[ クローズアップ ]
爽快な風と山岳風景、著名人が愛する名門ホテル
新たなるラグジュアリーな世界へ
夏のヨーロッパ2024
企画=松原陽介/森脇潤/木島将也/安部川帆南/原田優美子
文=吉田千尋
少人数のゆとりと上質感 心満たすハイクラスな旅
深々と息を吸いたくなる、胸のすくような開放感。三越伊勢丹ニッコウトラベルがお届けする新しい旅は、爽やかな風と煌めく光のなかでベストシーズンを迎える、夏のヨーロッパが舞台です。
たとえば、セレブリティが密かに通う絶景リゾート。限られた席数で、ファーストクラスのようなおもてなしに包まれる景勝鉄道。国賓が滞在する古城ホテル……。オリジナルルートでこだわり抜いた旅先には、少人数のお客さまに限定するからこそ叶えることができる貴重な体験が待っています。それはまさに、進化したラグジュアリー。すべてを委ねられるツアーの安心感とともに、贅を尽くした個人旅行のような喜びを存分に味わっていただけることでしょう。
上質な旅は今、より一層輝きを増して新たな時代を迎えました。2024年夏、まだ見ぬ世界へ、皆さまをご案内します。
宿泊客だけの特等席で マッターホルンを独占
最初にご紹介するのは、アルプス四大名峰を堪能する周遊の旅。はじめてスイスを訪れる方にも、ぜひおすすめしたいコースです。
麓の街ツェルマットから、登山鉄道で40分ほど。国内のホテルで最も高い地点に立つのが「3100クルムホテル・ゴルナーグラート」です。そこには、これぞアルプスの神髄とうならされるような絶景が広がります。4,000メートル級の山々。そして、天を衝くマッターホルン。わずか22室で予約が困難なこのホテルは、世界の旅人にとって羨望の的です。
日帰りの観光客が下山したあとは、静寂のなかで大パノラマを独占する、宿泊客だけの時間がはじまります。神々しさにため息がもれる夕景。ディナーのあとは降るような星空に心を酔わせ、マッターホルンの山頂から灯がともるかのように彩られる朝焼けには思わず息を呑むことでしょう。
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マッターホルンが目の前に。わずか22室で予約困難な 「3100クルムホテル・ゴルナーグラート」
さらに、スイスが誇る二大景勝鉄道に乗車する体験も。しかも始発駅から終着駅まで全線乗車という、ダイナミックな時間が待っています。スイスとイタリアを結び、高低差およそ1,800メートルの急勾配を約2時間で駆け抜けるベルニナ鉄道は、ループ橋や氷河を抱く渓谷など変化に富んだ景色が魅力です。氷河特急では、自転車よりも少し速いくらいのスピードで走るからこそ、のんびりと車窓を眺められます。7つの谷を抜けていく、約八時間の道のりです。
モンブラン山群の国境越えロープウェーなど名峰を余すことなく楽しむ旅で、スイスの夏を満喫してみてはいかがでしょう。
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起伏に富んだルートを全線走破。 ベルニナ鉄道でアルプスを堪能する
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2022年完成のアイガーエクスプレス。 迫力あるアイガー北壁をより間近で望める
圧巻の山上ホテルめぐりや 「ゆったり度3」の旅も
名峰を仰ぎ見る四つの山上ホテルに、計6泊。スイスに魅了された再訪の方や、山をこよなく愛する方に新たな感動を呼び起こす、かけがえのない体験を盛り込んだコースをご用意しました。
ベルニナアルプスを望む「ロマンティックホテル・ムオタス・ムライユ」、マッターホルンで最も美しいとされる北西稜がすぐ目の前で迫力満点の「リッフェルハウス1853」、アイガー北壁が迫りくるクライネ・シャイデックの「ベルビュー&デザルプ」と、多彩な風景が待つ山上ホテル。圧巻は、現地との強いつながりがある当社だからこそ手配できた、ヨーロッパの富裕層がお忍びでやってくる「ビュルゲンシュトック・ホテル&アルパインスパ」です。
静謐なルツェルン湖をボートで渡り、専用ケーブルカーで約500メートルを上昇してようやく辿り着くハイクラスなリゾートは、かのオードリー・ヘップバーンも愛した場所。敷地内には、彼女が結婚式を挙げた小さなチャペルもあります。優雅な時を紡いできたこの地で、客室からアルプスを望む贅沢なひと時は、忘れ得ぬ思い出となることでしょう。
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ボートと専用ケーブルカーで訪れるスイスの山上ホテル「ビュルゲンシュトック・ホテル&アルパインスパ」
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ラウンジからはルツェルン湖、客室からはアルプスを望む絶好の立地
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山上ホテル「ベルビュー&デザルプ」の眼前には アイガーなどユングフラウ三山がそびえ立つ
体力的に自信がない方にも、心洗われるスイスの絶景をあきらめていただきたくないという想いから、「ゆったり度3」の旅もご用意しました。ほとんど歩かず、快適な乗り物でラグジュアリーに名峰を味わえるコースです。
氷河特急では、人気沸騰中で予約が困難な新型車両「エクセレンスクラス」に乗車します。わずか20席、全員が窓際でゆったりと景色を楽しめる、左右一列ずつの配置です。華やかな五品のコースランチ、専用アテンダントのきめ細かなサービスで、およそ8時間があっという間。ヨーロッパでも少数の人しか体験していない贅沢な時間を、ぜひご堪能ください。
ツェルマットでは、街の中心部にある眺望自慢の「グランドホテル・ツェルマッターホフ」に3連泊。マッターホルンビューの客室で、世界の旅人がうらやむ滞在を味わいましょう。
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絶大な人気を誇る氷河特急最上級のエクセレンスクラスで、特別な体験を
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“ツェルマットの顔”と呼ぶにふさわしい「グランドホテル・ツェルマッターホフ」
