宮島に佇む嚴島神社の大鳥居が、70年ぶりの大改修を昨年末に終えて、お披露目された今年。折しもここ広島県では、国際会議「G7広島サミット2023」が催されました。ご案内するのは、この特別な年にふさわしい特別な旅。荘厳な雰囲気のなか、生涯に二度と体験しがたい嚴島神社の夜間奉納公演を、三越創業350周年記念として企画しました。
時を超えて重なり合った大鳥居大改修、G7サミットの開催、そして三越創業350周年。偶然と呼ぶにはあまりに数奇な2023年での出あいを、N響メンバーが弦楽四重奏の調べとともにドラマティックに祝します。G7サミットの舞台になった「グランドプリンスホテル広島」の滞在も、かけがえのない思い出になるでしょう。
約3年半の歳月をかけて「令和の大改修」を終えた、嚴島神社の大鳥居。艶やかなまでに蘇った朱塗りに儚ささえ感じるのは、この社殿整備に大きく寄与した平清盛の栄華盛衰に想いを重ねるからでしょうか。
1996年に世界遺産に登録された嚴島神社の歴史を辿れば、宮島そのものが古から聖なる神として信仰されていたことにいき着きます。推古天皇が即位した593年、この島に創建された嚴島神社はその後に、安芸守(あきのかみ)になった平清盛が厚く信仰し、1168年に現在のような海上社殿を造営したといわれています。潮の満ち引きのある場所に建造された理由は、宮島全体が神と崇められていたため、木を伐採し土を掘ることでご神体を傷つけないようにという配慮からだそうです。
ご案内する旅では、海上に佇む嚴島神社の魅力を余すことなく体感していただくために、夜間の奉納公演に加えて、日中にゆったりと拝観する機会も設けています。拝観は、国宝の客(まろうど)神社からスタート。客神社本殿を経て朱塗りも鮮やかな東廻廊を歩み進むと、約82坪という国内有数の広さを誇る本社本殿に。また、国内で唯一、海上につくられた能舞台も必見です。最大の見どころは、やはり大改修を終えた大鳥居。折しも奉納公演時は、潮位が高いという絶好のタイミングです。社殿の沖合約200メートル先に浮かぶ大鳥居の鮮やかな朱色と、瀬戸内海の群青色が織り成すコントラストに息を呑むことでしょう。
中世日本の建築技術の粋を結集した大鳥居は、6本の柱の足元が海底に埋められておらず、約60トンもの重さで自立しています。そんなエピソードをガイドに教わるのも、旅の楽しみの1つです。
観光客が少なくなり静けさに包まれ、波の音が心地良い宮島の夕べ。ライトアップされた社殿や大鳥居が神〃しいばかりに浮き上がってくるとともに、いよいよ旅のハイライトです。日本トップレベルの実力を有するN響メンバーならではの奉納公演をたっぷりとご堪能いただきます。
舞台は、真正面から大鳥居を望む祓殿(はらいでん)です。凛として緊迫感に満ちた雰囲気のなかで息を凝らしていると、弓と弦がこすれ合う調弦や音合わせの予兆を経て、静寂を破るかのように弦楽器の音が優雅に重なりあいながら響きわたります。第1バイオリン、第2バイオリン、ヴィオラ、チェロとシンプルな楽器編成にもかかわらず、その濃密な音色は時に語り合うように、時に1つの美声となって、皆さまを感動の異次元へと誘うことでしょう。奉納する演奏曲は弦楽四重奏の代表的な楽曲に加えて、馴染みのある曲も。古式ゆかしき日本の伝統文化と、室内楽という伝統的な西洋文化の絶妙なアンサンブルに酔いしれ、通常は入ることのできない夜間ならではの幻想的な雰囲気のなか、約80分の奉納公演はあっという間に過ぎゆきます。
ご案内する旅は2泊3日の「殊の旅」2コースと、1泊2日の「和の旅」2コースを合わせた全4コース。いずれのコースも心躍るのは、G7サミットで注目を集めた「グランドプリンスホテル広島」での宿泊です。
瀬戸内の絶景を望むロケーションもさることながら、ワーキングランチの場となった23階のスカイラウンジ「トップ オブ ヒロシマ」や各首脳が集合写真を撮影した「G7フォトスポット」をはじめ、VIPをもてなした施設などを追体験できます。
奉納公演のほかにも、楽しみも多彩な今回の旅。Aコースは、当社のツアーでも人気の高いリゾートホテル「ベラビスタ スパ&マリーナ 尾道」にゆったりと滞在。常夜燈など江戸時代からの風情が今も残された鞆の浦の町をそぞろ歩きながら、穏やかな時の流れをご満喫ください。Bコースは、四国と本州を結ぶしまなみ海道をバスで往きながら、麗しい島々や瀬戸内海の景色を堪能。四国を代表する名湯・道後温泉の宿泊は、日頃の疲れをゆったりと癒すひと時です。
Cコースは、観光型高速クルーザー「SEA SPICA(シースピカ)」に乗船し、瀬戸内海の島々をめぐりながら多島美を愛でる旅。海面を疾走する爽快さにときめきます。そしてDコースは、趣向を凝らして、広島の2つの世界遺産である宮島、原爆ドームを川と海から眺める遊覧クルーズを楽しみます。地上からとはまた違った視点から、広島の町を再発見していきましょう。
特別な年だからこそ叶った特別な旅を、皆さまのかけがえのない思い出アルバムに添えてはいかがでしょうか。