[ クルーズ特集① ]

添乗員・奥村由季が体感した「北極点クルーズ」乗船記

“地球の果てまで旅してみたい”を実現
豪華砕氷客船で北緯90度

「地球の頂点」へ

企画=阿部遥奈 文=大友園子
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極地到達に情熱を燃やす冒険家や、研究者など特別な人だけが訪れる地だった北極点。その北緯90度の地球の頂点を、今は豪華客船で訪れることができます。北極点はどのようなところなのか、快適な「北極点クルーズ」とはどのようなものなのか……。今回は2023年の夏に「北極点クルーズ」に添乗した奥村由季の乗船体験を、ツアー中の写真や、お客さま撮影の貴重なお写真とともにご紹介します。

  • イメージ イメージ 総トン数約3万、乗客定員は245人の「ル コマンダン シャルコー」(©PONANT)
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日常から一番遠いところ「北極点まで来た」達成感

7月31日、豪華砕氷客船「ル コマンダン シャルコー」は、朝から北緯89度付近を航行。乗船客ほぼ全員がそわそわしつつ、北極点(北緯90度)到達を、今か今かとその瞬間を待っていました。

  • イメージ イメージ 北極点に近づくにつれ、周囲は一面海氷に覆われた世界に

周囲を見渡せば、出航時に目にしたノルウェーの険しい山々の間を流れ出る氷河の光景は去り、一面氷に埋め尽くされた北極海。陸はなく4~6メートル、厚くて10メートルほどの氷に覆われた海を、船は静かに進んでいました。そして午後2時50分、ついに地球のてっぺん、北極点に到達!

  • イメージ イメージ 北極点到達を記念して甲板で撮影
  • イメージ イメージ 操舵室のレーダーが北緯90度を示した瞬間

船長による北極点到達の船内アナウンスとともに、音楽が鳴り響き、次々とシャンパンが開けられ、乗船客はもちろん、スタッフも加わって船内が沸き立ちました。セレモニーのあと、お客さまとまずは甲板で記念撮影。その後下船し、氷の上に降り立ち再び笑顔で記念撮影をしました。気温はマイナス0.8度、足元には厚い氷原が広がっていました。

この旅で何が一番印象に残っているかといえば、この北極点到達の瞬間です。「ついに、ここまでやって来た‼」という達成感と高揚感は忘れられません。北極点の氷の上に立ち、かつては探検家たちが命がけで競った場所に、こんなにも優雅に到達できるものかと改めて感激したひと時でした。

  • イメージ 船内レクチャーで航海の状況など詳しい情報を得ることができる
  • イメージ 通常のクルーズ船では乗客が入ることはできない操舵室も自由に見学できる
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無機質のようで豊かな北極 地球の歴史を秘めた大自然

クルーズ中、自然を体感しつつ北極について深く知ることができたのも貴重な体験でした。

一見、無機質に見える青と白の氷の世界は実はとても豊かです。海水が凍る際に塩分が抜けてできた微細な隙間に藻類が入り込みます。その藻類は動物プランクトンの養分となりプランクトンを魚が食します。魚はアザラシの餌となり、アザラシは北極の食物連鎖の頂点に立つホッキョクグマの胃袋へと収まります。

年々減っている北極の氷は食物連鎖の源。生き物にとって氷がどれだけあるかが種の存在を左右します。地球温暖化が進めば、近い将来この美しい光景や動物たちの姿も消えてしまうのです。

一方、クルーズの発着地となるノルウェーのスピッツベルゲン島は、かつて採炭で知られる島でした。なんと、この島は太古の時代には赤道近くにあり、森林に覆われていたそうです。足元に転がる石炭を見ながら、驚きとともに日々、時空を越える楽しみも実感できました。

  • イメージ イメージ 北極に生きる動物たちの頂点に君臨するシロクマ。2匹の愛らしい子熊を連れて、客船の様子をうかがう姿がほほえましい(お客さま撮影)
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不自由なく寛げる客船 心配りも行き届いて快適

