[ 国内特集① ]

九州企画担当4名のイチ推し!

多彩な温泉の宝庫から選りすぐり
この冬、ゆったり連泊で寛ぐ

温泉王国・九州へ

企画=小林絵梨/中島悠/的場葉月/大川喜史 文=槙原有希
  • イメージ イメージ 蒸気と熱気が辺り一面を覆い尽くす「雲仙地獄」
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そろそろ冬の足音が聞こえてきます。

冬におすすめの行き先は、温暖な気候で旅行しやすい九州。湯量豊かな名湯の宝庫であり、温泉王国なのです。

九州は各県それぞれに毛色の異なる名物があり個性豊か。ご案内するのは、4人の企画担当者がそれぞれ選りすぐった4コース。ひと足早い春を告げる眺望と美食の旅、国立公園に佇む温泉宿に滞在する旅、秘境のような宿で寛ぐ旅、温泉とともに冬の味覚を堪能する旅……。どのコースも、それぞれにこだわり抜いた「特選の宿」に連泊し、心も体も芯から温まります。

さあ、今冬は癒しの温泉旅に出かけませんか。

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私がおすすめする指宿温泉は、保湿効果が高いといわれる名湯です。お泊まりいただく「別邸 天降る丘」は約330メートルの丘に建つ自然に囲まれたリゾートホテル。客室の檜露天風呂、森のなかにある貸切露天風呂、眺望が自慢の展望大浴場などでゆったりとお寛ぎください。お食事は、地産の滋味深い新鮮食材をフランス料理と日本料理でお楽しみいただきます。フランス料理は“薩摩フレンチ”、日本料理は、幾重にも手間をかけた創作料理といえるでしょう。日本料理は、座席数が限られるため通常では予約が困難なのですが、今回は特別にお席をご用意いただくことができました。

  • イメージ イメージ 指宿温泉「別邸 天降る丘」の貸切露天風呂は、森のなかにあるプライベートな空間

ハイライトは日本百名山の1つである開聞岳を背景に、黄色い菜の花が一面に咲く絶景です。九州最大級のカルデラ湖でもある池田湖畔の菜の花の見頃は、12月中旬から2月上旬。ひと足早い春を感じさせてくれる景色を堪能する時間は、心身ともにほぐれるひと時となることでしょう。

  • イメージ 菜の花の先に見えるのは、緩やかな裾野が広がる、“薩摩富士”と呼ばれる開聞岳
  • イメージ 錦江湾に浮かぶ雄大な桜島を目前にして、地元の新鮮な食材にこだわった郷土料理を

島津家別邸「仙巌園」内にある「桜華亭」の貴賓室から見える雄大な眺望も見どころの1つ。桜島を眺めながら、郷土料理をゆっくりとお楽しみください。最終日には、指宿駅から鹿児島中央駅まで、龍宮伝説をテーマにした特急列車「指宿のたまて箱」に乗車。車窓からの眺望もお見逃しなく。

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雲仙温泉の泉質は、硫黄を多く含んだ乳白色の湯。殺菌効果や美肌効果があるといわれています。お泊まりは1917年に創業した「雲仙九州ホテル」へ。日本初の国立公園の1つであり、ユネスコ世界ジオパーク国内第1号の1つにも選ばれた島原半島に佇み、100年を超える歴史を重ねています。2018年のリニューアルにより、温泉宿としての上質な雰囲気を残しつつも、大人のリゾートホテルへ進化しました。客室に備わった半露天風呂に浸かりながら、雄大な雲仙の景色をお楽しみください。

  • イメージ イメージ 全室に硫黄泉の半露天風呂が備わった「雲仙九州ホテル」
  • イメージ 2018年のリニューアルによりホテルスタイルとなった「雲仙九州ホテル」の客室
  • イメージ 朱塗りの円卓を囲む「史跡料亭 花月」の卓袱料理

