日射しも和らぎ、清々しい風が吹く秋に、日本の島の絶景に出あう、おすすめの2つの旅をご紹介します。
まずは長崎から2つの世界遺産の島をめぐる旅です。長崎港の南西およそ19キロの洋上にある軍艦島は、明治から昭和にかけて日本の近代化を支えた海底炭鉱の島。周囲1.2キロほどの小さな島に、最盛期には約5,300人もの人が暮らし、学校や病院、百貨店、映画館まで備えていました。しかし1974年に閉山すると島は無人になり、廃墟の島となりました。高い護岸が朽ち果てた建物群をぐるりと覆った島の様子が、海を進む軍艦のようです。島の周囲を船でゆっくりと1周したあとに、上陸して見学します。
続いて長崎市の西方沖、東シナ海に浮かぶ五島列島へご案内します。ここは江戸時代に多くの潜伏キリシタンが移り住み、集落を形成して独自の信仰を続けた地で、小さな集落を合わせて全部で約50もの教会堂が残されています。
世界遺産に登録された構成資産のうち、今回訪れるのは頭ケ島の頭ケ島天主堂。全国的にも珍しい石造りの聖堂で、内部には椿の装飾が施されており「花の御堂」とも呼ばれています。さらに、福江島の井持浦教会へご案内。ここには、フランスにある難病を治す奇跡の泉を模した、ルルドと呼ばれる泉が日本で最初に建設され、全国から多くの巡礼者が訪れています。
お泊まりは、2022年に開業した五島列島屈指のラグジュアリーホテル「五島リトリートray」に2連泊。目の前に水平線を望むことができる全室オーシャンビューで露天風呂付き。新鮮で種類豊富な魚介や島野菜、五島牛など、離島ならではの素材を活かした料理の数々を、お楽しみいただきます。
次にご紹介するのは、沖縄本島から約400キロ離れた八重山諸島をめぐる旅です。羽田空港から直行便で到着する石垣島を拠点に、4つの島をめぐります。3連泊しますので、お荷物の移動がない、お体に楽な行程です。ホテルはマエサトビーチに面して建つ「ANAインターコンチネンタル石垣リゾート」のバルコニー付きデラックスオーシャンルームです。
石垣島到着後、まずは白砂のビーチとエメラルドグリーンの海が美しい絶景スポット川平湾へ。グラスボートに乗って、澄み切った海中を観察します。
翌日は高速船で竹富島へ。赤瓦の屋根の上には魔よけのシーサー、サンゴを砕いた白砂の道。沖縄の原風景のようなのどかな集落を、のんびりと散策します。八重山の多彩な美味も存分に。この日の昼食は、石垣島の「舟蔵の里」にて、彩り鮮やかな八重山郷土料理を舌と目でご堪能いただきます。さらに夕食後は、日本で最初に「星空保護区」に認定された石垣島で、星空観賞はいかがでしょう。
3日目は、島の約9割が亜熱帯の原生林に覆われた、世界遺産の西表島へ。マングローブ流域面積日本一を誇る仲間川を、遊覧ボートで河口から上流へ遡上していきます。その後、水牛車に揺られて由布島へ。潮が引いた浅瀬の海を渡っていきます。
この秋は喧騒を遠く離れ、ゆるりとした空気のなかで、穏やかな島時間を過ごしてみませんか。