2021年就航の最新鋭の豪華砕氷客船「ル コマンダン シャルコー」は、一般の船ではアクセスできない凍結した海を航行する砕氷能力を備えた豪華客船です。快適な航海を支える最先端の設備やアラン・デュカス監修のお食事はもちろん、屋外に設置されたベンチまで温められているなど、船旅を快適に楽しんでもらえるよう配慮されています。

船長をはじめスタッフ全員が乗客を楽しませようとする心遣いも伝わってきました。動物が現れるとすぐに船内放送がされ、ゾディアック(エンジン付きゴムボート)での北極海の観光や、カヤックなどのアクティビティも楽しめます。セイウチをかなり近い距離で見た時は目が合い感動しました(笑)。

  • イメージ 停泊中、カヤックやゾディアックで北極海へも(スヴァ―ルバル諸島付近)
  • イメージ 海面に顔を出したセイウチを撮影した貴重な1枚(お客さま撮影)

また、スタッフによる1日の天候データや目にした動物の様子などを画像ともに振り返る時間も設けられています。観光中は夢中になるので、このような時間は貴重でした。メモしておけば、どんな状況下で何をしたか、何を見たかなど鮮明によみがえってきます。

北極で目にした光景は、子どもの頃に読んでもらった双子の子熊の物語『北極のムーシカミーシカ』(いぬいとみこ著)の世界そのものでした。ゾディアックで氷の浮かぶ白と青の世界に入っていく感動は、体験した人だけが知るもの。北極で過ごした特別な日々は忘れられないものとなりました。

  • イメージ イメージ 特別な船旅を記念して、北極の氷で冷やしたシャンパンで乾杯
  • イメージ お客さまも参加された北極点到達記念の「北極点飛び込み」イベント
  • イメージ 蟹、エビ、貝などが並ぶサンデーブランチ。アジア風麺類も楽しみました
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2024年のクルーズは 北極点以外の楽しみも充実

2024年の豪華砕氷客船「ル コマンダン シャルコー」で行く北極点到達クルーズは北極点到達後、氷に覆われた大海原を航海し、この船ならではのダイナミックなクルーズを楽しみます。その後、グリーンランドに寄港し、青く澄んだ海に氷山が浮ぶ雄大なフィヨルド「スコアズビーサウンド」の景観を眼前に。雄大な風景のなかにカラフルな家が点在するイトコルトルミット地方では、極地で暮らす狩人たちの先祖伝来の生活様式を知ることができます。

  • イメージ イメージ 雪をかぶった高峰が連なり、海には氷山が浮かぶスコアズビーサウンド
  • イメージ イメージ グリーンランド東海岸、極地最後の狩人が住むイトコルトルミット地方へ

また、下船後にはアイスランドで1泊して雄大な自然景観を堪能。壮大な滝や間欠泉で知られるゴールデンサークルを訪れるほか、「地球の裂け目」と呼ばれる「ギャウ」など、この地ならではの雄大な景観を存分に楽しみます。

まだ体験したことのない北極、地球の北の果ての大自然を快適に満喫できるクルーズへ、この機会にぜひご参加ください。

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北極点クルーズの旅
予約制 旅行説明会のお知らせ
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北極という特別な場所について、旅のイメージが湧かない、興味はあるが少し不安があるという方も多いのではないでしょうか。下記の通り旅行説明会を実施し、ポナン社スタッフや当社社員より、旅行中の様子を詳しくご説明します。

日 時:2023年12月12日(火)午後2時より

会 場:三越伊勢丹ニッコウトラベル 東京営業所ゲストルーム

アクセス:半蔵門線・銀座線三越前駅B4出口またはA2出口より徒歩約2分 

  • イメージ イメージ (©StudioPONANT/Nathalie Michel)

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