このコースの特徴は、長崎ならではの歴史や文化にふれる場所を訪れること。キリシタン殉教の舞台にもなった「雲仙地獄」は、人気の地元ガイドとともにめぐります。歴史を丁寧に解説し、クイズなどを折り混ぜた、おもしろ楽しい案内を聞きながら、地球の息吹を感じてください。現存する日本最古の教会建築として国宝にも登録されている「大浦天主堂」も見学します。お食事は、「うなぎ割烹北御門」でほどよく蒸されてふっくらとした諌早名物の楽焼うなぎを、「史跡料亭 花月」で中国やポルトガル、オランダ伝来の料理と和食をアレンジして発展した卓袱料理をどうぞ。

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白川温泉は、黒川温泉の近くに湧く人里離れた温泉。肌の新陳代謝を促進する、保湿・美肌効果の高い秘湯です。おすすめするコースは、竹林に抱かれた宿「山荘 竹ふえ」に滞在し、ゆったりと静かにお過ごしいただく旅です。

  • イメージ イメージ 野趣あふれる竹林に囲まれた「山荘 竹ふえ」の貸切露天風呂

自然豊かな敷地内にあるすべての客室には、趣の異なる自家源泉かけ流しの温泉風呂があり、風景のなかに溶け込むような贅沢な時間をお過ごしいただけます。内湯だけでなく、貸切風呂、足湯など敷地内にあるすべてのお風呂は、加水や加温、循環などを行わない自家源泉かけ流しとなっているのもこの宿の特徴です。温泉の温度を管理しているのは“湯番頭”と呼ばれるスタッフ。その日の天候や気温によって蛇口から出る湯量を調整。お好みの温度に調整できるように温泉バルブも設置されているので、ぬるい時には源泉を加え、熱く感じる時には敷地内からの湧水で温度を下げることができます。また、この湧水は“竹林水”と呼ばれ、館内で飲料水としても使用されています。

  • イメージ 和モダンを基調とした「山荘 竹ふえ」の客室で静かに寛ぎのひと時を
  • イメージ 白川温泉から足を延ばし黒川温泉のライトアップ「湯あかり」へ

夕食・朝食は、お部屋でゆっくりとお召しあがりください。ご希望の方は黒川温泉の「湯あかり」へご案内。竹灯りが点された幻想的な世界が待っています。

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私のイチ推しは、日本を代表する温泉地といわれる別府温泉。湧出量は日本一を誇り、町のいたるところから湯けむりが立ち上がる景色は圧巻です。宿泊は「ANAインターコンチネンタル別府リゾート&スパ」。客室やロビーから、湯けむりの温泉街や別府湾の風景を眺めることができます。大浴場からも、別府石でできた野趣あふれる石造りの露天風呂に浸かりながら、市街地と別府湾の眺望をお楽しみください。夜は別府市から大分市にかけて輝く夜景を眺めながら“美肌の湯”をご満喫いただけます。

  • イメージ イメージ 「ANAインターコンチネンタル別府リゾート&スパ」の露天風呂

このコースのポイントは、1年のうち数カ月しか食べることができない旬の味をお楽しみいただくこと。臼杵の名店である老舗料亭「喜楽庵」でふぐ料理をご堪能いただきます。ふぐといえば下関が有名ですが、豊後水道の海で育まれ、新鮮さと分厚さが特徴の臼杵のふぐも引けを取りません。“その日のふぐをその日のうちに”を信条とする「喜楽庵」で食する冬の味覚は、旅の思い出として記憶に残る味となることでしょう。

  • イメージ 無数の湯けむりがあがる風景は別府温泉ならでは
  • イメージ 噛むほどに甘さが口に広がる「喜楽庵」のふぐ料理

そのほかに、現存する九州最古の木造建築物である「富貴寺」、平安時代後期から鎌倉時代にかけて彫刻された国宝の「臼杵石仏」も見どころ。武家屋敷跡や白壁土蔵などが軒を連ね、往時の町並みが残る城下町臼杵と杵築も訪ねます。