[ 国内特集① ]

延伸する「北陸新幹線」で金沢、そして敦賀へ

「おわら風の盆の夕べ」を慈しみ
春を謳う桜名所を

企画=山口真司 文=井上智之
  • イメージ イメージ 深く心に染み入る「おわら風の盆」の舞を眼前で

しとやかな風情と歳月に磨かれた伝統文化、そして秀麗な景勝や豊穣な山海の幸に心ひかれつつも、北陸の地へ足を運ぶのをためらっていたのは交通の不便さからでしょうか。そんな旅人の想いに応えるように、2024年3月16日、「北陸新幹線」が金沢駅から小松駅、加賀温泉駅、芦原温泉駅や福井駅を経て、敦賀駅へと延伸します。これにより東京駅から福井駅間の所要時間は最短で約2時間50分。敦賀駅までは約3時間10分に。石川県のみならず、福井県の各地へと首都圏から快適に訪れることができるようになります。

ご案内するのは、「北陸新幹線」延伸を記念して春うららかな北陸の地をめぐりゆく旅です。金沢では、老舗料亭の「金城樓(きんじょうろう)」で加賀会席料理をいただきながら、薩摩琵琶の連弾連奏を楽しんだあと、「おわら風の盆」の舞を目の前で鑑賞する夕べのひと時をご用意しました。

  • イメージ イメージ 「おわら風の盆の夕べ」の舞台は、老舗料亭「金城樓」
  • イメージ イメージ 鳴り響く迫力に圧倒される薩摩琵琶の連弾連奏

もう1つのお楽しみは、かの地が誇る「日本さくら名所100選」めぐりです。「兼六園」、「足羽川桜並木」、「丸岡城」の桜模様の華やぎをベストタイミングで観賞いただけるよう、2024年の開花時期として予想される3月末に旅程を設定しました。

延伸する「北陸新幹線」で金沢へ、その先へ。風雪のうっ憤を解き放つように歓びあふれる北陸の春が、皆さまをお待ちしています。

  • イメージ イメージ

「おわら風の盆」の舞を老舗料亭の大広間で

2015年に「北陸新幹線」が長野駅から金沢駅へと延伸したことを機に、より多くの方々が加賀百万石・城下町の絢爛たる魅力にふれられるようになりました。旅のハイライトは、この町で創業130余年の歴史を刻む料亭「金城樓」での「おわら風の盆の夕べ」です。

「おわら風の盆」は、富山市南西部の越中八尾(えっちゅうやつお)で約300年にわたり受け継がれてきた民謡行事。活気や迫力を特徴とする多くの祭りとは対極にある風雅な趣が人気を博し、9月初旬の開催時には全国から約25万人もの観客が訪れます。その一方で小さな町で開催されるだけに観覧場所の確保に難儀するとともに、あらかじめコースを定めない町流しとあって、観客にとってはなかなか思い通りにご覧いただけないこともあるお祭りです。

  • イメージ イメージ 切なくも哀愁を帯びた「おわら風の盆」本祭の町流し

そんな「おわら風の盆」の本来の魅力にふれていただくために、ご案内する旅では、「金城樓」の大広間を貸切って「越中八尾おわら保存会」の方々に目の前で実演していただくひと時を設けました。舞台となる「丹頂の間」は、最大100名さままで収容可能な110畳もの大空間。三味線と哀切に鳴り響く胡弓(こきゅう)の音、太鼓の打音と唄に合わせて踊り手が舞う情感を、臨場感たっぷりにお楽しみいただけるでしょう。ご夕食時には、薩摩琵琶の連弾連奏にも心打たれます。

優雅な「おわら風の盆の夕べ」を盛り立てるのが、老舗料亭「金城樓」ならではの一皿ひと皿です。日本海の海の幸、金沢の土地に育まれた加賀野菜、能登の風土が生み出す珍味、白山からの良水による美酒。そして目にも鮮やかな食材の彩りや代々継承してきた貴重な器への盛り付けと、百万石文化の贅と粋を尽くした加賀会席料理をご堪能ください。

  • イメージ 正面に華やかな舞台が設置された「金城樓」の「丹頂の間」
  • イメージ 治部煮をはじめ加賀伝統の会席料理も楽しみの1つ
  • イメージ イメージ
  • イメージ イメージ

桜名所のクライマックスを思い出のアルバムに

「北陸新幹線」の延伸とともに、かの地の桜観賞もより身近になります。2024年の開花予想に合わせて旅程を吟味したこの旅では、「日本さくら名所100選」に挙げられる「兼六園」、「足羽川桜並木」、「丸岡城」の美しさにふれていただけることでしょう。

金沢の「兼六園」では、日本三名園の雰囲気に包まれながら塩釜桜、普賢象(ふげんぞう)、鬱金(うこん)や兼六園菊桜、兼六園熊谷、旭桜など、多種多彩な桜の競演をゆったりとお楽しみください。

  • イメージ イメージ 「兼六園」で品種多彩な桜の競演に酔い知れる

福井市の中央を流れる足羽川(あすわがわ)の堤防沿いに続くのが、「足羽川桜並木」です。約600本の桜が形づくる、2.2キロ余りにわたる壮大なページェントは息を呑むほど。桜色に染まるトンネルの下を、のどかにそぞろ歩いてはいかがでしょう。

福井市の北東に位置する坂井市。その小高い丘の上にそびえ建つのが、北陸唯一の現存天守を有する重要文化財の「丸岡城」です。約400本のソメイヨシノの花霞のなかに浮かぶ姿が、別名「霞ヶ城」と呼ぶにふさわしい幻想的な世界を創りあげます。

  • イメージ 桜のトンネルが約2.2キロにわたって続く「足羽川桜並木」
  • イメージ ソメイヨシノの花霞に包まれる「丸岡城」
  • イメージ イメージ
  • イメージ イメージ

湯処でゆったり名宿滞在1泊2日の気軽なコースも

ご案内する旅は、「おわら風の盆の夕べ」と桜名所めぐりを共通とした3コースをご用意しています。2泊3日のAコースは、敦賀に直行。「レインボーライン山頂公園」から、万葉集にも詠われた三方五湖(みかたごこ)の絶景を眺望後、あわら温泉へ。創業当時のままに再現された玄関も重厚な「灰屋」で、自家源泉の湯に浸かり郷土懐石をご堪能ください。

  • イメージ “関西の奥座敷”と称されるあわら温泉では、伝統旅館「灰屋」にご宿泊
  • イメージ 随所に山代の粋が感じられる「たちばな四季亭」で日常の疲れを癒す

同じく2泊3日のBコースは「北陸新幹線」で金沢へ。3日目に山代温泉を訪れ、明治元年創業の「たちばな四季亭」にご宿泊。旬の趣にあふれた懐石料理をいただくとともに、日本語五十音図の創始者とされる明覚上人にちなんだ天然温泉「あいうえおの湯」で日常の疲れを癒しましょう。また、Cコースは1泊2日の旅。週末の休日を有効に利用して、春爛漫の北陸を気軽にご体験ください。

「北陸新幹線」で金沢、越前の地へ。車窓から流れゆく春景色を眺めながらゆったりと寛いでいる間に、目的地到着の車内アナウンスが聞こえてくることでしょう。

北陸新幹線延伸記念企画の詳細を見る