新たなるラグジュアリーな世界へ 夏のヨーロッパ2024
新鮮な感動を呼び起こす イタリア側のアルプス
ヨーロッパ以外ではあまり知られていない、“もう一つのアルプス”を訪ねる旅はいかがでしょうか。イタリアからマッターホルンを眺めると、スイスで見る剣のように鋭い姿とは異なり、ごつごつとした岩肌で存在感があります。アルプス通が好む隠れ家リゾートのアオスタ渓谷をめぐり、ブルー湖に映る逆さマッターホルンなどの絶景を楽しみましょう。
2023年7月に運航を開始した、イタリアとスイスを結ぶロープウェー「アルパイン・クロッシング」にも乗車します。国境を越え、変化するマッターホルンの表情を味わう体験は格別です。
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スイスとイタリアの国境でもあるマッターホルン。南面の姿は単独峰のイメージを覆す
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氷河とマッターホルンを望む新ロープウェー「アルパイン・クロッシング」
©Zermatt Bergbahnen AG
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「ゆったり度3」のチロル・ドロミテは、馬車など多彩な乗り物で観光
さらに、徒歩観光を少なくしたコースとして、北イタリアのアルプスを味わうドロミテ峡谷の旅もご用意しました。スイスでは白銀に輝くアルプスですが、この峡谷ではまったく違う景色が広がり、奇岩が連なる造形美に圧倒されます。「ゆったり度2」の旅では、各地で連泊しながら、アルプス屈指の景観が続くドロミテ本街道と、夏の間だけ開通するグロスグロックナー景勝道路を全線ドライブ。また、「ゆったり度3」の旅では、馬車や遊覧船など多彩な乗り物を利用した観光が魅力。ホテルはすべて連泊で、美しい山々と中世の街並みを満喫できる行程です。
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ソラピス山塊が映るミズリーナ湖
イギリスやポーランドなど 伝統と文化を堪能する旅
夏の日射しに輝く大自然とともに、味わい深い伝統と文化を特別な空間で体感する……。最後にそんな旅をご紹介します。
イギリス周遊のコースでは、貴族の邸宅を改装した優雅なマナーハウスに泊まり、風光明媚な湖水地方を経てスコットランドへ。多くの映画の舞台となった大渓谷グレンコーの眺めは格別です。
7月、8月出発では、エジンバラ城前の広場で開かれる夏の祭典「ミリタリータトゥ」を鑑賞します。「タトゥ」は入れ墨ではなく、軍隊の帰営ラッパのこと。伝統衣装をまとったスコットランド軍をはじめ、約40カ国もの軍楽隊が次々と繰り広げる華麗なパフォーマンスに、高揚感がこみ上げてくるひと時です。
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各国が華麗なマーチングを繰り広げる 大迫力の祭典「ミリタリータトゥ」
©The Royal Edinburgh Military Tattoo
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スコットランドでは、人気の蒸気機関車ジャコバイト号に乗って風景を味わう
ポーランド周遊のコースでは馬車での移動も取り入れ、歩く時間を少なくした「ゆったり度2」の旅をご用意しました。ワルシャワではショパンの足跡を辿り、近郊の村にある生家での貸切コンサートをお届けします。“ピアノの詩人”が編み出した心揺さぶる旋律を、平屋建ての小さな館で優雅にお楽しみください。第二次世界大戦の被害を免れた麗しき古都クラクフでは、中世の面影が彩る旧市街のホテルに3連泊。街の中心にある広場まで徒歩約2分なので、賑わう昼とは異なる幻想的な夜の街も気軽に散策できます。さらに近郊の選べる観光として、アウシュヴィッツ、または世界遺産となっている巡礼の街カルヴァリア・セヴジドフスカへご案内します。
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ポーランドの古都クラクフでは、街の中心に近いホテルで散策も楽しい
アイルランドをめぐるコースでは、古代から現代まで時の流れを自在にタイムスリップするかのような旅先が魅力です。西部のコング村では、世界中の著名人を魅了し続ける「アシュフォード・キャッスル」に2連泊。アイルランドで最も歴史が長い古城とされ、各国の賓客を迎えてきた風格あふれる名門に滞在する贅沢な体験が待っています。
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アイルランドでは、名門の古城ホテル「アシュフォード・キャッスル」に2連泊
さらにダブリンでは、街を代表するホテル「ザ・ウエストベリー」に3連泊。目抜き通りの散策でパブをめぐったり、お買物を楽しんだりと、賑わう首都でアイルランドの“今”を堪能しましょう。街から離れ、荒涼たる大地に古代遺跡が多数残るバレン高原などを行けば、壮大な時を刻むこの地の歴史が胸に迫ります。
絵画のような街を訪ねるルクセンブルクとベルギーのコースも。ベルギーでは、3年に1度しか開催されない「イーペルの猫祭り」へご案内します。フランスとの国境に近い小さな街で、猫の着ぐるみや猫の耳で仮装した人々が盛大に楽しくパレードする様子は、特別に猫好きの方でなくとも心躍るひと時です。世界の王族が贔屓にするオーベルジュなど、食通の国ならではの美味を楽しむ時間もたっぷりと盛り込みました。
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小さな街が大賑わい!1938年から続く 「イーペルの猫祭り」を観覧席でゆったりと
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絵になる旧市街が楽しいベルギー。 水の都ブルージュでは運河クルーズも
そのほか、オーストリアでは名門ホテル「ザッハー」に2都市で各3連泊、アイスランドでは短い夏を謳歌できるよう、今まで予約を受け付けていなかった人気のホテルを確保しました。この夏、世界中の人々が恋焦がれるラグジュアリーの世界へ旅立ちましょう。