいストローに。また、琉球王朝時代から健康長寿の食材として使われ、芭蕉布を洗う際にはシークヮーサーの果汁で洗ったと伝えられています。そんな文化を受け継いで、最近はシークヮーサーをまるごと使った果汁やアロマなどの製品化をしています。
沖縄の自然環境の象徴ともいえるサンゴの苗づくりの見学とともに、「エシカル」という時代の鼓動にふれる旅体験を存分に満喫ください。