今年は、弘法大師・空海の生誕1,250年を記念する年。新緑が輝く初夏、弘法大師が平安時代に開創した聖地を旅しませんか。
高野山の標高は約800メートル。高野山全域を総本山金剛峯寺とし“密教の聖地”として知られています。当社ではじめて特別貸切する、観光列車「天空」への乗車が旅のハイライト。花々が咲く季節に行く、心やすらぐ3日間の旅をご紹介しましょう。
1日目は“あじさい寺”として知られる奈良の矢田寺へ。境内には約60種類10,000株のあじさいが青、紫、ピンクと色とりどりに咲き揃います。庭園に一斉に咲くあじさいは圧巻です。あじさいは、御本尊であるお地蔵さまにちなんで植えられたといわれています。花の色が移ろう様子は、仏教の「諸行無常」の心を伝えてくれるようです。通常は約200段の石段を登りますが、今回は途中でタクシーに乗り換えてご案内します。その後、バスで九十九折の山道を登り、高野山の宿坊を目指します。この日は弘法大師誕生日の前日に当たり、生誕を祝う「青葉まつり」の前夜祭で賑わう通りを散策されるのもおすすめです。
翌日は、弘法大師が高野山で最初に根本道場を開いたとされる「壇上伽藍」を案内付きで見学。続いて生誕1,250年を記念して特別公開されている金剛峯寺の持仏御本尊開帳へ。1681年に制作された、普段は非公開の持仏御本尊を案内付きでご拝観ください。
精進料理の昼食後、約328メートルの高低差を一気に昇降するケーブルカーで極楽橋駅へ。その後、いよいよ観光列車「天空」に乗車します。車体は高野山の森林をイメージした深い緑と根本大塔をイメージした朱色のラインに彩られています。車内にはさまざまなタイプの座席があり、通常は座席指定ができないのですが、今回は貸切りのためお好きな座席で鉄道の旅をお楽しみいただけます。
急勾配・急曲線の山あいを縫って走る、展望席からの眺めは飽きることがありません。3枚続きのワイドな車窓が広がる座席からは、紀の川、不動谷川や険しい山々の風景を一望することができます。窓が開け放たれた展望デッキのお楽しみは、外気を感じながら愛でる景色。森林の澄んだ空気、若葉の香りや鳥のさえずりなど、高野山麓の自然を感じていただけることでしょう。極楽橋駅から高野山をあとに橋本駅へ。通常はここで終了ですが、今回は大阪・なんば駅まで特別に運行します。清らかな高野山の余韻を味わいながら、大阪までの鉄道の旅を乗り換えなしでゆったりと楽しみましょう。
最終日は、“勝運の寺”“勝ちダルマ”で親しまれる勝尾寺へ向かいます。昼食は、大正15年の建築「音羽山荘」でひと味違う精進料理を。「箕面山 SHOJIN」と名付けられた食事処で、色彩豊かで満足感ある精進料理をひと皿ずつゆっくりとご堪能いただきます。さまざまな素材の出汁をかけ合わせることで引き出される複雑な味わいが特徴。食事とともに京都のティーデザイナーが選ぶ3種のお茶のティーペアリングもお楽しみください。旅の終わりには、眼病平癒の祈願所として知られる楊谷寺へ。境内には約5,000株のあじさいが咲き、なかでも、「あじさいのみち」と呼ばれる参道などが見どころです。