[ 国内特集⑤ ]

しっとりと秋に行く2コース

大人の島めぐり

世界遺産の島・軍艦島と五島列島
手つかずの大自然・八重山諸島

企画=小林絵梨 文=清野協子
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長崎から軍艦島クルーズと祈りの島・五島の教会群

日射しも和らぎ、清々しい風が吹く秋に、日本の島の絶景に出あう、おすすめの2つの旅をご紹介します。

まずは長崎から2つの世界遺産の島をめぐる旅です。長崎港の南西およそ19キロの洋上にある軍艦島は、明治から昭和にかけて日本の近代化を支えた海底炭鉱の島。周囲1.2キロほどの小さな島に、最盛期には約5,300人もの人が暮らし、学校や病院、百貨店、映画館まで備えていました。しかし1974年に閉山すると島は無人になり、廃墟の島となりました。高い護岸が朽ち果てた建物群をぐるりと覆った島の様子が、海を進む軍艦のようです。島の周囲を船でゆっくりと1周したあとに、上陸して見学します。

  • イメージ イメージ かつて海底炭鉱で栄えた世界遺産の人工島、軍艦島

続いて長崎市の西方沖、東シナ海に浮かぶ五島列島へご案内します。ここは江戸時代に多くの潜伏キリシタンが移り住み、集落を形成して独自の信仰を続けた地で、小さな集落を合わせて全部で約50もの教会堂が残されています。

世界遺産に登録された構成資産のうち、今回訪れるのは頭ケ島の頭ケ島天主堂。全国的にも珍しい石造りの聖堂で、内部には椿の装飾が施されており「花の御堂」とも呼ばれています。さらに、福江島の井持浦教会へご案内。ここには、フランスにある難病を治す奇跡の泉を模した、ルルドと呼ばれる泉が日本で最初に建設され、全国から多くの巡礼者が訪れています。

  • イメージ イメージ 福江島最西端の断崖絶壁の上に建つ白亜の大瀬埼灯台
  • イメージ 素朴な石造りロマネスク様式の頭ケ島天主堂
  • イメージ 敷地内に奇跡の泉「ルルド」がある井持浦教会

お泊まりは、2022年に開業した五島列島屈指のラグジュアリーホテル「五島リトリートray」に2連泊。目の前に水平線を望むことができる全室オーシャンビューで露天風呂付き。新鮮で種類豊富な魚介や島野菜、五島牛など、離島ならではの素材を活かした料理の数々を、お楽しみいただきます。

  • イメージ イメージ 海を一望する露天風呂付きの客室(五島リトリートray)

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石垣島を拠点に八重山諸島の4島めぐり

次にご紹介するのは、沖縄本島から約400キロ離れた八重山諸島をめぐる旅です。羽田空港から直行便で到着する石垣島を拠点に、4つの島をめぐります。3連泊しますので、お荷物の移動がない、お体に楽な行程です。ホテルはマエサトビーチに面して建つ「ANAインターコンチネンタル石垣リゾート」のバルコニー付きデラックスオーシャンルームです。

石垣島到着後、まずは白砂のビーチとエメラルドグリーンの海が美しい絶景スポット川平湾へ。グラスボートに乗って、澄み切った海中を観察します。

  • イメージ イメージ 絶好の立地「ANAインターコンチネンタル石垣リゾート」
  • イメージ イメージ 川平湾ではグラスボートに乗船して海中を観察

翌日は高速船で竹富島へ。赤瓦の屋根の上には魔よけのシーサー、サンゴを砕いた白砂の道。沖縄の原風景のようなのどかな集落を、のんびりと散策します。八重山の多彩な美味も存分に。この日の昼食は、石垣島の「舟蔵の里」にて、彩り鮮やかな八重山郷土料理を舌と目でご堪能いただきます。さらに夕食後は、日本で最初に「星空保護区」に認定された石垣島で、星空観賞はいかがでしょう。

  • イメージ イメージ 赤瓦の屋根がサンゴを砕いた白砂の道に映える竹富島

3日目は、島の約9割が亜熱帯の原生林に覆われた、世界遺産の西表島へ。マングローブ流域面積日本一を誇る仲間川を、遊覧ボートで河口から上流へ遡上していきます。その後、水牛車に揺られて由布島へ。潮が引いた浅瀬の海を渡っていきます。

この秋は喧騒を遠く離れ、ゆるりとした空気のなかで、穏やかな島時間を過ごしてみませんか。

  • イメージ 独特な植生を育む仲間川でマングローブクルーズ
  • イメージ 古民家を移築した「舟蔵の里」で滋味あふれる郷土料理を